雨の日にはJAZZを聴きながら

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ジャック・ウイルソン 『 Song For My Daughter 』。

2005年10月30日 21時15分04秒 | JAZZ

  

体調もすぐれなかったので,今日は一日家にいて,子供と遊んでいました。
6ヶ月も過ぎ,体重も6kgを超えてきたので,抱っこしてると腕が痛くなってきます。
しかも歯が生えてきてるので,僕の指を噛むと痛いし。
居間に放っておくと,アンプのつまみをいじったり,咥えたり。
テレビのリモコンをしゃぶってどろどろにしたり。
キャー,キャーと叫びながら部屋中を這いづり回ったり。
まさに怪獣です。でも楽しい。

ジャック・ウイルソンのように歌はつくってあげられないけど,
<やぎさんゆうびん>や<げんこつやまのたぬきさん>など,
たくさん童謡を覚えて,歌ってあげるからね。


ジャズ聴いている場合じゃないなぁ~。
童謡を覚えなきゃ。




Jack Wilson 『 Song For My Daughter 』 1968 Blue Note BST-84328
Jack Wilson (p)
Ike Isaacs (b)
Ray Brown (b)
Donald Bailey (ds)
with strings


P.S. 童謡で<やまのワルツ>という曲が美麗歌なんですよ~。


スタンレー・タレンタイン 『 Easy Walker 』。

2005年10月30日 20時12分50秒 | JAZZ
今日は一日,パットしない天気で,気がつけば外はもう真っ暗。時計も7時を回り,妻は夕食の支度を始めてます。夕飯が出来るまで,1枚レコードでも聴こうと取り出したのが,これ。スタンレー・タレンタインの『 Easy Walker 』(Blue Note BST 84268 )。彼のBlue Note の諸作品の中では代表作では決してないのですが,どうしても『 Look Out ! 』や『 Up At Minton’s Vol1&2 』などには手が伸びないんですよねぇ~。

この『 Easy Walker 』は全曲リラックスしていて,黒いブルース臭さがいつもより希薄なタレンタインが,選曲の良さにも助けられて,体臭臭すぎ<ブルース・テナー>嫌いの僕でもすごく楽しめるアルバムです。B-1のビリー・タイラーの書いたタイトル曲<Easy Walker>は,ミディアム・テンポのファンキーな曲。B-2 はバカラック!の<What The World Needs Now Is Love>。これデュオンヌ・ワーウィックが歌ってましたね。う~ん。ホントいい曲です。バカラックのジャズ・カバーに駄作なし。そして極めつけはA-3の<Yours Is My Heart Alone>。大好きなスタンダードなので,僕にとっては演奏の多少の出来,不出来は問題になりません。この<Yours Is My Heart Alone>は,時々耳にしますが,さて,他に誰が演奏してたっけと考えると,思い浮かばない。ウェス・モンゴメリーで聴いた記憶があるようだけど。どのアルバムだか思いだせん。そうそう,最近ではアキコ・グレースが演奏してました。検索したらヨス・バン・ビーストが澤野の『 Because Of You 』で演奏してました。買ってみようかな~。

このアルバム,CDで再発されているのですが,CDにはまたもやボーナス・トラックあり!。しかも5曲もです。更にその中には<Wave>が含まれているんですよ。欲しいぃぃぃ~。でもこれがレコード会社の罠なのだ。ついつい財布の紐が緩みそうになってしまうわ。いかんいかん。我慢せねば。

Stanley Turrentine 『 Easy Walker 』1966年(Blue Note BST 84268 )
Stanley Turrentine (ts)
McCoy Tyner (p)
Bob Cranshaw (b)
Mickey Roker (ds)

マーティン・テイラー meets 渡辺香津美(Ⅱ)

2005年10月30日 13時30分29秒 | JAZZ
 

昨日につづき,英国の優雅で気品にあふれる驚異のギタリスト,マーティン・テイラー(Martin Taylor)のコンサート観演のお話です。

僕の席は12列目の中央付近だったのですが,そのあたりからだと右手の弦を弾いている動きがほとんど分からないほど,ストロークが小さいのです。無駄な動きがないわけです。

ギターソロというのは,ピアノソロに比べて非常に難しいと思うんですね。ピアノと違いギターは,左手で指板を押さえ,右手でその弦を弾くことで,ベース音とメロディーを同時に奏でていかなければならないのですから。おそらく,この世界でギター・ソロが許されるのはジョー・パスとマーティン・テイラーだけではないでしょうか。彼の凄さはボイシィング,ベース,リズム,音色など,すべてにおいて非の打ち所がない高水準にあることなのですが,今回,実際に観て感じたことは,ベース音の凄さです。まず速い。よく観ると右手親指はアップ&ダウン奏法です。ラリー・グラハムをはじめ,最近では多くのスラップ・ベーシストがやっている奏法を,ギター・ソロで使用しているんですね。そのため,1回のストロークで2音出せるので,恐ろしく速いベース・ランニングが可能なんです。しかも,アドリブ・ラインとベース音との間に関連がないというか,(上手く表現できませんが)ピアノの右手と左手のように,彼の親指と他の指(示指,中指,薬指)が独立して動けるということです。これには参りました。音色はあくまでナチュラスで,エフェクターは通してないと思います。あっても卓に任せてある程度でしょう。

