ROSE PARADICE という名の爪紅を塗りつつ、気付いたことがあった。
「ここ暫く、部屋に花を飾ってないや。」
自分以外誰もいない部屋で、呟いた。
昼には会社の窓から灰色の空ばかりを眺めて、夜には濡れた道路に映り込むヘッドライトの薄黄色とテールライトのオレンジがかった赤を眺めて、そうして私の眼の奥に貯蓄される色が偏ってゆく。万華鏡しかり、色はとりどりであって、リズムを伴ってこの眼窩の奥に沈殿すればこそ、視神経から脳を通じて、しまいには心までをも彩る。
【Q1:赤といえば?】
メメントモリ。
血液、炎、爪。果実。生命の継続と、それが事切れる瞬間とを同時に想起させる不思議な色。
私は体調が悪くなると、爪を赤に彩って、自らを鼓舞する癖がある。
【Q2:青といえば?】
憧れ。
アフリカの高地、あるいは遮るもののない砂漠から見上げた、深い深いそら。
私が「あお」と聞いて最初に浮かぶ色は、なぜだかいつも群青なのだ。
それは、問答無用で泣きたくなる、美しくて届かなくてたまらない色。
【Q3:オレンジといえば?】
アクティブな混沌。
橙とも、茜とも、山吹とも言い切れず、様々な明度や彩度の「オレンジ」が入り組み絡み合ったとき、最も美しいすがたを見せるものだと思っている。夕焼けのように。
【Q4:黄といえば?】
ある国で、僧侶が纏っていた聖なる色。
強い太陽の下でそれは大層高貴で輝かしく、あんなにも自然発光する黄色を私は初めて見た。それは、金よりもむしろ光に近い色であった。
【Q5:緑といえば?】
夏山。
私の心を妖しくかき立て、私の心を幼く深い眠りに落とさせる、それはそれは深くて艶のあるとろりと滴りそうなみどり。子供の頃の私がいつも手から離さなかった色鉛筆の色。
【Q6:紫といえば?】
紫貝。白。
purpleは赤系の紫(紫貝由来)、violetは青系の紫を指す。
要するに、私は赤系の紫のほうをより好きだということだ。
そうして、紫貝は殆どの箇所が白い(※2000個→染料1g)。明石の衣装は紫に白の重ね。諧謔的かもしれないが、紫といえば、白なのだ。
【Q7:紺といえば?】
宵闇。
ブルーの面影の残る紺はすきではない。
湿った闇のような、黒と並んではじめて紺とわかるような鉄紺、あるいは茄子紺(とことん、紫寄りだ)は、人を油断させるぶんだけ、ときに黒よりもセクシーだ。
【Q8:ピンクといえば?】
少女。
正確には「少女性」。女性がその色を見て無条件に「可愛い」と認識してしまうのは、それが幼い頃に失くした、自分の無邪気に紅潮した頬の色だからなのかもしれない。
【Q9:茶といえば?】
食物。それに育てられたもの。
大地から繋がる肉や植物、それを食って生きる動植物や人間が共通して有する色。この色を身に得ていることこそが、この星で暮らす権利の象徴なのかもしれない。
【Q10:白といえば?】
病院。欺瞞。嘘。
白は白単体であることによって、緊張を生ずる。
白は、その傍らに別の色があることによって、はじめて優しくなれる。
【Q11:黒といえば?】
存在と不在。
最も心落ち着く色。高貴でしなやかで、決して凸ではない湿度と温度を伴ってミクロに蠢く凹の色。
【Q12:金といえば?】
祭り。
何とも融和できないその色は、その独立性ゆえに至高のものとなる。
祭という現象の火花感、祀られるなにかの非融和性のなかに、それと似たものを見出してしまうのは、気のせいなのであろうか。
【Q13:銀といえば?】
20世紀。
機械、ひいてはプラントを想起させる色なのだと思う。
ごてごてしたガラクタじみたプラントは、硬質な銀色が痛んでくすんで、たまにはまるで生き物のように溜息をつく。それは、多分21世紀の風景ではない。
【Q14:グレーといえば?】
水面。袈裟。
美しい湖面ではなく、井戸や川などの卑近な「たまり水」の面。
淀んだ鏡は利休鼠。もうひとつの世界、もうひとつの人生を映し込む。消極的なほど密やかに、光を吸収しながら。
【Q15:お疲れ様でした。大好きな色を一つ教えて下さい。】
好きな色には、きっと、名前などない。
【Q16:バトンを受け取る人】
色から音楽を想起することができるあなた。
