なんとなくはじめました(つれづれなるままに)

日々のよしなしごとをそこはかとなく書きつくります。

11・1柳家小三治@前進座劇場・夜席 2008.11.1 その2

2010年08月07日 10時47分01秒 | なんとなくの落語
さて、続きです。



④林家正楽 紙切り


仲入り後、紙切りの林家正楽師匠が登場。

もう、お客さんの中には「小三治師匠はまだか」的な念を送っている方もいて、やりづらい雰囲気もあるのでしょうが、飄々とした様子で紙を切ります。

で、ご存知の方は想像できるでしょうけれど、あの独特の揺れ方。

これも芸の力ですね。小三治師匠を早く見たい、という気持ちももちろんありますが、正楽師匠の紙切りに、しばし見入ってしまいます。

まずはご挨拶がわりに「馬に乗った侍(かな?馬上に刀を抜き払った人の姿が見えました)」

「相合傘」

ここからは、お客様のリクエストで切ることに。

「お宮参り」

「お葬式」

お葬式は初めてのようで、

「『お葬式』は初めて切ります。ほんとに初めてで・・・ぐふっ・・・(笑)」

言いながら笑っているのを見て、こちらも笑ってしまいます。

(お囃子さんが「蛍の光」を弾いています)

「いろいろなお客様がいて、『リクエストにおこたえしてお切りします』と言ったら、

『とりあえず、ビール!』

という方がいまして(笑)」

で、最後に「ねずみ2匹と米俵」というリクエストに応えて高座をおります。

さて、次はお目当て。


⑥柳家小三治 



出囃子から「待ってました!」の声が飛びます。さすがの人気ですね。

「前進座劇場、というと、いつも12月にあったのですが、今年は少し早いですね。

いつもは前進座というと、『(今年も)もう終わりだな』という感じがしましたが(笑)、まだあるということで・・・(笑)。

あたしは知らなかったんですけど、この前進座に来年も出ることになっているそうで・・・(笑いと拍手)。

本人が知らないのに、そういうことになっている(笑)・・・。


今日は東京に『木枯らし一番』が吹いたということで・・・、先ほど吉祥寺の駅まで歩いてみましたが、さほど寒くはない、なんか生あったかいんで、これが木枯らしかな?と・・・、

まあ、それでも駅まで歩くと風に体温を奪われて、体が冷えますので、これが木枯らしかな、という感じはいたしましたよ」

(「ひょっとして今日は『二番煎じ』かな?と、ワタクシ、勝手に思ってしまいました)


で、木枯らしにちなんだ句を詠んだことがある、という話に・・・。


「29の頃から入船亭扇橋を宗匠にして、小沢昭一とか、永六輔とか、加藤武とかがいる句会に入りまして、かれこれ40年ですよ。

俳句というのは、努力すればものになるかと思っていましたが、ならない(笑)、

昔、『にこごり』というお題が出て、小沢昭一がなるほどなあ、という句を詠みました。

にこごりを 出すスナックの ママの顔

それに対してあたしは

にこごりの 身だけよけてる アメリカ人(笑)


で、木枯らしですが、こういう句を詠みました

木枯らしに 交番の自転車 倒れけり

大していい句ではないとお思いかもしれませんが、こうして今でも覚えているということは、まわりが「いい」とか言うのとは関係なく、自分でこれはいい、と思っているからなんでしょうなあ・・・。


で、噺は「青菜」でした(微笑)。

およそ季節はずれの噺です。


小三治師匠にかかると、「青菜」も味わいのあるいい噺ですね。

「鞍馬山から牛若丸が出てきて、その名(菜)を九郎(食ろう)判官・・・」

そのやり取りに感心した植木屋が、何度も何度もその言葉を反芻することで、家へ戻ってからのやり取りが生きてきます。

ぜひ同じことを家でやってみたい、ふだん「いわしが冷めちゃう」しか言わねえ嬶と、そういうやり取りがしてみたい・・・、

植木屋の欲求が増してくるのが自然に感じられて、説得力のある青菜でした。


個人的には「二番煎じ」が聴きたかったけれど、以前に演じていたのでしょうかね。

とはいえ、久々に小三治師匠にお会いして、満足の落語会でした。
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