雨の日にはJAZZを聴きながら

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Baptiste Trotignon 『 trotignon el-malek ~ 』(3)

2005年12月25日 19時38分34秒 | JAZZ

バティスト・トロティニョンがサイドメンとして参加しているアルバムは,

Moutin Reunion Quartet 『 Power Tree 』(2001 Dreyfus)
Moutin Reunion Quartet 『 Red Moon 』(2003 Nocturne)
Pierrick Pedron 『 Cherokee 』(2000 Elabeth)
Christian Brun 『 French Songs 』(2001 Elabeth)
Claudia Solal 『 My Own Philosophy 』
Jerome Barde 『 Bifurg 』(yourbuz.com)
OLH orchestra 『 G meets K 』(Yolk records)
Doudou Gouirand 『 Les racines du ciel 』(RDC records)
Jean-Luc Chevalier quartet 『 Hommage a jaco 』(seventh records)

などがあるようですが,僕の持っているのは,Moutin Reunion Quartet 『 Power Tree 』とPierrick Pedron 『 Cherokee 』だけです。Moutin Reunion Quartet の『 Red Moon 』も欲しいのですが,まだ巡り合えてません。

                   
Pierrick Pedron 『 Cherokee 』(2000 Elabeth)
まず,このジャケット・センスは何なんでしょうね。これじゃ食指が伸びませんね。でも内容はかなりイイです。僕はピエリック・ペドロン(as)をこのアルバムでしか知りませんが,やや不安定に聴こえる(リップ・コントロールに難あり?)箇所も散見されますが,全体に激しくブローし,勢いがあり,そんなネガティブな要素など忘れてしまうほど魅力的な音です。ジュリアーニに結構似ているかも。系譜的にはパーカー系です。今回,検索していてたまたま面白い彼のライブ映像を見つけました。かなり貴重ですよ。ぜひ見てくださいね。おっと,トロティニョンのことを忘れてました。もちろん素晴らしいですよ。【愛聴度★★★☆☆】

                   
Moutin Reunion Quartet 『 Power Tree 』(2001 Dreyfus)
優れた才能同士が引き合うように集結したムタン・リユニオン・カルテット。ご存知ムタン兄弟にトロティニョンとこれまた卓抜したテナー・マンのシルヴァン・ビュフ(正しい呼び方知りません)が参加しています。ほとんどがムタン兄弟のオリジナルで,フュージョン的な楽曲も多く,かなりカッコイイです。M-1の出だしからフランソワ・ムタンの強烈グルーブ・ベース・ソロです。このフランソワ・ムタンって人はエレキベースのフレーズを事も無げにアップライトでやってのける技術があるんです。凄いの一言です。おっと,トロティニョンのことを忘れてました。もちろん素晴らしいですよ。以前にマイ・ブログでムタン・リユニオン・カルテットの最新作『 Something Like Now 』を紹介してます。こちらも見てくださいね。【愛聴度★★★★☆】


<番外編>
トロティニョンとは関係ありませんが,シルヴァン・ビュフの『 Soul Notes 』(2001 naive)はマニュエル・ロシュマン(p),プリズムのクリストフ・ウォーレム(b)が参加していて,噛めば噛むほど味の出るスルメ的名盤です。時々ムショウに聴きたくなり,密かに楽しんでいます。【愛聴度★★★★☆】
                   




Baptiste Trotignon 『 trotignon el-malek ~ 』(2)

2005年12月25日 18時41分23秒 | JAZZ

今日は妻とショッピングに出かけたついでに,101日に秋葉原にできた石丸電気のハイオーディオ・ショップ「レフィーノ&アネーロ」に行ってきました。GOLDMUNDJEFF ROWLANDなどの僕には一生縁の無いであろう高級品が並び,ため息しか出ませんでした。「宝くじが当たったら買ってあげるね。」と言う妻の言葉に,なんだか一層悲しくなってきたので,早々店を退散して帰ってきました。それにしてもあれだけ広き敷地をとっていながらお客は僕らを含め3組ほど。これじゃ採算取れないんじゃないのと心配すると同時に,ちょっと安心したりして。あんな高級品を買うお客が沢山いたんじゃ困ります。

ということで,一昨日のバティスト・トロティニョンのお話の続きです。新作の『
trotignon el-malek hall pallemaerts 』(ただメンバーの名前並べただけじゃねーの)の記事にしようと思ったのですが,この際,僕の所有する彼の参加作品を全部挙げてみようかと思います。

                   
Fluide 』。2000年のデビュー作。スタンダード4曲,オリジナル4曲の好ましい選曲です。オリジナル曲はいずれも凝ったテーマとモードを基盤とした欧州抒情派の旋律で,ストロークが大きくハーモニーに深みがあり,高音での高速パッセージも淀みなく,粒立ちが綺麗で,誰が聴いても上手いと感じられる曲。  ただ多少理屈っぽい感じがあり,無機質なフレーズが鼻につきます。よって僕としてはリラックスして弾いているスタンダード4曲が愛聴曲です。特に<My Shining Hour>は右手がよく歌い好演です。なお彼は本作が評価され,2001年度「ジャンゴ・ドール」の最優秀フレンチ・ミュージシャンに選ばれています。【愛聴度★★★★/2☆】

                   
Sightseeing 』。2001年の第二弾。メンバーは第一作と同じく,クロヴィス・ニコラス(b)とトニー・ラベソン(ds)のトリオ。オリジナルが7曲とやや多めです。M-1Anyway>の美しい旋律に魅かれます。3者のインタープレイも見事で,トニー・ラベソンのブラシュも臨場感のあるクリアな音で録音されていています。タイトル曲の<Sightseeing>はもちろんウェザー・リポート時代のショーターの曲です。M-2Fluide>は第一作のタイトルですね。何故かこのアルバムに収められてしまいました。全体に第一作よりスケール感が大きい演奏が多く,本領発揮といったところでしょうか。僕は第一作より本作の方が好きです。【愛聴度★★★★☆】

                    
Solo 』。2003年の第三弾。タイトルが示すようにソロ・ピアノ集です。ブラッド・メルドーの『 Elegiac cycle 』同様,超絶技巧のスーパー・ピアニストは,ソロといえどスタンダードなどは1曲も演奏しません。全曲オリジナルの完全自己陶酔型のアルバムです。悪い意味じゃないんですよ。なんか彼の部屋をそーっと覗き見したら,一人でこんなピアノを弾いているんだろうな~と空想してしまう,彼の隠れた素顔が見えてくるアルバムです。クラシック現代音楽とジャズの融合。『 Elegiac cycle 』同様,はまるとめちゃくちゃはまります。【愛聴度★★★☆☆】

                    
trotignon el-malek hall pallemaerts 』。2005年の第四弾。デヴィッド・エルマレックを入れたカルテットです。トロティニョンとエルマレックが5曲つづ持ち寄った選曲で,エルマレックの曲はやはりエルマレック節の冴えるハード・バピッシュなテーマを持っていて,トロティニョンの曲はトロティニョンらしいモーダルでちょっとよじれたテーマの曲で,それぞれの持ち味がうまく絡み合い,最後まで飽きない内容です。個人的にはもう少しエルマレックにブローしてもらいたかった気もしますが,一応トロティニョンとの共同名義なので,バランスを考えた上での配慮だったのでしょうか。ちょっとエルマレックが控えめです。【愛聴度★★★★☆】

次いで彼のサイドとしての参加アルバムを2枚ほど。


To be continued....