「若冲〜天才絵師の謎に迫る」
2016.4.27放映、NHKスペシャル
<内容紹介>
80年以上、行方が分からず美術の世界で“幻”とされてきた絵が見つかった。鳳凰と孔雀を描いた双幅画。江戸時代「神の手を持つ男」と呼ばれた天才絵師・伊藤若冲(1716‐1800)の真筆だと鑑定され、修復作業が進められている。奇しくも今年は、若冲生誕300年の年。江戸美術の傑作と言われ、生命の躍動を描いた「動植綵絵」、そして世界的コレクターの秘蔵作など、世界屈指の作品群が次々と公開される。NHKでは発見された絵や、全国の若冲の傑作に秘められた謎と魅力を徹底究明。最新の分析で浮かび上がる天才絵師の神技に迫る。さらに特別な許可を得て、200年間公開されてこなかった“天井画”、劣化を避けるために立ち入り禁止となった“黄金の間”など、秘蔵中の秘蔵の作品を高精細カメラで撮影。超細密な筆致と生命のエネルギーあふれる色彩が織りなす若冲の世界を伝える。
近年、メディアを賑わせる伊藤若冲。
200年以上前の江戸時代に生きた謎の絵師。
流派に属さず、独学で我流、自由奔放・奇想天外なテクニックを用いて描ききった作品の数々。
現代でも通じる細密性と彩色を兼ね備えています。
しかも下書きをせず、直した形跡も見当たらず、超人的な集中力と云わざるを得ません。
感覚が鋭敏で、ふつうの人間よりいろんなものが見えてしまう・・・宮沢賢治を思い出します。
天才にありがちだですが、やはり当時は評価されなかったようです。
残した言葉は一つ:
「千載具眼の徒を竢つ」(せんさいぐがんのとをまつ)
・・・ 私の絵は遅くとも千年後には理解されるだろう、という意味らしい。
<群鶏図>
すべて羽模様の異なる鶏を線を使わずに描いています。発色の鮮やかさや微妙な濃淡は、重ね塗りの回数や裏塗りという技法を用いています。
インパクトのある「群鶏図」や「樹花鳥獣図屏風」が有名ですが、私が一番印象に残ったのは最後に出てきた蓮池図(大阪府西福寺)でした。
若冲さん、ご安心ください。
300年も経たずに理解され始めていますよ。
日本にとどまらず、海外でも研究されて評価急上昇中。
<追記>
もう一つ、若冲関連の録画番組がありました。
■ ザ・ドキュメンタリー「いのちの不思議を見つめた絵師 若冲は生きている」
(2016.12.22:BS朝日)
江戸時代中期、京都で生まれた天才絵師・伊藤若冲。今年は生誕300年の年に当たり、日本中が若冲ブームに沸いています。
若冲が生涯かけて描き続けたのは鳥、動物、虫、魚、草花など。若冲はそれらを精密にそして色鮮やかな筆致で描写しました。
なぜ若冲は「いのち」をみつめてきたのか?