その他にも,色々驚く事がありましたが,長くなりそうなのでこの辺でおしまいにして,お薦めのアルバムを1枚紹介します。とはいっても僕が所有している7枚のアルバムの中からですから,軽く参考にしてください。今月ベスト・アルバムが出てはいますが,彼のライフ・ワークでもあるソロを聴くことが,彼の魅力を知る一番の近道と思い,2002年の『 SOLO 』を挙げときます。<My Romance>,<Someday My Prince Will Come>,<Darn That Dream>,<I Thought About You>などのスタンダードを中心に,<Tennessee Waltz>,<Girl Talk>などのキャッチーな曲を織り交ぜ,難解なところは全くなく,誰でも楽しめる作風です。僕は2曲目のテイラーのオリジナル曲<True>が好きだったのですが,コンサートでも弾いてくれて,目頭が熱くなりました。

コンサート終了後のサイン会では,「とても素晴らしかったです。来年も必ず来てくださいね。待ってますよ。」の僕の言葉に,「ありがとう。必ず来るから,君も必ず観にきてね。」と言って,優しい笑顔で握手をしてくれました。 コンサートの入りは悲しいものでした。1階席の後ろ1/3ぐらいは空席。僕の周囲ですら,所々空席が目立ちました。日本ではジョンスコやパット・メセニーなどが大人気のなか,彼はどんな気持ちで日本を発つのでしょうか。やりきれない気持ちを胸にホールを後にしました。

P.S. 僕の中での香津美は,いつまでも<ロンサム・キャット>の香津美であって,ソロなど聴きたくないんだけどな~。

マーティン・テイラー meets 渡辺香津美

2005年10月29日 20時58分13秒 | JAZZ
  

すみだトリフォニー・ホールでのマーティン・テイラーと渡辺香津美のコンサートを観て来たところです。ちょっと体調も悪く疲れてしまいましたので,詳細報告は明日にします。

一部で香津美のソロ,二部でマーティン・テイラーのソロ,そして三部で香津美とマーティン・テイラーのデュオ,の三部構成でした。香津美のソロは退屈で,マーティン・テイラーのソロは素晴らしく,デュオでは結構楽しめました。ソロは各々のソロ・アルバムから5,6曲演奏していたと思います。そしてデュオはやっぱりというか,以前マーティン・テイラーが出したスティーブ・ハウとのデュオ・アルバム『 Masterpiece Guitars 』からの選曲でした。やっぱりソロになると香津美は見劣りするな~と思いました。ソロで観客を楽しませるには,マーティン・テイラーぐらいの卓越した技術がないと駄目なんだな~と実感しました。右上の香津美の『 Guitar Renaissance 』などは一度聴いたら二度と聴きたくないアルバムです。(なんとGuitar Renaissance Ⅱも出ています。)

  CD棚を見たら結構彼のアルバムを持っていました。
 

 

 

一番よく聴くのは上段左の『 Don't Fret ! 』(1991 Linn)でしょうか。オーソドックスなギター・カルテットで,スタンダードを中心にしっとり歌い上げます。安心して聴けますよ。上段右の『 Stepping Stones 』(2000 Linn)は90年代契約していたLinn Recordsの9枚(?)のアルバムからのベストです。中段左の『 Kiss And Tell 』(1999 sony)は,空間浮遊系で,僕は子守唄に聴いてました。心地いいですよ。中段右の『 Masterpiece Guitar 』(2003 sony)はスティーブ・ハウとのデュオです。詳細は省略しますが,このアルバムが出た時は興奮しました。なにしろスティーブ・ハウとのデュオなんて夢にも思わなかったからね。ハウ大好きな僕としてはお宝的アルバム。下段左『 The Valley 』(2004 the guitar label)は,ジャケットの雰囲気は良かったのですが,あまり趣味の良くない男性ボーカルが入っていて,僕は駄目です。そして下段右の『 The Best of Martin Taylor 』(2005 sony)は文字通りベストで,すべてのレーベルからチョイスされています。先日発売になったばかりで,つい買ってしまいましたが,必要なかったかも。

では,つづきはまたあした。

ボブ・バーグ 『 Enter The Spirit 』。

2005年10月28日 23時53分15秒 | JAZZ
           

昨日,マイケル・ブレッカーに似ているラーシュ・メラーの話をしたついでに,今日はやはりブレーカー似のボブ・バーグの話をしてみます。ご存知のように彼は既に2002年12月に交通事故で死亡しています。飲酒運転かスピードの出しすぎかと思ってましたが,実は雪道をスリップしたコンクリートミキサー車に激突されての事故でした。本当にお気の毒です。

よくブレッカーの物まねさんのように扱われがちですが,インタビューでブレッカーが話してましたが,20代の頃はよく二人でジャズについて語り,練習していたそうです。あの独特のスタイルはバーグがブレッカーを真似たのではなく,二人で生み出した共通言語だったのですね。ブレッカーがいつも冷静で,一歩引いた位置でジャズを演奏するのに対し,バーグはいつも熱く語り,ソロではだんだん自ら高揚していく様が実に微笑ましく,人間味を感じてしまい共感します。キレないブレッカー,キレるバーグ。二人とも大好きです。

