押しても駄目なら

風が吹けば、と共に非線型現象の第二例でしょう。

「危険な人物」ーダカーポ・2006/8/16号

2006-08-12 16:36:32 | 気になる記事
2005年9月11日の衆議院議員選挙で衝撃的な勝利を得た小泉内閣であった。小泉現象とかテレビの罠などと言われ、どうしてそうなのか、をあれこれ解きほぐす試みがされた。例えば、香山リカ:テレビの罠:ちくま新書。当時の資料を駆使して、あれこれの解釈を試みているが、私には説得力が感じられなかった。
このダカーポの記事には井上章一、宮台真司などの新しい解釈、理解が示されています。要約して引用すると、「小泉純一郎に象徴されるように、日本では今まではありえなかったタイプの人物が各業界を代表し、<代表するかのように、>「キーパーソンさ」されている。「もの言う株主」の村上世彰しかり、ライブドア株を96億円で購入したUSENの宇野康秀しかり、メジャーから日本プロ野球に復帰した新庄剛志しかり。」と言う。そうかな?と思うが、もう少し言い分を聞いて見よう。
「では、そうした人物が台頭してきた理由は、一体どこにあるのだろうか。「長い間日本は共同体に埋没したり、他者に同調したりというコミュニケーションを前提とした民主主義でした。それが機能しなくなっている。ようやく自分で決定するスタイルの社会になりつつあります」そう回折するのは、社会学者で種と大学東京准助教授の宮台真司さん。」ふーん、これはかなり説得力がある。もう少しお説を、要約して、拝聴しよう。
「<こうした試みを政治の世界で大胆に実行したのが>小泉首相。従来の集票システムに頼らず選挙に勝った。それどころか、従来型の政治家を“抵抗勢力”と切り捨てた。昨年の衆議院選で刺客を送り込むなどと、以前は考えられなかった手法です。<しかし、これはサッチャーがすでにやっていた!>でも、今、こういう状況は目立ってきていますが、30年くらい前から日本は徐々に変わってきていると思います」と宮台真司さんは仰る。
人文学者の井上章一さんも宮台真司さんと同意見だそうだ。
「町の有力者や業界団体を抑えれば票が集まる時代が終わりつつある。そこに現れたのが小泉純一郎という人です」と井上さん。「小泉首相は党内での支持基盤が弱いから、医師会や郵便局長に圧力をかけても、選挙で票は集まらない。だから、大衆に直接アピールするしかない。」そうか、小泉劇場のポイントはここにあるのだ。「・・・とはいうものの、亀井静香も野中広務も小泉があそこまで自民党の既成のワクをはみでるとは思わなかったでしょう」と笑う井上さん。
編集部のまとめだと思うが、こうした既成概念の壊れつつある社会では、つまり今日の日本での「危険な人物」は1.支持基盤が弱い 2.専門分野での実力にたけている 3.複数分野で活躍する事が出来る 4.常に自分の価値基準で物事を決定している 5.人に嫌われても平気 なのだそうだ。

靖国問題も小泉首相にとってはこうした視点からしか捉えていないのだろう。
香山リカの著書はもう一度このことを念頭に読み直して見よう。


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