帰宅時に通勤時間の電車に乗れると、少しだけテンションが上がる。
どのくらい上がるかと言えば、
女性か女装かという人に出会ったくらいだけれど、
解放の笑みを浮かべた通勤客に紛れこめた嬉しさを感じるのだ。
実にくだらない馬鹿げた嬉しさに過ぎない。
昭和の歌は
「馬鹿馬鹿しい人生より、
馬鹿馬鹿しいひとときがうれしい」
と慰める。
人生のパズルや人生の迷路にチャレンジし続ける馬鹿馬鹿しさ。
やり続けないと見えない世界もあると言うが、
それがチャレンジの代償として相応しいかは、わからない。
諦めるという知恵は、
どの種においても、
進化の過程で棄てられることはなかった。
諦めないという意地は、
人間以外の種において、
どの段階かはわからないが棄てられてしまった。
そもそもそんなものはなく、
突然変異的に芽生えたのかもしれないが。