雨の日にはJAZZを聴きながら

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Enrico Pieranunzi 『 Live In Paris 』

2005年12月11日 18時42分44秒 | JAZZ
今日は、午前中仕事をして、お昼にいつもの御茶ノ水のDUに寄って、新譜、旧譜を合わせて15枚ほど購入し帰ってきました。妻が風邪による高熱と腹痛があるため、実家の両親の家に帰っているので、午後は僕一人きりで部屋の掃除などをしながら、買ってきたばかりのCDを聴いています。

とはいっても、はじめにプレーヤーにセットしたエンリコ・ピエラヌンツィの新譜 『 Live In Paris 』(2005 Challenge 2枚組み)の出来が素晴らしく、何度も繰り返し聴いていて、他のCDはまだ未聴ですが。やはり、たまにピエラヌンツィを聴くと、圧倒的なテクニックや個性的な美旋律に驚きますね。現在の欧州ピアノ界は百花繚乱で、高水準のテクニシャンは当たり前で、その技術にそのつど驚いていたら、こちらの体が持たないほど、素晴らしいピアニストが量産されているのですが、その中にあって、ピエラヌンツィは頭ひとつ抜きん出た存在であると思います。

彼は、イタリアのエンツォ・ピエトロパオリ(b)、ファブリツィオ・スフェラ(ds)らと、86年に『 Space Jazz Trio Vol.1 』(yvp music)を発表したあたりから、欧州では注目されるようになり、日本では96年に日本初製作による 『 The Night Gone By 』(ALFA MUSIC)が発売になって、一躍注目されるようになったと記憶しています。この 『 The Night Gone By 』は、ずっと廃盤になっていましたが、最近VIDEOARTSのSarahから綺麗な女性のジャケットでリイシューされています(現在の僕のプロフィール写真がそれです)。僕がはじめてピエラヌンツィを意識したのは、おそらく『 The Night Gone By 』のすぐ後にstuntから発売されたマッズ・ヴィンディングのリーダー・アルバム『 The Kingdom 』だったと思います。この『 The Kingdom 』は素晴らしく、M-1のピエラヌンツィのオリジナル<Alba Prima>1曲で、ピエラヌンツィのファンになってしまうこと必至です。『 The Kingdom 』を契機に、ピエラヌンツィのアルバムを買い漁るようになったのですが、なにしろ多作な人で、しかも昔のアルバムはとっくに廃盤になっていて、なかなか手に入りません。まあ、気長に探していこうと思いますが。

今回の 『 Live In Paris 』は2枚組で全13曲、113分に及ぶ大作に仕上がっています。録音は2001年4月22~24日、パリの“Le Duc Des Lombards“という所でのライブです。8曲がスタンダードで5曲がオリジナルです。昔はほとんどオリジナルしか演奏しませんでしたから,かなり聴きやすくはなってます。メンバーは、ハイン・ファン・デ・ゲイン(b)、アンドレ・チェカレリ(ds)で、ハイン・ファン・デ・ゲインはプロデュースもしています。もともとハイン・ファン・デ・ゲインはこの<Challenge Records>の創立スタッフでもあったのですからね。このトリオは傑作『 Seaward 』(1996 Soul Note )と同メンバーですから,悪いはずもなく,息もぴったりで,特にピエラヌンツィの発信信号を瞬間的にキャッチし,反応信号を発するチェカレリは,まさにウマチェカです。この人こんなに上手かったっけ,と改めて感心しました。

Disc1とDisc2では,Disc1の方が面白かったですね。特に聴き所は,M-3<Body And Soul>~M-4<I Hear A Phapsody>~M-5<Footprints>が途切れなく演奏されるのですが,その中でのリズム,テンポを変化させ,アグレッシブに音のうねる塊と化して迫ってくる迫力には息を呑みます。今まではで『 Seaward 』,『 The Kingdom 』が愛聴盤でしたが、これからはこの 『 Live In Paris 』も愛聴盤に加わりそうな予感です。ホント素晴らしアルバムを手に入れてしまいました。
【愛聴度★★★★★】

Enrico Pieranunzi 『 Live In Paris 』2005 Challenge Records CHR70126
Enrico Pieranunzi (p)
Hein Van De Geyn (b)
Andre Ceccarelli (ds)