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日本の眠れない夜

2016-06-19 | 国際

ブレグジット(EU離脱)問題で、残留派にIMFが援護射撃です。

英GDP5・6%押し下げも EU離脱なら IMF試算 産経

国際通貨基金(IMF)は17日、英国が欧州連合(EU)を離脱すると、2019年の実質国内総生産(GDP)が残留した場合より5・6%押し下げられるおそれがあるとの試算を発表した。

EU加盟国への輸出の落ち込みや、英国への投資の減少が見込まれるためで、「EU離脱の影響は厳しいものになる可能性がある」としている。

IMFは23日の国民投票で離脱が決まった場合、投資家などが英国経済の先行き不透明さを嫌うため、結果判明直後から市場に悪影響が出る可能性を指摘。

英国内で個人が借り入れを行う際の金利上昇や不動産価格の下落などが起こりえると分析した。

さらに世界中の金融市場に余波が及ぶリスクにも警鐘を鳴らしている。

2019年までにイギリスのGDPが、5.6%低下すると予測しています。

ブレグジット(EU離脱)となりますと関税も復活し、パスポートも失効しますので、ビザも取らなければ自由に大陸欧州を移動できません。

EU圏との貿易も縮小せざるを得ず、5億人市場との自由なアクセスを失います。

ジョー・コックス議員殺害後、初めての世論調査の結果は、残留派が離脱派を上回りました。

EU残留派がリード、下院議員殺害後の世論調査-英国民投票 ブルームバーグ

通信社プレス・アソシエーション(PA)によると、調査会社サーベーションが英紙メール・オン・サンデーの委託で17、18両日に実施した調査で、残留支持派が45%となった。

離脱は42%。

成人1001人を対象に実施された。

サーべーションの世論調査の結果は、同議員殺害直前の前回調査と結果が逆になった。

前回調査では離脱支持派が45%、残留が42%だった。

コックス議員の死によって残留派が巻き返しています。

残留派のキャメロン首相も必死です。

ブレグジットは、取り返しのつかない事態をもたらし、リセッションを引き起こす恐れがある、と言っています。

米金融大手シティ・グループもイギリスのEU残留が優勢と分析しています。

英EU残留派なお優勢、離脱支持の勢いも増す=シティ ロイター

米金融大手、シティグループ(C.N)は17日、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)派の勢いが増したものの、引き続き残留派が優勢という分析結果を公表した。

IMFはイギリスのGDPを「5.6%」押し下げると言っておりますが、英国のシンクタンク「オープン・ヨーロッパ」は、「離脱のネガティブインパクトは小さく、長い目で見ても英国GDPの下押し幅は、0.5〜1.5%にとどまる」と見ています。

経済協力開発機構(OECD)は、2030年までに「7.7%」低下すると見ています。

幅があります。

蓋を開けてみないと実際どうなるか分からないということでしょう。

アメリカの大手銀行で最も影響を受けるのはゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースと言われています。

英EU離脱、最も影響を受けるのはJPMとゴールドマンか-KBW ブルームバーグ

JPモルガンとゴールドマンは同業他社と比較しても英国からの利益が非常に大きいため、英EU離脱問題に伴う「悪影響を受ける可能性が最も高い」。

日本はEU離脱によってどのような影響を受けるのでしょう。

みずほ総合研究所が試算しています。

ソース

日本は1089社の企業がイギリスに展開しており、金融や自動車、あるいはIT企業等が、ロンドンをヨーロッパの統括拠点にしています。

ブレグジットでこれらの多くの企業が、拠点の見直し、あるいは撤退すると見られています。

日本は割と大きな影響を受けます。

みずほは、イギリスがEU離脱となれば、為替は2円~6円の円高、株価は1000円~3000円の株安になると試算しています。

1ドル98円~102円であり、株価は12000円台~14000円台です。

日本のGDPは、0.1%~0.8%下押し圧力がかかり、消費者物価も0.1%下落する。

ブレグジットでアベノミクスは壊滅ですから、日本は残留支持でしょう。

日本企業はイギリスを拠点にEU圏の5億人市場にアクセスして銭儲けをしていたわけであり、ここが離脱となりますと大きな打撃を受けます。

関税など負担増懸念=英EU離脱なら事業見直しも-日本企業 時事

英国の欧州連合(EU)残留か離脱かを問う国民投票をめぐり、同国に拠点や工場を置く日本企業の警戒感が強まっている。

離脱すれば関税など新たな負担が生じかねず、欧州での事業戦略の見直しを迫られる公算が大きいためだ。

やっぱりね。

こういった企業がみなダメージを受けるわけです。

日立製作所の東原敏昭社長も5月の会見で、「日立は英国がEUの一員であるという前提で英国に鉄道車両工場を建設した」と述べ、離脱については「絶対反対の立場だ」と強い口調で語った。

日立はここからEU圏に展開しようとしていたはずであり、ブレグジットとなればそれができなくなります。

特に致命的なのは自動車業界であり、ブレグジットとなれば、EU圏への輸出は輸入税10%がかかりますから、2、3年ですべて総撤退でしょう。

欧州とアメリカのTTIPや日本がすすめているTPPも頓挫するかもしれません。

もっともダメージが少ないのは金融界ではないか?

日本の財界も上記の記事にあるコメントを見れば明らかですが、概して残留支持でしょう。

日本企業は離脱で大打撃を受けてしまいます。

EU圏5億人市場を失いかねない事態です。

残留派も巻き返しているようですから、最後の最後まで分からないのでしょう。

 

 


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