「ここ暫く、部屋に花を飾ってないや。」
自分以外誰もいない部屋で、呟いた。
昼には会社の窓から灰色の空ばかりを眺めて、夜には濡れた道路に映り込むヘッドライトの薄黄色とテールライトのオレンジがかった赤を眺めて、そうして私の眼の奥に貯蓄される色が偏ってゆく。万華鏡しかり、色はとりどりであって、リズムを伴ってこの眼窩の奥に沈殿すればこそ、視神経から脳を通じて、しまいには心までをも彩る。
【Q1:赤といえば?】
メメントモリ。
血液、炎、爪。果実。生命の継続と、それが事切れる瞬間とを同時に想起させる不思議な色。
私は体調が悪くなると、爪を赤に彩って、自らを鼓舞する癖がある。
【Q2:青といえば?】
憧れ。
アフリカの高地、あるいは遮るもののない砂漠から見上げた、深い深いそら。
私が「あお」と聞いて最初に浮かぶ色は、なぜだかいつも群青なのだ。
それは、問答無用で泣きたくなる、美しくて届かなくてたまらない色。
【Q3:オレンジといえば?】
アクティブな混沌。
橙とも、茜とも、山吹とも言い切れず、様々な明度や彩度の「オレンジ」が入り組み絡み合ったとき、最も美しいすがたを見せるものだと思っている。夕焼けのように。
【Q4:黄といえば?】
ある国で、僧侶が纏っていた聖なる色。
強い太陽の下でそれは大層高貴で輝かしく、あんなにも自然発光する黄色を私は初めて見た。それは、金よりもむしろ光に近い色であった。
【Q5:緑といえば?】
夏山。
私の心を妖しくかき立て、私の心を幼く深い眠りに落とさせる、それはそれは深くて艶のあるとろりと滴りそうなみどり。子供の頃の私がいつも手から離さなかった色鉛筆の色。
【Q6:紫といえば?】
紫貝。白。
purpleは赤系の紫(紫貝由来)、violetは青系の紫を指す。
要するに、私は赤系の紫のほうをより好きだということだ。
そうして、紫貝は殆どの箇所が白い(※2000個→染料1g)。明石の衣装は紫に白の重ね。諧謔的かもしれないが、紫といえば、白なのだ。
【Q7:紺といえば?】
宵闇。
ブルーの面影の残る紺はすきではない。
湿った闇のような、黒と並んではじめて紺とわかるような鉄紺、あるいは茄子紺(とことん、紫寄りだ)は、人を油断させるぶんだけ、ときに黒よりもセクシーだ。
【Q8:ピンクといえば?】
少女。
正確には「少女性」。女性がその色を見て無条件に「可愛い」と認識してしまうのは、それが幼い頃に失くした、自分の無邪気に紅潮した頬の色だからなのかもしれない。
【Q9:茶といえば?】
食物。それに育てられたもの。
大地から繋がる肉や植物、それを食って生きる動植物や人間が共通して有する色。この色を身に得ていることこそが、この星で暮らす権利の象徴なのかもしれない。
【Q10:白といえば?】
病院。欺瞞。嘘。
白は白単体であることによって、緊張を生ずる。
白は、その傍らに別の色があることによって、はじめて優しくなれる。
【Q11:黒といえば?】
存在と不在。
最も心落ち着く色。高貴でしなやかで、決して凸ではない湿度と温度を伴ってミクロに蠢く凹の色。
【Q12:金といえば?】
祭り。
何とも融和できないその色は、その独立性ゆえに至高のものとなる。
祭という現象の火花感、祀られるなにかの非融和性のなかに、それと似たものを見出してしまうのは、気のせいなのであろうか。
【Q13:銀といえば?】
20世紀。
機械、ひいてはプラントを想起させる色なのだと思う。
ごてごてしたガラクタじみたプラントは、硬質な銀色が痛んでくすんで、たまにはまるで生き物のように溜息をつく。それは、多分21世紀の風景ではない。
【Q14:グレーといえば?】
水面。袈裟。
美しい湖面ではなく、井戸や川などの卑近な「たまり水」の面。
淀んだ鏡は利休鼠。もうひとつの世界、もうひとつの人生を映し込む。消極的なほど密やかに、光を吸収しながら。
【Q15:お疲れ様でした。大好きな色を一つ教えて下さい。】
好きな色には、きっと、名前などない。
【Q16:バトンを受け取る人】
色から音楽を想起することができるあなた。
薄ぼんやりと知っていて、
けれど敢えて確かめる必要がないからこそ、
素敵な気がするのです!
