知らない世界へ帰りたい(日本探求)

自分の祖先はどんなことを考えていたのか・・・日本人の来し方、行く末を読み解く試み(本棚10)。

「サクラ」の美しさの秘密

2010年04月11日 17時45分22秒 | 日本の美
 日本人にとって、サクラは春になくてはならない風物詩。
 この時期になるとTVで全国のサクラを中継して放映します。
 私は学生時代に弘前公園(サクラの名所)の裏方バイトを経験し、ちょっとサクラにはうるさいのです。

 今春は寒い日が続いてサクラの開花は遅れがちでしたが、散るまでに時間もかかり見頃の時期が長かったようです。
 私も近所のサクラを観て愛でて写真に収めてきました。

 なぜ日本人はこれほどまでにサクラに惹かれるのでしょう・・・NHKの「アインシュタインの眼」という番組で解説していました。

■ サクラの魅力~ポイントは4つ;

□ たくさんの花を咲かせる
 一つの芽から、梅は1つの花を咲かせますが、サクラは3~5個咲かせるそうです。

□ 一斉に咲く
 サクラの花は冬眠するそうです。
 蕾に含まれている休眠物質が冬の寒さで消費されて減ってくると目覚めます。
 さらに開花物質が増えてくることで開花のゴーサイン!
 ソメイヨシノは接ぎ木を繰り返して増えてきたため、遺伝子的には単一とのこと。
 そのため、環境が同じなら同時に一斉に開花します。

□ 一斉に散る
 サクラの花びらはしおれて枯れるまでしぶとくぶら下がってはいません。
 まだ花びらが広がっているうちに潔く散っていきます。
 ゲストの植物学者さんは「人間に大切に扱ってもらうため」と解説していましたが・・・?

□ 「サクラ吹雪」の美学
 花びらはくるくるひらひら、風に舞って「サクラ吹雪」を演出します。
 散り際の美学の秘密は・・・サクラの花びらが①丸いことと、②反っていること。

① 丸い→ くるくる回りやすい
② 反っている→ 風に乗って舞いやすい

 番組の中で実験!
 丸い花びらを紙で作って紙吹雪にしてもくるくる回るだけでひらひらはありませんでした。


■ サクラの花の色の変化
 蕾のときは桜色の花びらですが、開いて散るまでの間に白く変わっていきます。
 一方、めしべははじめ白っぽかったのが徐々にピンク色に変わります。
 なんでも、自然界ではピンク色より白の方が目立ち昆虫を惹きつけるとのこと。

■ サクラの健康状態
 一つの芽から咲く花の数が3個未満は不健康、3~5個は健康、6個以上は非常に健康。
 それから、キノコが生えている幹は瀕死状態だそうです(街並木に多い)。

 なるほど、と頷きながら番組を見終えました。

<追記>
 もう一つ、BS放送でサクラの番組を見ました。
 岐阜県にある「淡墨桜(うすずみざくら)」。
 種類は「エドヒガンザクラ」で、散り際の花びらが白ならぬ淡墨色になることからそう呼ばれているそうです。
 Wikipediaによると「樹高16.3m、幹囲目通り9.91m、枝張りは東西26.90m、南北20.20m。樹齢は1500余年と推定」とのこと。
 1500年かあ・・・聖徳太子もまだ生まれていませんねえ。
 残念ながら近年は寝たきり老人のような状態で、樹木医の治療・介護が必要となっています。
 しかし、老いてもなお盛んで、毎年たくさんの花を咲かせます。
 わずか5日間で散ってしまうそうです。
 365日のうち5日間だけの檜舞台・・・儚いですねえ。
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