学会や試験やらで20日も更新していませんでした。まだ全て片付いたわけではないのですが,今日は土曜日だし,少しぐらい休憩してもいいだろうと,キーボードを叩いています。
医療の世界も臨床だけやっているのなら楽しいんですけどね。やれ認定試験だ,やれ何とか学会で発表しろだとか,特にこの季節は多くて。早く大学辞めて開業でもしたいな~なんてつぶやいてみても,先立つ資金もなし。仕方なく煩い院長に媚売りながら病棟を駆けずり回る日々。
あ~あ,宝くじ当たらないかな~,手持ちの株が大化けしないかな~,なんて空しい幻想を描いて今日も一日があっという間に終わってしまいました。
そう,何だか,最近,鬱でね。試験近いし。
てなわけで,最近新譜を聴く暇がなくて….と言いたいところですが,実は,忙しいながらもちゃんと新譜は聴いております。書く暇はなくても聴く暇は意外にあるものです。Kasper Villaume(キャスパー・ヴィヨーム)の『 Footprints 』。よがったぁ~。M7《 Thema From MASH 》のヴィヨームのソロなんか国宝級ですよ。こいつは絶対,大物になりまっせ。それからMarco Tamburini(マルコ・タンブリーニ)の『 Frenico 』もなかなか面白かったですね。このところ車中でへびー・ろーてーしょん,です。
で,今日の一枚は,久々のThomas Fryland(トーマス・フライランド)の新作です。今まで,music mecca やmusic partner からリリースされていましたが,今回はstuntからのデビュー作になります。
彼のHPによると,本作が11枚目のリーダー作のようです。結構出していたのですね。1969年にドイツとの国境に近いデンマークの小さな町で生まれ,7歳からトランペットをはじめ,有名なハーグ王立音楽院で修練したそうです。彼の音に対して,
以前に拙ブログで既に書いていますので,そのままコピペしておきます。
《 ~世代的にはマルサリスと同世代なのでしょうけど,マルサリスが伝統の継承発展を命題にして今日のジャズを牽引しているのに対して,フライランドは伝統に敬意を示し,伝統を慈しみ,その中で自己表現をしていくタイプのようです。決してフレーズも取り上げる楽曲も新しくないのですが,一音一音を丁寧に歌い上げ,聴き手の心に溶けいる優しさがあります。高音ではブリリアントに,低音ではサブトーン豊かに朗々と歌い上げます。 》
よく,チェット・ベイカーに譬えられるようです。確かに似てます。チェットがもし,ドラッグに染まらなかったら,きっと,今頃はこんなジャズを奏でていたかもしれません。
僕にトーマス・フライランドを教えてくれたのは,今は無き吉祥寺の『 A&F 』でした。だいぶ前のことです。『 Playing In The Breeze 』が発売され間もない頃ですから,もう10年近く経ちます。今まで数多くのジャズ喫茶に行きましたが,あの『 A&F 』の狭くて暗い空間がたまらなく好きで,そんな《 My隠れ家 》で聴いたフライランドの優しいフリューゲルホーンが忘れられません。あ~,なんでなくなっちゃンだろう。寂しい。
Thomas Fryland 『 Another Song 』2006 Stunt STUNTCD06072
Thomas Fryland (tp)
Jim Mcneely (p)
Jesper Lundgaard (b)
Aage Tanggaard (ds)