よったろーのせーさく日記3

よったろーのせーさく日記からの引き継ぎです。
ちょちょいのよったろーと申します。
改めましてよろしくお願いします。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編3話21

2016-05-06 16:44:49 | 日記
 神と悪魔の軍勢は新しく出来た聖魔地帯をファーブラ・フィクタ星系から引き離す事にした。
 聖魔地帯毎、キャリア達を惑星ファーブラ・フィクタから放す事によって、影響を少しでも減らそうとしたのだ。
 カヂとの決着がつかない事にしびれを切らしたのか、同じヂグウ族の学者リグが戦いを仕掛けてきた。
 それにはキャトラがあたった。
 それに触発されたのかヂグウ族の巫女ミヴがマドゥワスに、族長のラゾがジャンルに飛びかかる。
 ヂグウ族は4名しかいないので、全員が向かってきた事になる。
 聖魔地帯での戦闘が激化する。
 空いていたキャリアには別の進化石の種族の一つ、ツェヴァ身族(ツェヴァしんぞく)達が襲いかかる。
 クアンスティータの本体の色のイメージにもなった種族でラヴァン(白)、シャホール(黒)、アドム(赤)、カホール(青)、サゴール(紫)、ヤロック(緑)、ツァホーヴ(黄色)、フム(茶色)、アフォール(灰色)、シャニ(緋色)の10名が一斉に彼女に向かってきた。
 ツェヴァ身族は勘が優れた一族でもある。
 覚醒したキャリアを危険と判断したのか、一族全員で彼女を始末しに動く。
 ツェヴァ身族は全員男だ。
 身体的特徴としては顎の部分に二つの突起物がある。
 また、二の腕の付け根と膝の部分にも突起物がある。
 また、瞳の内側に膜があり目の印象も通常の者とは異なる。
 ヂグウ族ほどではないが、この一族も強靱過ぎる身体を持っている。
 強敵と呼ぶにふさわしい実力を備えている。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編3話20

2016-05-06 16:42:44 | 日記
 下々の存在に関わってしまった。
 それだけ、この戦闘によるパワーがでかかった。
 神や悪魔達も黙って見ている訳にはいかない事態へとなりつつあった。
 フォールとカヂの戦闘は二週間にも及んだ。
 決着がつかず、戦闘がいつまでも続いたのだ。
 その間にも怪物ファーブラ・フィクタ達の方の物語も進んでいく。
 向こうでは着実に、クアースリータ誕生のカウントダウンが始まろうとしていた。
 クアースリータが誕生してしまえば、その双子の妹であり、弟でもあるクアンスティータはすぐに誕生してしまうという事になる。
 最超脅威が二度にわたって起きるのだ。
 キャリアもただ、黙って見ていた訳ではない。
 身体の内部ではめまぐるしい変化が起きていて、第二期偽クアンスティータを産み出す存在として、着実に変化していった。
 神や悪魔の軍勢は如真や化深を送り込むタイミングを失っていた。
 フォール対カヂの戦闘に如深や化深を送り込んでしまえば、ルーメンやテネブライは破壊される。
 そうなれば、惑星ファーブラ・フィクタを監視していた二つの星の役目を果たせなくなる。
 野ざらしになった惑星ファーブラ・フィクタにより、本物のクアンスティータが誕生してしまうかもしれないと恐れたのだ。
 そのため、惑星ルーメンと惑星テネブライの維持を優先させた。
 カヂとフォールの戦いが始まって二日後には如真や化深の準備は整っていたが、緊急ストップをかけて出動を取りやめたのだ。
 警戒レベルはマックスを飛び越えていた。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編3話19