面白いことにブレッカーの初レコーディングはホレス・シルバーの『 In Pursuit Of The 27th Man 』(Blue Note 1972年)で,バーグの初レコーディングもホレス・シルバーの『 Silver’N Brass 』(Blue Note 1975年)でした。この2作品とも僕の愛聴盤です。70年代のBlue Noteのホレス・シルバーなんか相手にされませんが,なかなかどうして,実にカッコイイですよぉ~(下の写真) 。

 

バーグの最終録音ななんでしょうか。正確にはわかりませんが,アントニオ・ファラオの『 Far out 』になるのでしょうか。実はマイ・ブログの初日に「Blogはじめました。」というタイトルでお話したアルバムです。今読むとちょっと恥ずかしいですが。ここでのバーグは控えめの演奏ですね。あくまで主役はファラオといった感じ。でもこのアルバム大好きです。

最後にバーグの愛聴盤を挙げておきます。バーグ・スターン・バンドも良いのですが,もうちょっとメイン・ストリーム系のジャズを演奏しているものが僕は好みで,87年の『 Short Stories (DENON) 93年の『 Enter The Spirit 』(Stretch),97年の『 Another Standards 』(Stretch)あたりをよく聴きます。特に『 Enter The Spirit 』がお気に入りで,3曲目のチック・コリアの<Promise>でのソロは圧巻です。240秒あたりからの泣きフレーズはたまりません。これぞバーグの真骨頂。まさに演歌の世界。心に沁みる名演ですわ。

昨日お話したキャスパー・ビヨームの『
OUTRUN 』の最後にガーシュウィンの<I Love You Porgy>が,ビヨームとメラーのデュオで収められているのですが,偶然にもバーグの『 Enter The Spirit  』でもチック・コリアとのデュオで<I Love You Porgy>が入ってます。ブレッカー系の2人の歌いまわしの微妙な違いが面白いです。

数日前に
スカパーで,1992年,シュツットガルトでのチック・コリアのライブを放送してましたが,そこにもボブ・バーグが競演していてました。野生的で情熱的な演奏に聴き惚れました。この映像はもしかするとブートDVDで出回っているブツでしょうか。エディー・ゴメス,スティーブ・ガットとのカルテットでした。

51歳の早すぎる死に,あらためてご冥福をお祈りします。

 


キャスパー・ビヨーム 『 #2 』 『 OUTRUN 』。

2005年10月27日 22時37分35秒 | JAZZ
 
    2003  STUNT STUCD03102                       2000   STUNT STUCD00172

キャスパー・ビヨームという人は,Marshmallowから『 Estate 』というピアノ・トリオのアルバムを2002年に出しているのだけれど,やっぱりラーシュ・メラーをフロントに据えたキャスパー・ビヨーム・カルテットの『 #2 』や『 OUTRUN 』の方が,僕としては好みなんです。一方,ラーシュ・メラーもトーマス・クラウゼン,カールステン・ダール,それから先日お話したヤコブ・クリストファーセンらとグループを組んでアルバムを製作してますが,やっぱりキャスパー・ビヨーム・カルテットでの演奏の方がいい音出してるんですよね。何故か,キャスパー・ビヨームとラーシュ・メラーは相思相愛で結びつき,お互いの力を120%引き出してくれる発展的交友関係を築いているように思えて仕方ないのです。上記の2枚も甲乙付け難い出来ですが,個人的に大好きな楽曲<I Wish I Knew>が入っていることで,『 #2 』の方が聴く機会が多いです。

『 Kaleidoscope 』(NAXOS)のお話のところで,ラーシュ・メラーの音はガルバレクに似ているといいましたが,『 #2 』や『 OUTRUN 』での音色は,もろブレッカーです。こちらのブレッカー的音色の方が彼の本当の姿なのでしょうか。あえて3兄弟発汗量で順位をつけるなら,メラー < ブレッカー < ボブ・バーグ,てなところでしょうか。 『 #2 』は最後にビヨームのソロで<Blame It On My Youth>を持ってきて,一方,『 OUTRUN 』では最後にビヨームとメラーのデュオで<I Love You Porgy>を持ってきて静かに終わっていきます。両方とも美しく静かなスタンダードで,ビヨームの美意識に感服する選曲です。

ビヨームが今年31歳,ベースのイエスパー・ボディルセンが35歳,ドラムのモーテン・ルンドが33歳。まだまだ若いのに,演奏は卓越した技術と円熟味のあるエモーショナルな表現力で,欧州ジャズマンの層の厚さを痛感させられます。

