月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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ミネラウヴァ・22

2018-06-20 04:14:46 | 詩集・瑠璃の籠

鋼鉄の鎧をまとい
銀の花飾りをつけ
天使は空からやってくる

栗色の髪を風に広げ
凍った星のようなしじまを吐き
すべてをただしにやってくる

さかさまに立った世界樹の幹をつかみ
すべてが枯れ果ててしまう前に
星光のさす栄光の大地にさしつらぬく

根を葉といい
葉を根と言ったものは
しなえていくだろう
何もしてこなかった
誰も愛さなかった
暗いエゴのすみかに
鼠のような魂を隠し
大空に幻視した神の張りぼてをまとい
永遠に世界を支配しようとした
馬鹿どもは滅びていくだろう

月の光を秘めた
銀の花にかすかにやどる涙を
わたしは拭き浄め
すべてを忘れさせる

馬鹿どもの永遠支配は幻だった
すべては終わった
そしてすべてが始まる

よみがえった世界樹から生まれる
新たな永遠の胎児を
みなのもの
見るがよい




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