さて、続きです。
④林家正楽 紙切り
仲入り後、紙切りの林家正楽師匠が登場。
もう、お客さんの中には「小三治師匠はまだか」的な念を送っている方もいて、やりづらい雰囲気もあるのでしょうが、飄々とした様子で紙を切ります。
で、ご存知の方は想像できるでしょうけれど、あの独特の揺れ方。
これも芸の力ですね。小三治師匠を早く見たい、という気持ちももちろんありますが、正楽師匠の紙切りに、しばし見入ってしまいます。
まずはご挨拶がわりに「馬に乗った侍(かな?馬上に刀を抜き払った人の姿が見えました)」
「相合傘」
ここからは、お客様のリクエストで切ることに。
「お宮参り」
「お葬式」
お葬式は初めてのようで、
「『お葬式』は初めて切ります。ほんとに初めてで・・・ぐふっ・・・(笑)」
言いながら笑っているのを見て、こちらも笑ってしまいます。
(お囃子さんが「蛍の光」を弾いています)
「いろいろなお客様がいて、『リクエストにおこたえしてお切りします』と言ったら、
『とりあえず、ビール!』
という方がいまして(笑)」
で、最後に「ねずみ2匹と米俵」というリクエストに応えて高座をおります。
さて、次はお目当て。
⑥柳家小三治
出囃子から「待ってました!」の声が飛びます。さすがの人気ですね。
「前進座劇場、というと、いつも12月にあったのですが、今年は少し早いですね。
いつもは前進座というと、『(今年も)もう終わりだな』という感じがしましたが(笑)、まだあるということで・・・(笑)。
あたしは知らなかったんですけど、この前進座に来年も出ることになっているそうで・・・(笑いと拍手)。
本人が知らないのに、そういうことになっている(笑)・・・。
今日は東京に『木枯らし一番』が吹いたということで・・・、先ほど吉祥寺の駅まで歩いてみましたが、さほど寒くはない、なんか生あったかいんで、これが木枯らしかな?と・・・、
まあ、それでも駅まで歩くと風に体温を奪われて、体が冷えますので、これが木枯らしかな、という感じはいたしましたよ」
(「ひょっとして今日は『二番煎じ』かな?と、ワタクシ、勝手に思ってしまいました)
で、木枯らしにちなんだ句を詠んだことがある、という話に・・・。
「29の頃から入船亭扇橋を宗匠にして、小沢昭一とか、永六輔とか、加藤武とかがいる句会に入りまして、かれこれ40年ですよ。
俳句というのは、努力すればものになるかと思っていましたが、ならない(笑)、
昔、『にこごり』というお題が出て、小沢昭一がなるほどなあ、という句を詠みました。
にこごりを 出すスナックの ママの顔
それに対してあたしは
にこごりの 身だけよけてる アメリカ人(笑)
で、木枯らしですが、こういう句を詠みました
木枯らしに 交番の自転車 倒れけり
大していい句ではないとお思いかもしれませんが、こうして今でも覚えているということは、まわりが「いい」とか言うのとは関係なく、自分でこれはいい、と思っているからなんでしょうなあ・・・。
で、噺は「青菜」でした(微笑)。
およそ季節はずれの噺です。
小三治師匠にかかると、「青菜」も味わいのあるいい噺ですね。
「鞍馬山から牛若丸が出てきて、その名(菜)を九郎(食ろう)判官・・・」
そのやり取りに感心した植木屋が、何度も何度もその言葉を反芻することで、家へ戻ってからのやり取りが生きてきます。
ぜひ同じことを家でやってみたい、ふだん「いわしが冷めちゃう」しか言わねえ嬶と、そういうやり取りがしてみたい・・・、
植木屋の欲求が増してくるのが自然に感じられて、説得力のある青菜でした。
個人的には「二番煎じ」が聴きたかったけれど、以前に演じていたのでしょうかね。
とはいえ、久々に小三治師匠にお会いして、満足の落語会でした。