           
              2002 marshmallow  MYCJ-30143

フィル・ウッズ 『 Live From Showboat 』。

2005年10月27日 19時41分28秒 | JAZZ
最近,フランシスコ・カフィーソやロザリオ・ジュリアーニなどを聴いていたら,フィル・ウッズを聴いてみたくなり,こんなレコードを取り出してきました。1976年のワシントンのクラブ「ショーボート・ラウンジ」でのライブ2枚組『 Live From Showboat 』です。ウッズの代表作といえば『 Warm Woods 』とかヨーロピアン・リズム・マシーンとの『 Alive And Well In Paris 』『 At The Montreux Jazz Festival 』ですかね。『 Phil Talks With Quill 』なんていうのもありましたね。いいですねぇ~。

でも,個人的にウッズの最高傑作はこの『 Live From Showboat 』なんです。誰も褒めないアルバムだけど絶対いい。特にside3の<Brazilian Affair>が素敵です。21分40秒の4部構成の組曲になっていて,ラテン・リズムに乗って,次々と美麗メロ・哀調メロが飛び出し,感動的組曲です。
この高揚感がたまりませんなぁ~。

僕の中では,ちょうどYESの『 Relayer 』を聴いている時と同じような心境になるんです。ちょうどプログレの楽曲に通じる構成が感じ取れます。
それ以外の楽曲ももちろん出来がよく,2枚組みでも飽きることがありません。

人気のないアルバムなので中古店でも1000円くらいで手に入ります。残念なことに,おそらくCD化されていないと思います。強くCD化を切望するアルバムです。

Phil Woods 『 Live From Showboat 』RCA9131~32
Phil Woods (as, ss)
Mike Melillo (p)
Harry Leahey (g)
Steve Gilmore (b)
Bill Goodwin (ds)
Alyrio Lima (per)

ジャン=ピエール・コモ 『 Storia…』。

2005年10月26日 22時46分49秒 | JAZZ

           

ジャン=ミシェル・ピルクと並びフランスで人気のジャン=ピエール・コモの2001年のアルバム『 Storia…』です。レーベルはフランス(オーストリア?)のnaïve(ナイーブ)です。欧州のピアニストは乱暴に言い切ってしまうと,みんな「ビル・エバンス」であったり,「キース・ジャレット」であったりと,個性に乏しい印象を受けるかもしれませんが,コモの場合は全くそのような偉人の影響を感じない強烈な個性を備えています。クラシックをベースにフランスの音楽文化や現代感覚を混和し,さらにはラテン,ボッサなどのリズムを大胆に用いて,彼独自のフレンチ・ジャズを創りあげています。 本作はベースがトーマス・ブラメリ,ドラムスがウマチェカのトリオです。1曲目<Primavera>からいきなりシャンソン風のリズムではじまり,3曲目<Lungo Mare>ではウマチェカのブラッシュに乗せて,シングル・トーンで美麗なメロディーが奏でられ,ぐーと,コモの欧州ラテン・ジャズに引き込まれます。4曲目はおなじみ<Estete>で,耽美的ピアノイントロが一瞬「エバンス風」ではありますが,リズムはすぐに緩いラテンに変わったり,10曲目には,ビールのCMでご存知のジプシーキングの <Volare>を4ビートで演奏したりと,全編楽しいジャズで一杯です。

彼には,もうひとつの顔があり,知る人ぞ知るフランスのフュージョン・グループ「Sixun」のキーボーディストでもあります。僕は全然聴いたことないのですが,ウェザー・リポートのようなバンドのようです。

下のアルバムは1989年の『 Padre 』(邦題:父に捧ぐ)ですが,これは先日お話したナタリー・ロリエの『 Silent Spring 』で有名になったPygmalionからの発売です。ご存知ガッツプロが輸入代理店です。この作品も路線はあまり変わらず<静かなラテン系ジャズ>なのですが,本作の目玉はなんと言ってもベースのドミニク・デ・ピアッツァです。この人も知る人ぞ知る超絶技巧のベーシストです。確かFoderaのfletless bassを使用していたような気がします。最近ベース・マガジン読んでないので記憶が曖昧ですが。

           

ちょうどジェフ・バーリンがフレットレスでジャズを演奏しているような感じかな。軽くジャコパスを超えてます。僕は持ってませんが,2,3年前にデニチェンとビレリー・ラングレーンとユニット組んでアルバム出しています。最近の活動は分かりませんがあまり露出度高くない人なので,情報不足ですみません。とにかく凄腕のベーシストですから,ぜひ聴いてみて欲しいと思います。

なんか,話がドミニクの方へ逸れてしまいましたが,今日はもう遅いのでこのあたりでおしまいです。


 


ロザリオ・ジュリアーニ 『 More Than Ever 』。

2005年10月25日 21時25分55秒 | JAZZ



ロザリオ・ジュリアーニの昨年発売になった『 More Than Ever 』。ジャン=ミシェル・ピルクとリシャール・ガリアーノが参加していて,ピアノの長年のレギュラーだったピエトロ・ルッソは抜けてしまいました。ドラムもベンジャミン・エノックに交代してます。ジュリアーニを世界に売り出そうと熱意を見せてるフランシス・ドレフュスの意向でしょうか。2001年の『 Luggage 』からDreyfusに移籍し本作が3作目ですが,最近はオリジナル曲が中心で,リシャール・ガリアーノが参加ともなると,否応なしに欧州の香りの漂うジャズ芸術作品の趣ですが,僕としては昔のジュリアーニの方が好きなんですよね。 Philologyからの諸作品なんかでは,なにも考えずただひたすらに疾走し,吹きまくるアルトマンだったですよね。いかにもパーカー直系のバップを,鼻の詰まったフィル・ウッズのような音色で,頭に血が昇りそうな勢いで吹いて,吹いて,吹きまくっていたよね。

