ダンポポの種

備忘録です

甲子園に棲む魔物

2008年05月31日 11時23分29秒 | 備忘録
西宮で過ごした小学生時代の思い出。

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

前回に続いて、小連体の話-。

当日のプログラムの最後に、「学校対抗リレー」というのがあって、大いに盛り上がった。
甲子園球場の外野グラウンド、レフトからセンターにかけての芝生エリアに、リレー用の周回コース(トラック)が特設され、各小学校の代表選手たちが駆け抜けた。(←私の記憶です。確か、芝生エリアにリレー用コースが設定されたと思う)

各小学校から、男子チームと女子チームが1つずつ出場した。
男女別に6~7校ずつが競走して、そのときのゴール・タイムによって総合順位を付ける方式だった。予選とか準決勝とかは一切無しで、各チームとも走るのは一回だけの真剣勝負だった。(←これも私の記憶です)

わがT小学校は、男女両チームとも、各クラスの脚力自慢の中から選びに選び抜いた「超厳選・高速強化オールスターズ」で編成され、さらに、連日の放課後特訓を重ねたうえで甲子園へのりこむという、気合いの入りようだった。
言うまでもなく、私がそこにノミネートされることは有り得なかったので、そういう特訓の厳しさは他人事にしか感じていなかったけれど、大会の直前には日曜日も返上して練習が行われていたように思う。指導担当の先生が、とにかく熱心だった。(→何を隠そう、あの、恐いT先生であった)


そして、特訓の成果は実を結んだ--。

甲子園球場の舞台でT小チームは素晴らしい走りを展開し、タイム集計の結果、男女とも見事1位を獲得して「アベック優勝」の快挙となった。アベック優勝は、小連体において史上初だと聞いた。
一発勝負の結果ながら、西宮市でリレー競走が一番速い小学校、という栄誉に輝いた

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西宮でNo.1である。

私は、応援席(スタンド)から眺めているだけだったが、興奮した。


「よっしゃー これで、ほかの小学校にも、大きな顔ができるなっ

歓喜の声が渦巻く応援席で、私はそう叫んで、周りの仲間と喜びを共にした。


すると、そばにいた女子が、

「あんた…、それ以上 大きい顔してどうすんねん」って。


喜びのあまり、私も油断していた。不用意な一言だった。
〝待ってました!〟のようなツッコミ(好球必打)をまともに喰らった私の心は、一瞬にして焼け野原となり、もう、元には戻らなかった。

甲子園には魔物が棲むと、人は言う。



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