月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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アルデバラン・4

2013-12-04 05:44:47 | 詩集・瑠璃の籠

おのれというものは
おまえの家のようなものだ

そこには真実の実在の
光が住んでいる

だがおまえは
遠い昔に
その本当の故郷の家を捨てた

荒れ野に虹の街をつくり
そこに宮殿を建てて住んだ

黒い太陽が照る虹の街に
お前は狂ったネズミと一緒に
今も住んでいる

たからかに
己をたたえる歌を歌い
全てに賞賛され
認められる夢を見た

なぜなら
すべては 嘘だからだ
ゆえにおまえは
名誉をむさぼる
自分こそが真実だと認めよと
あらゆるものに強いる

あわれなものだ

大臣のスーツを着て
博士の眼鏡をつけ
聖者の微笑みをまね
映画女優の化粧をし
最強の力士の優勝杯をかつぐ
馬鹿者め

派手にやりおって
後が恥ずかしうてならぬぞ

いらぬものを
すぐに脱いで来い

てっぺんから真っ逆さまに落ちる
その高さがまだましなうちに
さっさと戻って来い



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1 コメント

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絵の解説 (てんこ)
2013-12-04 05:47:21
ガエタノ・ガンドルフィ、「ヨセフの夢」部分、18世紀イタリア、新古典主義。
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