残像モノクローム

遠い記憶の彼方にある故郷。
そして今、こころに渦巻く断片の想いを。
と、思い始めたのですが・・・。

10月の読書

2011年10月28日 12時43分43秒 | Weblog
●グッバイ艶  南川 泰三/著

奔放で危うい艶の性格に戸惑いながらも、寂しがりやな彼女に惹かれていく僕。
だが25年後、過去の秘密を記した日記を遺し、艶は逝った…。
酒で破滅に向かった亡き妻との愛憎を赤裸々に描く自伝的小説。
--------------------------------------------------------------------------

どろどろした男と女の物語・・・・と言う感じが
いつの間にか
屈折したというのか、一途な想いというのか
ちょうどいい言葉が見つからないのだけれど
「艶」という女性の圧倒的な心情がものすごい存在感をともなって
ものすごい情の女の生き様が迫ってきます。




●夏草のフーガ  ほしお さなえ/著

自分を中学1年生だと思い込む祖母。父と別居中の母。入学早々失敗した私。
3人の人生のつまずきに、祖母のある言葉が絡み合い、切なく悲しい過去がよみがえる…。
--------------------------------------------------------------------------

祖母、母。
共に中学1年の時期にそれぞれの転機があり、それぞれの心の傷となっていた。
自分も中学1年の今、心の傷となる転機がやってきた。
そして、祖母に異変が起こる。
その異変を解明するために、祖母の心の中の時間をさかのぼる。

内容はいいと思うのですが、
自分の好みではなかったかなぁ。
優しい気持ちになりたいと思う方にはオススメかも。




●パパは今日、運動会 山本 幸久/著

青空の下、カキツバタ文具の社内運動会が開かれた。
ごますり男も泣き虫も不倫男も、みんないつもとちょっと違う。
いや、ちょっとどころか…。
いろんな笑いが詰まった会社小説。
--------------------------------------------------------------------------
日常のサイクルの中で動く中にも
ちょっとした何かが起こっていた・・・
そんな中に心の中であったかいものやざわめきを
ぽわ~んと、書き綴ったエッセーみたいなお話し。

残念ながら、半分ほど読んだところで飽きちゃって
早期返却となりました。



●劫尽童女 恩田 陸/著

この世のものならぬ真実。我々の持ち得ぬ叡知。…この少女は人間なのか?
--------------------------------------------------------------------------

恩田 陸さんの本、好きなんですが
いまいち物足りなかったです。

でもストーリー展開は早くて、ありゃもう読んじゃった!みたいな。
(突っ込みどころも結構ありそう)





●仏果を得ず 三浦 しをん/著

“好き”が過ぎるとバカになる。でも、そんなバカならなってみたい。
文楽に賭ける若手大夫の熱い青春の物語。
健は大夫の人間国宝・銀大夫を師匠にもつ。
ある日師匠から、技芸員から「変わり者」と噂される三味線、兎一郎と組むように言われる。
不安と戸惑いを覚えながら稽古に臨むが、案の定、兎一郎は全く違う演目をひき始める……。
--------------------------------------------------------------------------
「仏果」とは、仏教用語で、修業を積むことによって得られる悟りのこと。

今月はこいつは面白い!っていうのに巡り会っていなかったのですが
これはさすが三浦しおん! おもしろい!!

文楽なんてまったく興味なかったけれど
見てみたくなりました!

ぜひ読んでみて下さい!!