僕は特に1999年の『 Connotazione Blue 』が印象的で愛聴しているんだけど,今はあの頃のような瑞々しい輝きが影を潜めているように感じますね。今もとっても上手くて,彼の音が鳴っているだけで楽しいのだけれど,どうしても芸術家然とした雰囲気が鼻につくんですよね。本作を聴いていると,もっと単純にバップを吹いて欲しいと思ってしまいます。


『 Connotazione Blue 』(1999 Philology )
ジャッケトから漂う硬派なバップの香り。いいですよ。

でも,本作もこれはこれでよく出来たアルバムだとは思います。このメンバーで悪かろうはずがありませんけど。リシャール・ガリアーノの存在感がもの凄いので,どうしても全体のイメージが彼に引っ張られてしまって,ジュリアーニの吹きまくるアルバムといった感じではありませんが,たまにはリシャール・ガリアーノを聴くものいいもんだなと思わせるアルバムです。

イタリア本国ではジュリアーニよりステファノ・ディ・バティスタの方が評価が高いようですけど,僕はジュリアーニを応援したいな~。がんばれジュリアーニ。

Rosario Giuliani 『 More Than Ever 』 (2004 Dreyfus)
Rosario Giuliani (as, ss)
Remi Vignole (b)
Benjamin Henocq (ds)
Richard Galliano (acco)
Jean-Michel Pilc (p)


ハンク・モブレー 『 Curtain Call 』 『 Poppin’ 』。

2005年10月24日 21時16分22秒 | JAZZ
 

ハンク・モブレーはBlue Note 1500番台に6枚のリーダー・アルバムを残しています。しかしその6枚以外に,当時は発売されず,後にマイケル・カスクーナにより日の目を見たアルバムが2枚あります。1枚が『 Curtain Call 』であり,もう1枚が『 Poppin’ 』です。そして不思議とそれぞれに1曲づつジミー・ヴァン・ヒューゼンのバラードが収められているのです。『 Curtain Call 』には<Deep In A Dream>,『 Poppin’ 』には<Darn That Dream>です。そしてこれらがものすごく良くて,心に沁みるんです。この季節になると焼酎片手に,思わずレコード棚から取り出したくなるんですよね。意外に知られてないので,今まで密かに悦に浸っておりました。モブレーの最も美味な部分は暖かく優しい音色で奏でられるバラードだと思っています。更にこの2枚に共通しているのは,ピアノが共にソニー・クラークである点です。親しみやすい愛らしいクラーク節で,本作に花を添えています。

この2枚の発売はちょっとややこしいのです。まず,1977年にBlue Noteの発売元が東芝からキングに移った際,「キング世界初登場シリーズ」として『 Poppin’ 』(GXK-8163)として右下のようなジャケットでLPで発売になりました。1983年にBlue Note の発売権がキングから再び東芝EMIに移ると,今度は「ジ・アザー・サイド・オブ BLP1500シリーズ」として『 Curtain Call 』が『 Hank Mobley Quintet Featuring Sonny Clark 』(BNJ-61006)として左下のようなジャケット(BLP-1560の色違い)で発売になったのでした。そして最後,1996年頃にこの2枚は東芝EMIから上のようなジャケットでCDとして発売されたのでした。(以上は私の所有するアルバムから判断したことで,多少の誤りはあるかもしれません。)

            

アート・ファーマー,ペッパー・アダムスらとの3管によるハード・ドライブな『 Poppin’ 』。ケニー・ドーハムとのB級2管フロントの和み系ハード・バップの『 Curtain Call 』。どちらも至福のひと時を約束してくれる隠れた名盤です。

ナタリー・ロリエ 『 Silent Spring 』。

2005年10月24日 19時25分40秒 | JAZZ

            

ベルギーの才媛ナタリー・ロリエの1999年,Pygmalionから発表したアルバム『 Silent Spring 』です。1990年にベルギー最大のドメスティック・レーベルIglooにファースト・アルバム『 Nympheas 』を発表以来,3枚のIgloo盤を残してきましたが,本作は初めてフランスのPygmalionから発表しています。

前出のサラ・ジェーン・シオンがいかにも女性的なタッチで,エバンス系の叙情的美旋律を奏でる才媛だとしたら,その対極にある男性的なハード・ドライビングなモード系ジャズで聴き手を魅了する才媛がナタリー・ロリエです。1曲目のイントロから強烈に疾走し,最後までドキドキ,ワクワクのオリジナル曲が並びます。あまり女性の演奏だと先入観を持たない方がよいですね。もうジェンダーレスなジャズだと思います。本作は全曲彼女のオリジナルで固めた自信作で,かなりコンポーザーとしての素質も備わっていることが伺えます。特に2曲目のタイトル曲<Silent Spring>では,エバンスやリッチー・バイラクーク的音遣いを織り交ぜながら,ヨーロッパ調の静謐な空間を表出していて,素晴らしい出来だと思います。