2016-05-06 16:42:19 | 日記
 次の瞬間、また、動く。
 フォールの土刀とカヂの拳による応酬が続く。
 様子を見にやってきた使愚魔達が消し飛ぶくらいの戦いが続く。
 その様子をキャリア達は黙ってみている。
 その場に居られるという事からもフォール以外の者も格段にスケールアップしているというのが解る。
 惑星テネブライが震える。
 このテネブライとルーメンは他の惑星よりも遙かに強固に出来ている。
 にも関わらず、大地震を思わせる振動が星を揺り動かしていた。
 惑星規模の戦闘を超え始めている。
 神と悪魔の両方の強固な加護があるにもかかわらず、星が維持出来なくなり始めていた。
 それはルーメンのセントラルハイタワー、テネブライの超魔殿にまで振動が伝わる。
 円卓会議中の神々や悪魔達も動揺する。
 その戦闘は舞台がルーメンとテネブライを行き来するという無限ループ自体を破壊した。
 惑星が光のルーメンと闇のテネブライに完全に分離されてしまった。
 もはや、キャリアを無限ループに閉じこめておけなくなってしまった。
 彼女が逃げようと思ったら、逃げ出せてしまう。
 現在彼女が居る闇の惑星テネブライだけでは、彼女達を止められない。
 最真達と極超魔達が共同で力を使う。
 強制的に、聖魔地帯を作り出した。
 ルーメンとテネブライの惑星間には聖魔地帯とされる第三の土地が出現した。
 強制的にキャリア達を聖魔地帯へと送る極超魔達。
 思わず手を出してしまった。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編3話18

2016-05-06 16:40:22 | 日記
 辺りに緊張が走る。
 ジリジリと間合いを詰めていくカヂ。
 フォールはその間合いを詰められた分、引いていた。
 まだ、自分の間合いではカヂにやられると思っているのだ。
 それでもカヂは間合いを詰めてくる。
 フォールが瞬きをした瞬間、動く。
 カヂによる猛攻が始まる。
 カヂの攻撃の影響で、空間が歪む。
 カヂに空間を歪める能力はない。
 カヂのパワーに耐えきれず、空間の方が勝手に歪みだしたのだ。
 ギャリリリンッ
 という音がしたと思うと、二名の間合いが広がる。
 見ると、フォールの土刀がカヂの腕に傷をつけていた。
「………」
 初めての傷をじっと眺めるカヂ。
 傷つけられたのが初めてなので、多少驚いたようだ。
 だが、カヂの強靱な精神は初めての事態にも動揺することはなかった。
 そうなったらそうなったで傷を舐めた。
 すると、傷ついた腕がすぐに元通りになった。
 傷つけられたくらいで動揺するような存在が恐れられている訳はない。
 この精神力の強さもカヂという存在、ヂグウ族という存在の強さを物語っていた。
 カヂの劣勢にも他のヂグウ族が助けに入るという姿勢はない。
 カヂであれば問題ないという確信があるからだろう。
 再び身構える両者。
 再び緊張が走る。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編3話17

2016-05-06 16:40:00 | 日記
 神と悪魔は是が非でも、神と悪魔の両方が成立する聖魔地帯の確保が重要となった。
 それだけ、キャリアの勢力が増したという事になる。
 神と悪魔の軍勢は慌てていたが、今相手をしている敵は神でも悪魔でもない。
 怪物ファーブラ・フィクタが用意した進化石の四種族という事になる。
 後には、ツイン・シスターオペレーションの三大成功例である三組の姉妹、デクシア(右)、アリステラ(左)姉妹、プリュス(+)、モアン(-)姉妹、プラーミァ(炎)、リョート(氷)姉妹との戦いも控えている。
 全て、クアンスティータを強化したり、参考にしたりなどの関わりがある存在達だ。
 クアンスティータが関わっているという事はただ者ではないという事でもある。
 ヂグウ族のカヂが前に出る。
 前の戦いでは全く相手にされて居なかった。
 極限まで手加減をされて、それでも傷一つつけるに至らなかった相手だ。
「俺にやらせてくれ」
 フォールが前に出る。
 キャリアに力を与えられた今でも彼の流儀は変わらない。
 多数で少数を倒すというのを良しとはしない。
 向こうが一名で来るのであれば、こちらも一名で対抗する。
 バカだと言われようが何だろうが、それが、フォールの行動の全てだった。
 居合いの構えを取るフォール。
 同じ構えでも素人がいきなり達人になったくらいの違いがあった。
 自分が自分ではないという感覚に包まれるフォール。
 カヂも構えを取る。
 歴戦の強者としての勘が舐めたままではやられる事を察知したのだ。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編3話16

