雨の日にはJAZZを聴きながら

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Walter Bishop Jr. / Speak Low HQ-CD仕様 ( 2 )

2008年12月02日 12時37分00秒 | JAZZ
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さて、今まで所有していたCDは1998年ころに発売された国内盤(現在廃盤)です。ジミー・ギャリソンのベースが全面にせり出し、ちょっと引いたところでピアノとドラムが鳴っているようなバランスです。とにかく、極太コリゴリベース音が耳につきます。3弦4弦の開放弦の音など地響きするほどの凄い箱鳴りがします。まあ、そこがいかにもジャズ臭くて心地よいのですが。まさにジャズ喫茶で映える音作りです。

では今回のHQCD盤はどうかというと、まず一聴して気づくのが各楽器のバランスの変化です。ベースが一歩引いた位置に定位し、さらにエッジの鋭く立ったすっきりした音色に衣替えしているのです。ビショップのピアノも輪郭がクリアになった印象を受けます。明らかに洗練された音として蘇っていますが、その代償としてジャズ特有の熱い空気感は損なわれたように感じられるのです。そして、音が変化したことは理解できるのですが、果して音質が向上しているのかどうかというと疑問です。単にマスタリングの違いを音質の違いと誤認している可能性もあるし。本当なら同じマスタリングを施された素材で比較検討しないとだめなのでしょうね。

というわけで、本盤一枚だけで判断するのは危険ですが、HQCD盤は音質が向上したか?という問いには、ちょっとビミョーとしか答えられません。 ただし、音の変化の傾向からすると、新しい録音作品をHQCD処理することはそれなりのメリットがあるのではないかと思います。今のところ、HQCD や SHMCD は旧作のリイシュー盤が殆どですが、これからは新録音もこれらの高音質CDでリリースしてもらえればありがたいですね。

12月24日には、ソニーから新たな高音質CD、Blu-Spec CD が発売されます。これは、Blu-ray で採用されているカッティング技術の導入と、Blu-ray 用に開発された高分子ポリカーボネートの使用を特徴としたディスクです。

上位規格のDVD audio や SACD、あるいは従来からあるXRCDなども巻き込み、ますます高音質CDの競争が激化しそうな気配です。はたしてCD売上向上の起爆剤となれるでしょうか。個人的には浅ましい音楽産業の罠にハマらないよう、しばらくは静観しようと思っていますが、それにしても消費者に散財させようとあの手この手で新規格を出してくるものですね。そのあたりの企業努力には素直に敬服いたします。

そんなCD販売合戦が熾烈化する一方で、すでにネットにおける24 bit / 96kHz のロスレス配信が現実化しています。近い将来、ごく当たり前にようにパッケージを介さない音楽視聴が可能となるでしょう。そんな中、ハイエンド・オーディオ・メーカーである Linn が昨年、Klimax DS というネットワーク対応DAC を発表しました。今月のジャズ批評 No.126 で後藤誠一氏もレポートされていましたね。値段が2,940,000円と、まだまだ一部の金持ちの愛玩具的製品ではありますが、いずれ低価格化が進めば、その時こそ世の中からCDが消え去る時なのではないでしょか。


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2 コメント

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Unknown (george)
2008-12-04 11:06:10
当方も、2回にわけて新素材CDと24 bit / 96kHz 配信のことを取り上げたのでTBさせていただこうと思ったのですが、失敗してしまいます。

http://jazzland.if.land.to/ja/2008/11/cd-pete-jolly.html
http://jazzland.if.land.to/ja/2008/11/joe-henderson-cd.html
Unknown (criss to george)
2008-12-05 09:56:50
georgeさん、こんにちは。

今回の記事を書くにあたてgeorgeさんの
記事も参考にさせてもらいました。
というか、georgeさんの記事を見て、
書く気になったくらいですから。
どうもありがとうございました。

将来、24bit / 96kHz でしかもオンデマンドで
いつでも、好きな楽曲が聴けるようになっちゃたら、おそらく、僕のジャズ熱はかなり冷めて
しまうんじゃないかと、心配してます。

ということで、こちらからもTBトライしてみますね。