欧州では最近はかなり人気が出てきているようですが,まだまだ日本では知名度が低いのが残念です。これからの活躍に期待したいと思います。

P.S. 初めにこのジャケットを見た時,ロニー・ロスネスの新譜かと勘違いしました。けっこう似てませんか。

            
                   Renee Rosnes


サラ・ジェーン・シオン 『 Summer Night 』。

2005年10月23日 19時29分37秒 | JAZZ
先日,NAXOSレーベルについてお話した際に登場したサラ・ジェーン・シオンのアルバムです。NAXOSからクリス・ポッター参加の『 Moon Song 』(2000)と,マイケル・ブレッカー参加の『 Summer Night 』(2001)が発売になってます。どちらも素晴らしい出来です。彼女はこんなマイナー・レーベルに留まっているような器ではないと思っています。メジャー・デビューを切望する逸材です。

彼女のホーム・ページのBiographyを和訳しましたので,載せていきます。
(一部省略した箇所がありますので,ご了解ください。)

サラ・ジェーン・シオンは1999年11月11日に,フロリダのジャクソンビルで開催された,第17回グレート・アメリカン・ジャズ・ピアノ・コンペティションで優勝しました。審査員はホレス・シルバー,ケニー・バロン,エリス・マリサリス,ベニー・グリーン,そしてビル・チャーラップらでした。シオンのトリオは2000年1月には福岡ブルー・ノートでも演奏しました。また,2000年2月8日には,マリアン・マクパートランドのラジオショウ<ピアノ・ジャズ>にも出演しています。

サラは,以下のような新旧のジャズ・ミュージシャン達と競演の経験を持っています。それらは,クラーク・テリー,アル・グレイ,エタ・ジョーンズ,デイブ・リーブマン,ロン・マックルアー,デニス・イルウィン,エリオット・ジグモンド,ドクター・リン・クリスティー,デラ・グリフィン,ラルフ・ララマ,ドン・ブレイデン,サンティ・デブリアノ,アラン・ハリス,フィリップ・ハーパー,アルベスタ・ガーネット,ロニー・プラキシコ,その他のミュージシャンです。彼女はよくバードランドで<Lew Anderson Big Band>に参加したり,スウィート・ベイジルで<The Spirit Of Life Ensemble>に参加したりしています。現在はテナーのジェームス・マクブライドと競演しています。彼女のデビューアルバム「Indeed !」では,アルトサックスのアントニオ・ハート,ドラマーのトニー・リーダスらと競演しています。セカンドアルバム「Moon Song」は2000年5月にNaxosレーベルから発売されましたが,そこではフィル・パロンビ,クリス・ポッター,そしてビリー・ハートらと競演しています。「Moon Song」は,2000年4月,日本のモダン・ジャズ・アルバムの売り上げ4位を記録し,また,同年6月のU.S.Gavin Reportでは15位までいきました。サードアルバム「Summer Night」は2001年10月にリリースされましたが,ここではマイケル・ブレッカーがフィーチャーされました。2002年2月にはYellowdog Jazz Chartsの12位までいきました。
サラのトリオは1998年5月にピッツバーグで開かれたメロン・ジャズ・フェスで,ジョージ・コールマンの前座を務めました。その夏にはニューヨークで開催されてJVC ジャズ・フェスに出演もしました。1999年5月にはWomen In Jazz Festivalに出演しました。2000年6月にはFreihofer’s Jazz Festivalに出演し,7月にはIndy Jazz Festivalに出演し,さらにその後にカナダで開かれたDuMaurier Atlantic Jazz Festivalにもソロ・ピアニストとして出演しました。
シオンはイスラエル,ポルトガル,日本,そしてドイツなどのツアーを行いました。そして1996年にはスイスで開催されたジャズ・ワークショップで,モンティー・アレクサンダーと仕事をしました。

サラ・ジェーン・シオンは1990年にニュー・イングランド音楽学校を卒業し,1998年にはボストン・ジャズ協会賞を受賞しました。1991年には,Banff School For The Artに,スティーブ・コールマン,ルーファス・リード,ケビン・ユーバンクスらの<Tonight Show>オークストラのオールスターや,マービン・スミッティー・スミス,ケニー・ホイーラ,デイブ・ホランドらと共に参加する4人のピアニストの1人に選ばれました。


P.S. 『 Summer Night 』のエンジニアはピーター・カールで,『 Moon Song 』は昨年急死してしまったデビッド・ベイカーです。デビッド・ベイカーが寒冷系で,ピーター・カールが温暖系の録音です。エンジニアによってピアノの音色がかなり変わるんですね。デビッド・ベイカーは大好きなエンジニアですが,ここではピーター・カールの録音に惹かれます。

