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月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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カノープス・32

2017-09-21 04:16:55 | 詩集・瑠璃の籠

自分が小さいのがいやだと言って
何もしようとしない男が
すべてを駄目にする
女も男のようなものだ
汚いことばかりして
すべてを奪おうとするからだ

何もしていない馬鹿が
自分をいいことにしようとすれば
すべてをさかさまにしなければならない
愛でひとのためにすることなど
みんな馬鹿なことにしなければならない
何もない馬鹿は
奪わなければ何もないからだ
それを正当化しようとすれば
愛を馬鹿にするしかない

そして究極は
愛で人類を創造した
神の心さえ否定してしまうのだ

世界中の美を見渡しながら
こんなことをした神は馬鹿なのだと
馬鹿は言っているのだ
そしてあらゆるものを馬鹿にして
世界をどんどん破滅の方に傾けていく

いやなことばかりする馬鹿は
こうして人類にうとまれていく
愛を食い尽くしていく
そして神の忍耐の限界を破る
いかにかわいい子とは言え
許せないことをしたらおしまいなのだ

そこまで神を愚弄するなら
神の世界から出て行けと言われる
神の創ったものは食うなと言われる

愛を馬鹿にするなら
愛のないところにいけ
そこで勝手にやればよい

好きなようにせよ

人間はとうとう
神の堪忍袋の緒が切れる
その音を聞いたのだ




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ショルト・13

2017-09-20 04:16:17 | 詩集・瑠璃の籠

ろくでもない嘘を守るために
黄金の鎧を着こむのか
張りぼてだとすでにばれている
黄金の鎧を

聖者のほほえみを
正確にコピーした仮面と
絶世の美女の伝説をまねた
苦悩の化粧で
恐ろしく滑稽な天使を作るのか

遠い昔
田舎の小さな店で
ネズミのように
ほんの小さな林檎を万引きした
愚かな自分を塗りつぶすために

神の文を折って作られた
白い鹿を殺し
全世界を救う
神話の中の聖者だというセリフさえ吐いた
その嘘がいっぺんにひっくり返り
蛙のように短い足が
もう見えているというのに

まだしらを切るか




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テグミン・4

2017-09-19 04:16:28 | 詩集・瑠璃の籠

砂を洗うように
人類を洗わねばならない
金色の運命を流し込み
長い年月の迷いを
洗い落さねばならない

逃げてきた者は
運命に溶けていくだろう
苦い思いを知らなければ
自分の核のありかもわからないからだ
核のありかを知らなければ
自分はないに等しい

愛を愚弄し
否定し
肉のように簡単に食えるものにしたかった
苦いことなど何も味わわず
永遠に自分のことを
みなにやってもらおうとした
臭いものは誰かに食わせればいい

何もわからない
何も知らないままでいれば
永遠にいやなことなどせずにすむ
馬鹿になっていれば
いやなことばかりしていてもいいのだ

だれにも自分に逆らえないほど
痛いものになればいい

そうやって
知らなければいけないことから逃げてきたものは
黄金の運命の中で選別される
溶けていったものは
二度と帰って来れない
闇のたまった樽の中に落とされる

恥知らずな夢は
そこでかなえるがいいと言われ
会いたくもないと言われ
すべての友人に去られるだろう




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ミンタカ・8

2017-09-18 04:41:24 | 詩集・瑠璃の籠

偉くならなくともよい
あなた自身でありなさい

布を織ることしかできないのなら
励んでそれをやりなさい
人と比べて自分を馬鹿にしてはならない
今の自分にできることを
宝と思い
日々それに励みなさい

自分というものが
大きく高くなっていくには
それはたくさんの時間が必要なのだ
焦ってはなりません
一足飛びによいものになろうとして
馬鹿なことをしてはなりません

二度とない時を
美しい正直な自分で埋めていくのです
時には飽きが来るほど
単調な日々にもなるだろうが
倦んではなりません

励ましあい助け合い
美しいことばをかけあって
愛を育てていきましょう
神のまことの愛のこもった
この世界を見て感じたことを
素直な自分の心で表現しなさい
幸せが満ちてくるでしょう