④林家正楽 紙切り
仲入り後、紙切りの林家正楽師匠が登場。
もう、お客さんの中には「小三治師匠はまだか」的な念を送っている方もいて、やりづらい雰囲気もあるのでしょうが、飄々とした様子で紙を切ります。
で、ご存知の方は想像できるでしょうけれど、あの独特の揺れ方。
これも芸の力ですね。小三治師匠を早く見たい、という気持ちももちろんありますが、正楽師匠の紙切りに、しばし見入ってしまいます。
まずはご挨拶がわりに「馬に乗った侍(かな?馬上に刀を抜き払った人の姿が見えました)」
「相合傘」
ここからは、お客様のリクエストで切ることに。
「お宮参り」
「お葬式」
お葬式は初めてのようで、
「『お葬式』は初めて切ります。ほんとに初めてで・・・ぐふっ・・・(笑)」
言いながら笑っているのを見て、こちらも笑ってしまいます。
(お囃子さんが「蛍の光」を弾いています)
「いろいろなお客様がいて、『リクエストにおこたえしてお切りします』と言ったら、
『とりあえず、ビール!』
という方がいまして(笑)」
で、最後に「ねずみ2匹と米俵」というリクエストに応えて高座をおります。
さて、次はお目当て。
⑥柳家小三治
出囃子から「待ってました!」の声が飛びます。さすがの人気ですね。
「前進座劇場、というと、いつも12月にあったのですが、今年は少し早いですね。
いつもは前進座というと、『(今年も)もう終わりだな』という感じがしましたが(笑)、まだあるということで・・・(笑)。
あたしは知らなかったんですけど、この前進座に来年も出ることになっているそうで・・・(笑いと拍手)。
本人が知らないのに、そういうことになっている(笑)・・・。
今日は東京に『木枯らし一番』が吹いたということで・・・、先ほど吉祥寺の駅まで歩いてみましたが、さほど寒くはない、なんか生あったかいんで、これが木枯らしかな?と・・・、
まあ、それでも駅まで歩くと風に体温を奪われて、体が冷えますので、これが木枯らしかな、という感じはいたしましたよ」
(「ひょっとして今日は『二番煎じ』かな?と、ワタクシ、勝手に思ってしまいました)
で、木枯らしにちなんだ句を詠んだことがある、という話に・・・。
「29の頃から入船亭扇橋を宗匠にして、小沢昭一とか、永六輔とか、加藤武とかがいる句会に入りまして、かれこれ40年ですよ。
俳句というのは、努力すればものになるかと思っていましたが、ならない(笑)、
昔、『にこごり』というお題が出て、小沢昭一がなるほどなあ、という句を詠みました。
にこごりを 出すスナックの ママの顔
それに対してあたしは
にこごりの 身だけよけてる アメリカ人(笑)
で、木枯らしですが、こういう句を詠みました
木枯らしに 交番の自転車 倒れけり
大していい句ではないとお思いかもしれませんが、こうして今でも覚えているということは、まわりが「いい」とか言うのとは関係なく、自分でこれはいい、と思っているからなんでしょうなあ・・・。
で、噺は「青菜」でした(微笑)。
およそ季節はずれの噺です。
小三治師匠にかかると、「青菜」も味わいのあるいい噺ですね。
「鞍馬山から牛若丸が出てきて、その名(菜)を九郎(食ろう)判官・・・」
そのやり取りに感心した植木屋が、何度も何度もその言葉を反芻することで、家へ戻ってからのやり取りが生きてきます。
ぜひ同じことを家でやってみたい、ふだん「いわしが冷めちゃう」しか言わねえ嬶と、そういうやり取りがしてみたい・・・、
植木屋の欲求が増してくるのが自然に感じられて、説得力のある青菜でした。
個人的には「二番煎じ」が聴きたかったけれど、以前に演じていたのでしょうかね。
とはいえ、久々に小三治師匠にお会いして、満足の落語会でした。