山中千尋 ニューヨーク・トリオ(?)。

2005年10月23日 16時39分37秒 | JAZZ
昨日は品川プリンスホテル,ステラホールでの山中千尋のコンサートに行ってきました。金曜日からの風邪で微熱があり,最悪のコンデションでの観演でした。会場に着くなり「本日出演予定でしたジェフ・ワッツは,都合により出演できなくなりました。」の張り紙。
「なんだと~。詐欺じゃ,詐欺。」と思わず声を荒げてしまいました。踏んだり蹴ったりの最悪のコンサートになってしまいました。千尋のMCで分かったのですが,ジェフ・ワッツの身内に不幸があったとの事。おそらく観客の1/3はジェフ・ワッツの火の出るよなドラミングを観たくで集まったんだぞ。そんな簡単に言われてもな~。

まあ,しゃあないので,あとはどんなドラマーを代わりに連れてきたのかに注目しようと期待していたら,ステージに現れたドラマーは知らない顔。「誰じゃ,こいつ。」と,がっかり。千尋の紹介ではダミオン・リードという奴らしい。知らんそんな奴。体調も悪かったのでちょっと怒りモードでした。11月にはVillage Vanguardでロバート・グラスパー・トリオで出演する予定だと言っていたので,もしやロバート・グラスパーのアルバムにも参加しているのかなと,帰宅早々CD棚を探してみたら,ちゃんとロバート・グラスパーのフレッシュ・サウンド・ニュー・タレント盤,ブルー・ノート盤で叩いてました。あまり印象に残らなかったので,忘れてました。ジェフ・ワッツと比べるのも可愛そうだが,やっぱり物足りない。手足の動きは超高速で上手いけど,平面的でうねりが感じられない。スネアでのアクセントの付け方などカッコイイと思う箇所もあるが,器は小さめで,小さくまとまっている印象です。『 Outside by the Swing 』の中の<All The Things You Are >は,アルバムではジェフ・ワッツのソロがフィーチャーされた曲でしたが,コンサートでもダミオン・リードのソロがフィーチャーされていて,否応なしに二人を比較してしまいますが,やっぱりジェフ・ワッツのソロの方が立体的で,まるで万華鏡を覗いているようなカラフルな太鼓さばき,大きなうねりが心地良く,その差は歴然です。途中で指を怪我して千尋にバンドエイドもらっているし。

ロバート・ハーストは流石に余裕で凄いソロを弾きまくり,NY1番の売れっ子ベーシストの貫禄を見せ付けていました。僕は持ってないので知りませんでしたが,ロバート・ハーストの最新盤『 Unrehurst 』にロバート・グラスパーもダミオン・リードも参加しているんですね。そのつながりでダミオン・リードに代役が回ってきたのでしょう。残念だったのは,PAの腕が悪いのか,ステラホールの音響に問題があるのか分かりませんが,ロバート・ハーストの音がこもって,音程が不明瞭になり,その上手さが伝わり難かったようです。

千尋のピアノはそれなりというか,期待以上のことはありませんでした。曲目は,『Outside by the Swing』 から<Outside by the Swing>,<I Will Wait>,<Teared Diary>,<Yagibushi>,,<Cleopatra’s Dream>,< All The Things You Are>,<Candy>,<Impulsive>などで,『When October Goes』 から<Ballad For Their Footsteps/Three Views of Secret>,<In A Mellow Tone>。『 Madrigal 』 から,<School days>,<Take Five>などを演奏してくれました。千尋いわく,「Cleopatra’s Dreamは好きじゃないのよね~。」。日本人にも売れるように無理やり演奏させられたのでしょう。意外におしゃべり好きで,仕草も可愛らしく,MCが上手でした。

コンサート終了後,サイン会があるというのでロビーで待っていたのですが,CD(しかも『Outside by the Swing』だけしか置いてない)を会場で購入した人だけという制限で,他の人はロビーから追い出されてしまいました。顔くらい見せてくれてもいいでしょうー,とぶつぶつ言いながらしかたなく会場を後にしました。完全に容姿も商品として考えているようで,写真撮影は演奏中はもちろん,ロビーでのサイン会でも一切禁止でした。このようなVerveの売り出し方に憤慨,傷心しながら,「もう千尋はお仕舞いにしよう。」と失恋親父は家路についたのでした。

Robert Glasper 『 Canvas 』2005 Blue Note 7243 4 77131 2 5
Robert Glasper (p)
Vicente Archer (b)
Damion Reid (ds)
ハンコック~マルグリュー・ミラーの流れを汲む新伝承系ピアニスト。ブラッド・メルドーの次はグラスパーだとか言われているが,どうなることか。

P.S. 先週木曜日にヒレ酒を飲みすぎて,二日酔いのまま金曜日出勤し,昼休みに昼寝したら風邪を引き,今だ体調がすぐれない。苦しい~。


ラーシュ・メラー 『 Kaleidoscope 』。

2005年10月19日 21時34分30秒 | JAZZ

  

