毎年、夏がくる前に扇子を一本買うのが私のならいだ。いつもの店に行って扇子を買うついでに、破損した携帯ストラップの代用として上記写真の刺青キューピーを購入した。
帰宅してから調べてみたところ、年末にはネット転売で大騒ぎになった代物のようだ。いかん。完全に乗り遅れた。
こちらは、私にとっては「イケてる扇子屋」という認識でしかなかった浅草の某店のオリジナル商品だ。
なにが特筆すべきかというと、ある意味きわめてばかばかしい商品ながら、(1)開発者がプロ (2)製作者がプロ (3)販売者がプロ というゴールデンな生産・流通ラインを持っていたことだ。
具体的に云うと、(1)は、かつて大ヒットを飛ばしたカードゲーム「UNO」の開発チームに在籍しており、その後は一時のヘアヌードブームを巻き起こした高須基仁氏(※氏個人については色々思うところもあるが、ここでは実績のみに言及)のプロデュースであること、(2)は、デザインを本職の彫り師が担当していること、(3)は、販売元が本物の江戸小物(扇子とか羽子板とか)を長年取り扱っている小さな店舗だったこと。さらに、キューピーデザインの版権許可を得ているという条件設定が、(1)~(3)に基づく商品の“オーセンティシティ”を裏付けている。
売れる商品の種類には、さまざまな要因がある。人間の生理的、感性的なキモチヨサにアプローチする直球かつ斬新な無限シリーズ、スイーツの甘ったるくてファンシーな世界観をリアルな造型で実現することで広く女性の心をくすぐったデコスイーツなどは、近年の廉価なトイの中では大きなブームとなった。
ひどく乱暴に云うなら、これらに共通するのは手頃な価格と小さなサイズ、そして「かわいい」とか「きもちいい」という、人の感情の理屈じゃない部分を刺激したという点か。
これに比して、刺青キューピーの「かわいい」は決して万人受けするものではない(※むしろ本職の方々がまとめ買いをしに来られるとか)。もしもこれが造型として万人受けするようならば、残念ながら日本は危ういと思う。
しかし、企画から製作・販売にかけてのラインの正当さが、この商品の出自にまっとうな理屈を与えることに成功した。そのため、意表を突いた意匠に対する印象は、デザインの面白味といった造型に対する単純な評価にとどまりきらない。どう見てもキッチュでばかばかしい商品が、何人かの“その道”の本職の手を経た完成度の高いホンモノ志向の商品でもあるというアンビバレントな不安定さが、この商品の根幹にあると考える。
一見してばかばかしく見えるこの商品のヒットに対して、「また若者がおかしなものに飛びついた」という見方をすると、おそらくその本質を見誤る。
帰宅してから調べてみたところ、年末にはネット転売で大騒ぎになった代物のようだ。いかん。完全に乗り遅れた。
こちらは、私にとっては「イケてる扇子屋」という認識でしかなかった浅草の某店のオリジナル商品だ。
なにが特筆すべきかというと、ある意味きわめてばかばかしい商品ながら、(1)開発者がプロ (2)製作者がプロ (3)販売者がプロ というゴールデンな生産・流通ラインを持っていたことだ。
具体的に云うと、(1)は、かつて大ヒットを飛ばしたカードゲーム「UNO」の開発チームに在籍しており、その後は一時のヘアヌードブームを巻き起こした高須基仁氏(※氏個人については色々思うところもあるが、ここでは実績のみに言及)のプロデュースであること、(2)は、デザインを本職の彫り師が担当していること、(3)は、販売元が本物の江戸小物(扇子とか羽子板とか)を長年取り扱っている小さな店舗だったこと。さらに、キューピーデザインの版権許可を得ているという条件設定が、(1)~(3)に基づく商品の“オーセンティシティ”を裏付けている。
売れる商品の種類には、さまざまな要因がある。人間の生理的、感性的なキモチヨサにアプローチする直球かつ斬新な無限シリーズ、スイーツの甘ったるくてファンシーな世界観をリアルな造型で実現することで広く女性の心をくすぐったデコスイーツなどは、近年の廉価なトイの中では大きなブームとなった。
ひどく乱暴に云うなら、これらに共通するのは手頃な価格と小さなサイズ、そして「かわいい」とか「きもちいい」という、人の感情の理屈じゃない部分を刺激したという点か。
これに比して、刺青キューピーの「かわいい」は決して万人受けするものではない(※むしろ本職の方々がまとめ買いをしに来られるとか)。もしもこれが造型として万人受けするようならば、残念ながら日本は危ういと思う。
しかし、企画から製作・販売にかけてのラインの正当さが、この商品の出自にまっとうな理屈を与えることに成功した。そのため、意表を突いた意匠に対する印象は、デザインの面白味といった造型に対する単純な評価にとどまりきらない。どう見てもキッチュでばかばかしい商品が、何人かの“その道”の本職の手を経た完成度の高いホンモノ志向の商品でもあるというアンビバレントな不安定さが、この商品の根幹にあると考える。
一見してばかばかしく見えるこの商品のヒットに対して、「また若者がおかしなものに飛びついた」という見方をすると、おそらくその本質を見誤る。
すごい人なんだろうけど、どうも氏が関わっているってだけで引いてしまう。
それ以外は本物感が漂っているんだけどね。
って、本文の流れと違う感想を述べてみるw
高須氏はアンチが多いし、軽々しいところもあるし、あの人の感性は私も個人的にはすきではない。
とはいえ、マーケティング視点からいうと、実績を振り返るとある意味忌々しくもあながち無視はできない。
ってところかねぇ
実はこの内容と似ているのかもしれませんが・・
私の前職時代の最後の方は、
こうした一見「ばかばかしい」と思われることを
その道のプロの力で全力でやるプロジェクトに
いくつか関わっていました。
というか、まともそうな案件を、
敢えてそういう風に
仕向けてしまったきらいもありますが・・。
今やっている仕事でも、
プライベートで関わっているヒト・モノ・コトでも、
実はこういうことをこういう視点でやってみたら、
案外面白いかもしれない・・と、
思うときがあります。
というわけで、またいつの日か、
こういう仕事をしたいなぁ・・
と読んでいて思いました。
対象物はなんであれ、アウトプットの形はどうであれ、具体的な対象者に向けて、まじめな手続きを経て、真摯に発信されたなにかは、往々にして面白いものです。
それが商売として成功するかどうかには大きなハードルがあって、面白いだけじゃ売れないことは事実なのだけれど、たまにはこういう面白いことを全力でやってみたいと私もおもう。
なにかありましたら
080-3587-2550
もしくは
080-1559-7000
まで
まさかご本人にお越しいただけるとは!
光栄しきりでございます。
あれから、両親とか友人とかにねだられて、浅草まで何往復したことかしれません(笑)
次の面白いアイデアがあったら、是非お聞かせくださいませね。
いつかご連絡させていただきますわ。