2016-05-06 16:38:07 | 日記
第三章 キャリアVS進化石の四種族


 キャリアは進化石の四種族との戦いの最中、まだ、時間になっていないのにテネブライに渡り、2級使愚魔達も全滅させた。
 この事から、キャリアが自在にルーメンとテネブライを行き来出来るようになった事がうかがえた。
 もはや、光の属性、闇の属性という事にこだわる必要がないのだ。
 そして、キャトラとフォールにも自身のエネルギーを送り、光と闇の両属性を与えた。
 更に、悪魔の属性を持った男性サボータと天使の属性を持った男性セラフィールを、
 悪魔の属性を持った女性クルゥと天使の属性を持った女性フクィンをそれぞれ融合させる。
 それにより、サボータとセラフィールの融合生命体、聖魔(せいま)ジャンルとクルゥとフクィンの融合生命体、聖魔マドゥワスが誕生した。
 それが神の領域、生誕を司る力を持った事を意味した行動であることをキャトラとフォールは理解した。
 男女の違いはあるが、ジャンルとマドゥワスはどちらもかつてのキャリアのように、天使の翼と悪魔の翼を片方ずつ持つ存在となった。
 天使でも悪魔でもないため、それは聖魔という事になる。
 新生キャリアとキャトラとフォール、ジャンルとマドゥワスの5名はルーメンとテネブライの区別はつけなくても良くなった。
 むしろ、ルーメン側、テネブライ側に勢力が別れてしまう、神や悪魔の軍勢の方が不利に働くことになる。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編3話15

2016-05-06 16:37:44 | 日記
 怪物ファーブラ・フィクタは惑星ファーブラ・フィクタを経由して、ニナ・ルベル――本物のクアースリータ、クアンスティータの双子を産む母体と共に、惑星ルーメンと惑星テネブライの無限ループの中から抜け出て行った。
 後で、二期の偽クアンスティータのための核を届ける事になるだろうが、それはまた、後の話だ。
 怪物ファーブラ・フィクタはその場を後にした。
 キャリア達には何も告げなかった。
 伝えなくても今のキャリア達であれば、彼が思った通りの行動を取ると確信したからだ。
 敵が居なくなったが、Fは進化石の四種族をキャリア達の敵として用意してその場を離れた。
 覚醒したとは言え、まだ、パワーの安定していないキャリアの力を制御させるためにだ。
 はっきり言えば、キャトラや二羽の天使など、どうでも良かった。
 キャリアさえ自分の思い通りに動いてくれればそれで良かった。

 キャリア達4名と進化石の四種族の戦いが始まる。
 今度は手加減は必要ない。
 キャリアは全くの別物へと進化を果たしたのだ。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編3話14

2016-05-06 16:35:47 | 日記
 自らの後世である芦柄 吟侍(あしがら ぎんじ)は【答えの力】という力を身につけつつあるようだが、前世である自分にはその力がない。
 【答えの力】はクアンスティータに対抗する力とされているが、クアンスティータが本気になれば、そんな力など、物の数ではないと思っている。
 だが、Fとしてはその【答えの力】に多少興味はあった。
 答えがわかるというのであれば、是非とも身につけてみたい。
 そうは思うが、芦柄 吟侍は自分の魂の七分の一の転生した魂に過ぎない。
 自分の七分の一の者の力に憧れるというのは彼のプライドが許さなかった。
 芦柄 吟侍は自分より格下、下等であるべきだ。
 その吟侍が自分より、先に答えを見つける事など許し難い。
 そう思っていた。
 悩むことではないと割り切り、Fは偽クアンスティータを集める事と、芦柄 吟侍達の様子を見に、惑星ウェントスに向かうことにした。
 キャリアの覚醒は確認した。
 後は、黙っていても、新たな偽クアンスティータを産み落としていくだろう。
 F――怪物ファーブラ・フィクタがする事は、まず、惑星ウェントス近辺の様子をさぐり、偽クアンスティータ達から核を受け取り、それをクアースリータ・マネージャーズに振り分ける事。
 そして、クアンスティータよりも先に産まれるクアースリータの誕生に立ち会う事。
 それを優先させる事にした。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編3話13