前回,ヤコブ・クリストファーセンの『 Facing The Sun 』(STUNT)を紹介しましたが,僕はこの人を知らない人だと思ったのですが,ちょっと棚を探したら彼の参加しているアルバムが見つかりました。ラーシュ・メラー(Lars Moller)のNAXOS盤『 Kaleidoscope 』でクリストファーセンがピアノを弾いてたんですね。全然印象になかったので忘れてました。アルバム自体はなかなかの出来で,ラーシュ・メラーのヤン・ガルバレク似のクリアーな音質が爽快な北欧ジャズですが,クリストファーセンは影がやや薄い存在でした。ラーシュ・メラーはSTUNTにもカールセテン・ダールやトーマス・クラウセンらと数枚発表していますが,ヤコブ・クリストファーセンとの競演もあるとは思うのですが探せませんでした。

ところで,このNAXOSというレーベルは1枚1000円で廉価版を発売しているマイナー・レーベルなんですが,これがなかなか面白く,良い演奏が収められていて結構揃えてしまいました。何しろ1000円で,時にディスカウントしていると更に安く,中古なら500円ですから,とりあえず無名のアーティストを聴いてみようという時に良いです。もともとクラシックの廉価盤レーベルで80年代にスタートしたのですが,90年代後半にジャズ部門も立ち上げ,無名の新人だけでなく,クリス・ポッター,マイケル・ブレッカー,エリック・アレクサンダーなどの大物も吹き込んでいます。ジャズ・ファンにはサラ・ジェーン・シオン『 Summer Night 』で有名になったレーベルかもしれません。このNAXOSは,以前は1曲丸ごと無料試聴が出来て驚いていたのですが,6月に100%試聴が廃止になり,曲の25%試聴のみ無料となり,100%試聴は有料になってしまいました。非常に残念です。詳しくは日本語のホーム・ページをご覧になってください。このNAXOSという会社は,「ヨーロッパのJAZZレーベル」(杉田宏樹著)にはドイツのレーベルに分類されてますが,本社は香港にあるようです。もともとクラシックの愛好家である香港の実業家のクラウス・ハイマン氏が立ち上げた会社のようです。

僕はこのレーベルでデビッド・シルズ(David Sills)を好きになりました。アラン・ブロードベントと競演した『 Journey Together 』は絶対お薦めです。こんな良い演奏が1000円だなんて信じられません。録音も文句ないです。玉石混合の感は否めませんが,思わぬ掘り出し物もありますので,覗いてみてはいかがでしょうか。

P.S. 以前NOXASは上の写真のようなジャケットで統一してあったのですが,最近はアーティストの写真になったようです。サラ・ジェーン・シオンのジャケも1作目の絵画ジャケより,絶対2作目の顔写真の方は購買意欲が湧きます。


ヤコブ・クリストファーセン 『 Facing The Sun 』。

2005年10月19日 00時11分44秒 | JAZZ
先日,御茶ノ水のDUに行った際,店内でかかっていたのがこれ。とっても気持ちよい欧州ジャズだな~と思い,レジにディスプレイされてある本作のジャケを,会計の時ちらっと見て退散。後日,あらためて行った際購入してきました。なかなか店内でかかっているアルバムをその場で買うには勇気が要ります。

で,このヤコブ・クリストファーセン(Jacob Christoffersen)という人は,サイドメンとしての経歴は長いようですが,本作が初リーダー・アルバムらしいです。ベースのイエスバー・ボディルセン(Jesper Bodilsen)はステファノ・ボラーニと競演している上手い奴。結構好きです。レーベルはデンマークのSTUNTだったので大きくははずれないだろうと期待しての購入でした。

ちなみにSTUNTから作品を出してるジャズ・アーティストには,ラーシュ・ミラー,アレックス・リールなどがいますね。アレックス・リールの最近出した『 Celebration 』はケニー・ワーナー(p),イエスパー・ルンゴー(b)とのトリオで出来良かったし,数年前には,エド・シグペンがカールステン・ダールを向かえて作った『 It’s Entertainment 』やマッド・ビンディングがピエラヌンツィ,アレックス・リールと競演した『 The Kingdom 』など,STUNTには既に永久保存の名盤がたくさんあります。同じデンマークのSteepleChaseとは違って,かなりドメスティック・レーベルの色調が強い会社です。

まず,期待を膨らませて1曲目タイトル曲を聴くと,う~ん,名盤の予感。<レ,ラ,ミ~,レ,ラ,ミ~>の浮遊感のあるベース・リフに乗せて,まさに現代リリシズムの典型的ソロで始まります。いい感じで2曲目コール・ポーターの『 Everything I Love 』につなぎ,ここでも冴えわたるソロを聴かせてくれるクリストファーセン。ボディルセンのソロも披露。でもテーマの後のすぐベースソロのパターンは僕は嫌いです。そして,3曲目。ここに地雷です。ガク。キメの多いテーマで,ソロは低音域中心のモーダルでアウターなスケールを使用した緊張感を強いられる曲です。それまでの2曲の雰囲気をここで一揆に台無しにしてしまいました。結局3曲目,7曲目に変な曲を持ってきて,最後10曲目は変拍子の曲で終わるという,あまり良い構成とは言えない出来でした。でも4曲目の<Remembering>などは,すばらしい歌心を持った美メロ曲で,聴き惚れました。それだけに途中の変な曲には我慢が出来ません。早速,それらを除いたCD-Rを作って今,聴いています。お~。これなら聴きやすい。