若冲の絵の魅力と生涯をわかりやすく、解き明かします。
また番組では数々の貴重な若冲の作品を紹介します。
特に今まで公開されていなかった作品「鸚鵡牡丹図」の撮影に成功しました。また四国の寺に眠る「幻の燕」もテレビで初めて紹介します。
この番組では、若冲の絵の特徴・技術を「裏彩色」(うらざいしき)と「裏肌紙」(うらはだがみ)と説明していました。
また、前の番組で「下書きが見当たらない」理由として、下絵を絹地の下に置いて好かして上塗りしていたことを推測していました。
代表作「動植綵絵」に私は何となく違和感を覚えます。
個々の動植物は生き生きしているのですが・・・あることに気づきました。
自然風景の中での動植物ではなく、上手く配置された絵なのですね。
あくまでも「配置」で「構図」ではありません。
若冲の伝記小説「遊戯神通 伊藤若冲」を書いた河治 和香さんや、生物学者の福岡伸一さんも登場しました。
2016.4.27放映、NHKスペシャル
<内容紹介>
80年以上、行方が分からず美術の世界で“幻”とされてきた絵が見つかった。鳳凰と孔雀を描いた双幅画。江戸時代「神の手を持つ男」と呼ばれた天才絵師・伊藤若冲(1716‐1800)の真筆だと鑑定され、修復作業が進められている。奇しくも今年は、若冲生誕300年の年。江戸美術の傑作と言われ、生命の躍動を描いた「動植綵絵」、そして世界的コレクターの秘蔵作など、世界屈指の作品群が次々と公開される。NHKでは発見された絵や、全国の若冲の傑作に秘められた謎と魅力を徹底究明。最新の分析で浮かび上がる天才絵師の神技に迫る。さらに特別な許可を得て、200年間公開されてこなかった“天井画”、劣化を避けるために立ち入り禁止となった“黄金の間”など、秘蔵中の秘蔵の作品を高精細カメラで撮影。超細密な筆致と生命のエネルギーあふれる色彩が織りなす若冲の世界を伝える。
近年、メディアを賑わせる伊藤若冲。
200年以上前の江戸時代に生きた謎の絵師。
流派に属さず、独学で我流、自由奔放・奇想天外なテクニックを用いて描ききった作品の数々。
現代でも通じる細密性と彩色を兼ね備えています。
しかも下書きをせず、直した形跡も見当たらず、超人的な集中力と云わざるを得ません。
感覚が鋭敏で、ふつうの人間よりいろんなものが見えてしまう・・・宮沢賢治を思い出します。
天才にありがちだですが、やはり当時は評価されなかったようです。
残した言葉は一つ:
「千載具眼の徒を竢つ」(せんさいぐがんのとをまつ)
・・・ 私の絵は遅くとも千年後には理解されるだろう、という意味らしい。
<群鶏図>
すべて羽模様の異なる鶏を線を使わずに描いています。発色の鮮やかさや微妙な濃淡は、重ね塗りの回数や裏塗りという技法を用いています。
インパクトのある「群鶏図」や「樹花鳥獣図屏風」が有名ですが、私が一番印象に残ったのは最後に出てきた蓮池図(大阪府西福寺)でした。
若冲さん、ご安心ください。
300年も経たずに理解され始めていますよ。
日本にとどまらず、海外でも研究されて評価急上昇中。
<追記>
もう一つ、若冲関連の録画番組がありました。
■ ザ・ドキュメンタリー「いのちの不思議を見つめた絵師 若冲は生きている」
(2016.12.22:BS朝日)
江戸時代中期、京都で生まれた天才絵師・伊藤若冲。今年は生誕300年の年に当たり、日本中が若冲ブームに沸いています。
若冲が生涯かけて描き続けたのは鳥、動物、虫、魚、草花など。若冲はそれらを精密にそして色鮮やかな筆致で描写しました。
なぜ若冲は「いのち」をみつめてきたのか?
若冲の絵の魅力と生涯をわかりやすく、解き明かします。
また番組では数々の貴重な若冲の作品を紹介します。
特に今まで公開されていなかった作品「鸚鵡牡丹図」の撮影に成功しました。また四国の寺に眠る「幻の燕」もテレビで初めて紹介します。
この番組では、若冲の絵の特徴・技術を「裏彩色」(うらざいしき)と「裏肌紙」(うらはだがみ)と説明していました。
また、前の番組で「下書きが見当たらない」理由として、下絵を絹地の下に置いて好かして上塗りしていたことを推測していました。
代表作「動植綵絵」に私は何となく違和感を覚えます。
個々の動植物は生き生きしているのですが・・・あることに気づきました。
自然風景の中での動植物ではなく、上手く配置された絵なのですね。
あくまでも「配置」で「構図」ではありません。
若冲の伝記小説「遊戯神通 伊藤若冲」を書いた河治 和香さんや、生物学者の福岡伸一さんも登場しました。