雨の日にはJAZZを聴きながら

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Miles Davis 『 1958 Miles 』

2005年12月19日 20時56分14秒 | JAZZ
昨日,僕の書棚のジャズ本を恥ずかしながらお見せしましたが,実は意外にマイルスの本を僕は持っているんです。写真に写っていない後列にもマイルスの名のつく本が結構あります。僕はマイルスが大好きなんです。なんて,ちょっと恥ずかしいのであまり今まで書いてはいませんが,普段はよく聴いているんです。でもマイ・ブログのジャズ記事も150話を超えてきたのに,一度もマイルスの愛聴盤を紹介していないんですね。なかなかこういうジャズ・ジャイアントを紹介するのは勇気の入ることなのですが,今日は気楽な気持ちで1枚紹介してみようかと思います。

おそらく我が家でよく針が落とされるマイルスのレコードは,『 Four & More 』『Nefertiti 』『In A Silent Way 』『 On The Corner 』あたりだと思います。<おいおい,『 Kind Of Blue 』は聴かないのかい,おまえは。>という声が聞こえてきそうですが,もちろん『 Kind Of Blue 』は大好きです。もうこれは好きとか嫌いとかの判断を超越した, 20世紀のジャズと呼ばれる音楽が到達し得た芸術的最高地点の記録でありますから,僕が好きだなんて軽々しく言ってはいけない領域の音楽であります。まさにジャズの聖典であります。ですから聴くときには朝から<今日は『 Kind Of Blue 』を帰って聴くぞ~。>と気合をいれて仕事をして,帰宅したらCDは持っていてもちゃんとレコードを取り出し,よく埃をふき取り,針を静かに落とし,正座して聴かなければならないのです。そして頻繁に聴いていたら,『 Kind Of Blue 』のありがたみも薄れてしまいますから,聴くのは年に2~3回にしておかなければなりません。ということで,我が家ではめったに『 Kind Of Blue 』がかかりません。で,その代わりと言っちゃ申しわけないのですが,我が家では『1958 Miles 』がよくトレーに乗ります。ご存知のように本作は『 Kind Of Blue 』のちょうど1年前の1958年に,同メンバーで録音されたアルバムです。つまり,メンバーはマイルス,キャノンボール,コルトレーン,エバンス,チェンバース,そしてコブの6人で,この日が初顔合わせだったんですね。なんかお互い様子を伺いながらのリラックスした雰囲気でのレコーディングだったのでしょう。それぞれのソロはいずれも素晴らしいのですが,『 Kind Of Blue 』のような研ぎ澄まされたお互いの緊張関係は見えてきません。なんとなくアット・ホームな感じです。

そして,『 Kind Of Blue 』や『1958 Miles 』を高尚なポジションに高めている最大の理由は,やっぱりエバンスが加入していることなんだと,聴くたびに感心します。<Stella By Starlight>など,60年代にハンコックらとたびたび演奏していた曲ですが,本作での<Stella By Starlight>は,完全にエバンスが曲調をコントロールし,品格のある楽曲に昇華させています。短いコルトレーンのソロも吹き過ぎず,とっても上品です。

ということで,今日はトレーに『1958 Miles 』を乗せて聴きながら書いています。やっぱりマイルスはイイわ~。と酔いしれながら,そろそろ最後の<Fran-Dance, alternate take>なので,次は『 E.S.P. 』でも聴くとするべ。