それはそれで素敵な気がします!!
じゃぁ、マリリンもかぶっているわけだ(笑
予想があたって、あたしも大満足です。
お揃いの予想がついて大満足です。
そして、マユちゃんの予想どおり、わたしはマリリンも持ってるよ。
ネイルひとつとっても、なかなか面白いなー。
予想通り、オリエントと、タンゴと、フラメンコはかぶってる。
ヨーコちゃんはマリリンとかも持ってそう。
ついでに、もうひとつお揃い。
最近マユが思い出させてくれた、ビーズとスワロフスキーの、あれ。
そうですね。お揃いはこのアイテムの色違いでよければ、複数あるに違いないよ。わたしの予想ではヴィオレットていうのと、タンゴかフラメンコ、もしくはローズフラッシュかオリエントあたりがきっとかぶってる気がします。
わたしは今さっき、マイアミピーチに塗り替えました。カラッと晴れた夏が恋しいってことか・・・
某同僚が、「ひとつくらいお揃いのものがあってもよいかと思って」と我々にくれた北海道土産の某ストラップがありましたが、お揃いなんてほかにもあるんじゃないか!!ということに気付きました。
多分、ほかにも何色かかぶっているんだろうねぇ。
さておき、この色はついついヘビーローテーションです。
今からF1見ながら赤く塗りなおそうと思っていた矢先なんだけれど・・・・なぁ(苦笑)
音楽からはいつも色を想起するので、
違いはなんだ???と考え込みました。
答えはまだ分からないけど。
爪を、真っ赤じゃなくてローズパラダイス(わたしも愛用中よ!)に塗れるぐらい元気が戻っていて、ほんとうに嬉しいです。
あたしも、同じことを思いました。 >和色だったら
「赤」の中には、とてもたくさんの名前をもつ和色があって、それよりたくさん、名前も持たない色がある。
この国はほんとうに色が多い国です。
わたしはそれを、とても嬉しく思っています。
>レン玉
色はヒカリであるとともに、最近では色は8ケタとか6桁とかの数字の羅列ででもありえるようになってしまいました(まぁ従来のインク配合でも同じことですが)。
それは妙に不自然で不完全なものですね。
けれど、同じ色NO.を指定しても、それを転写する紙の種類が異なれば、それぞれ全く別の色味となって出てきます。同じ名前の色が、現実に同じ色を示してくれるとは限らなくて、それが色の困ったところでもあり、美しいところでもあるのだと思うのです。
おかしいですね。
妄想はとてもお得意そうに見えるのですけどね。
>カルマ
ぜひぜひ、拾ってください。
>> 色も音も世界の構成要素の一つ。世界の入り口ですよね。
とても素敵な感性だと思います。
色なんて、所詮ヒカリというひとつのものにすぎないはずなのに、それがこんなにも人生を豊かにする。ヒカリにすぎない色が、こんなにも千変万化して見えることは、色盲でない人間の特性で、それはきっと想像力の入口でもあって。
ならば、世界の入口は想像の入口でもあるのかしら。
>無学☆ さま
キャッチしてくれて有難うございます。
追って、コメントを残しにゆきます。
音楽やリズムが身体の内にある人は、とても素敵だとおもいます。
外で土木系の仕事をしていたときは雨だろうが晴れだろうが別段気にならなかったのに、インドアな仕事になってからというもの時たま見る空の色で露骨に気分を揚鬱させられ皮肉なもんだなぁと思っております。
建物の中で向かい合うコンピュータは目に見える全ての色が選べ表示出来うるはずなのに、青空を仰いだり、夕日を拝んだり、草むらに埋もれたときのような、色に包まれる感覚はどうやらまだ提供してくれません。
無機質な物理平面で数値から生み出された一様な周波数の異なる光。それらが我が物顔で仮想空間上にて色として振舞う。
どこかまだ違和感の残る世界であります。
それを見つけた時、きっとこの国に生まれて良かったなと思うかと。
色から音…音が色になることはありますが。
どうしても、自分が知ってる形にまず当てはめようとしてしまう癖があるので…
恐らく、その方が理解しやすいからだと思いますけど。
でも、色も音も世界の構成要素の一つ。世界の入り口ですよね。
そんな器用なこと出来ない(´・ω・`)