偉くなることよりも
正直な自分で働くことのほうが
ずっと人間は幸せなのです




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ショルト・12

2017-09-17 04:15:10 | 詩集・瑠璃の籠

袋小路の袋小路に行き詰まり
四面どころではない
十八面に楚歌があふれる時は
自分を投げろ

自分の命を守る
全ての選択を捨て
丸ごとの自分を
神の中に投げるのだ

そうすれば活路が開ける
伸び上がっていける
空があることに気付ける

おまえがどこにも行けないのは
自分が一番大事だと
思っているからだ
それを捨てろ

自分よりも大切なものがある
それを見るのだ
そしてその何かのために
自分を投げるのだ

そのために
自分が壊れてもよい
すべてが無駄になってもよい
ただひとつ
まことのおのれがあればよい

それができれば
おまえはすべてをやれる男になれる
何万年と重ねてきた
罪の山も物の数ではない

死なない馬鹿は豚だ
なにもなりはしない
本当の馬鹿になって死ね




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ゾスマ・44

2017-09-16 04:16:05 | 詩集・瑠璃の籠

永遠に
自分だけを偉いものにするために
おまえは神を
下僕にしようとしているのだ

永遠に
おれのために働け
おれのためにすべてをやれ
おれだけを愛し
おれだけを助けろ

針のようにとがった目をして
おまえはそう言って
すべてを支配しようとしているのだ
未だに
蛙のようにはいつくばることしか
できない馬鹿が

泥の中に潜んで
天使のように美しい美女を引きずり込み
みんなで食える肉にしようとした
それが月のように高いところにいる
それを絶対に認めたくなかった

おれがすべてのものより偉いものでなければ
いやなのだ
あの美しいものが食えない
全部おれのものにできない

邪悪に落ちたものを
わたしは切る
裁くのは神だ
二度と這い上がれまい

奈落の底を切る奈落の闇に落ち
永遠の後悔の泥を食いながら
もだえ苦しむがよい




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トゥレイス・6

2017-09-15 04:17:20 | 詩集・瑠璃の籠

薔薇のように美しくなりたくて
薔薇の花びらを盗んで
いくつも いくつも
自分に飾って
薔薇のように美しくなりました

でも
本当の自分に生えていない花びらは
すぐに枯れてしまうから
毎日のように
盗んで来なければならない

そんな悪いことばかりしているうちに
どんどん自分は悪い子になっていく
たくさんの薔薇を
苦しめてしまうから

そんな日々を
何万年と迷って
とことん苦しんだら
もう永遠に
美しくならなくていいと
思うのです

そんなものにならなくていい
なりたくはない
わたしは
小さなひなぎきょうよりも
小さくてみっともない
どこにでもある花になって
みんなを美しくしていこう

迷いの日々に出会った
いくつもの悲しみを
小さな珠玉にして
みんなに分けていこう

永遠に
永遠に
そうしていこう

美しくなんかならなくていい




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ミンタカ・7

2017-09-14 04:15:30 | 詩集・瑠璃の籠

ああ
どんなに愛しても
愛しても
神の愛に報いることはできない

愛のために
やればやるほど
やればやるほど
神はもっといいことをしてくださる

風も水も光も土も
全部編んでくださる
苦い魚も甘い草も
全部下さる
いやなことが時々起こるのも
美しい教えなのだ

見ていてくださる
どこにいても
忘れないでいてくださる
悲しくて悲しくて
どうにもならない寂しさにいる時
すぐそばに神がいる

いやなことなどない
すべては愛ばかりなのだ
時に暗い夜が来るのは
おまえが
もう一つ上の空を見なければならないからだ

愛の幸せに
心が届くまで
おまえは伸びていかねばならない
そのために
神は何でもしてやる

ああ
神の愛の庭にいれば
永遠に
神と一緒にいることができる
愛しても愛しても足りない
神と
永遠に一緒にいることができる




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ショルト・11

2017-09-13 04:16:10 | 詩集・瑠璃の籠

なにもせず
動物的な経験記憶に支配され
浅い知性のままに
エゴを実行する自分を
とめられないものは
地獄に落とす

そこであらゆる苦難を味わい
あがき 苦しみ
人の苦しみがわかるようになるまで
猛然と働くがよい

人間的情を感じる暇もなく
ばねが上がるように
自分より美しいものが憎いと思う者は
未だに自分ができていないのだ
それはあまりにも小さい
寒い存在だ
それゆえに奈落に落とす

責め苦を味わい
いろいろな経験を踏み
あらゆる苦しみをかみしめ
何百度と泣くがよい
自分がつらい思いをするのはいやだと
人に全部押し付けてきたものは
一度奈落に落ちたほうが良い

すべては神の愛だと
わかるようになれば
地獄が遠のいていくだろう




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ミンタカ・6

2017-09-12 04:16:38 | 詩集・瑠璃の籠

馬鹿なことをしすぎれば
神にも愛想をつかされる
そういうことを
覚えておきなさい

海の水は無尽蔵に見えて
無尽蔵ではないのです
大地は限りなく広く見えて
無限ではないのです

何億年と耐えてくださった
神の愛がからからになるほど
あなたはやりすぎたのだ

春の桜も青くなるほど

世界という
一枚の花びらを
すっかりひっくり返してしまうほど
あなたは愛を
むさぼりすぎたのだ

草原に緑があるという
当たり前の世界を離れ
あなたは一枚の草原を
自分で作らなければならない

春がくれば
自分の髪に飾っていた花を
自分で作らねばならない

あでやかな花びらをつくるための
不可思議な遺伝子の
貴い物語を
自分で書かねばならない

すべてを
はじまりから
やらねばならない

本当のことを
自分のわがままで食い尽くすために
神を馬鹿にし尽くしたからです




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