2016-05-06 16:35:25 | 日記
 むしろ、他の存在を守っているというのが正解だろうか。
 下手にクアンスティータに手を出せば巻き添えで、他の存在も死滅するため、本物より、弱い偽者が相手をする事で極力本物との接触を断つ役目を果たしているという点では必要な存在であると言える。
 だが、Fからしてみれば、それは相手側に立った視点だ。
 クアンスティータの目線ではない。
 クアンスティータにとっても中途半端な存在にチョロチョロされるよりは代わりに相手をしてくれる偽クアンスティータが居た方が良いのかも知れないが。
 どちらにしても、Fはキャリアをどうしたいのかが見えてない状態だった。
 このまま、偽クアンスティータを産ませるのが正解なのか、それとも、放っておいて、好きにさせるのが正解なのか?
 どっちか解らない。
 または、全く別の答えかも知れない。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編3話12

2016-05-06 16:33:36 | 日記
 クアンスティータと一口に言っても、こういう存在であればクアンスティータであるという定義はない。
 特徴としては背花変(はいかへん)と呼ばれる万能細胞や千角尾(せんかくび)と呼ばれるしっぽがあるが、これは本物のクアンスティータの共通点だ。
 本物であっても本体や側体によっては全く違う構造をしているので、視覚的共通点以外はこれがクアンスティータという定義はない。
 それは偽クアンスティータにも言える事で、どの部分をもって、偽者の【クアンスティータ】としているのか明確な定義は存在しないのだ。
 だが、クアンスティータのために動くという事や圧倒的なパワーを与えられる事などから、それは偽クアンスティータだという事になっている。
 そのため、偽クアンスティータ同士の共通点も無い。
 しいて挙げるのであれば、クアンスティータとは元々が怪物ファーブラ・フィクタと魔女ニナの娘、レインミリーの生まれ変わりであるという事から、おんこという男でも女でもない性別でありながら、容姿などは女性に近いため、偽クアンスティータは女性型で統一されているという事くらいだろうか。
 また、本体を守る、側体と同じ様な立場でクアンスティータ全体を守るという事から、年頃の女性の姿をしているという事になる。
 ただ、Fからしてみれば、それは猿真似に過ぎないと思っていた。
 本物のクアンスティータはもっととんでもない存在。
 そういうくくりで計れるような存在ではないのだ。
 クアンスティータを守るというのも疑問に思っている。
 クアンスティータの立場であれば、守って貰う必要は全く無いのだ。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編3話11

2016-05-06 16:33:14 | 日記
 つまり、偽者のクアースリータ達という事になる。
 クアースリータの公式の偽者であり他の生物の要素も持つ、10核という事になる。
 残り、10核――
 それをキャリアに産ませようという考えを持っている。
 それは、今、存在している偽クアンスティータ10核を一期の偽クアンスティータとするならば二期の偽クアンスティータという事になる。
 つまり、クアンスティータには20種類の偽クアンスティータがつくという事になる。

 反対していた頃のキャリアにも説明した様に、偽クアンスティータを産むのに必要なのはキャリアの母体ではない。
 キャリアは頭上にある5つの光体の維持をする事で偽クアンスティータが産まれるという事になる。
 妊娠期間は存在しないのだ。
 Fはキャリアが偽クアンスティータを作り出す存在としての意識が目覚めた事に安堵した。
 自殺でもされたら、これまでの苦労が水の泡だったからだ。
 だが、偽クアンスティータの母としての自覚に目覚めたのかキャリアは産む事を否定しなくなった。
 それはありがたい事でもあった。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編3話10

2016-05-06 16:31:17 | 日記
 どうやら、キャリアであることは間違いないようだが、それでもあれだけ嫌がっていた偽クアンスティータを産むという事を肯定している。
 彼女の中で何かがあったという事は明らかだった。
「殺せぇ~」
「倒せぇ~」
「始末しろぉ~」
 天上使達が叫ぶ。
 そして、一斉にキャリアに向かっていく。
 だが、たった一睨みで、その場に居た天上使達は全滅した。
 それを見ていたFは
「バカめ、今のあの小娘は言ってみれば偽クアンスティータを産み出すエネルギーを体内で調節している生命エネルギーが最も活性化している状態だ。今、迂闊に手を出せば、偽クアンスティータを構成するエネルギーで消し飛ばされると言うのが解らなかったのか」
 と言った。
 神話の時代より、偽クアンスティータ用に核は30核用意されていた。
 その内10核は現在存在している偽クアンスティータを形成するために使われている。
 今まではその10核の偽クアンスティータが予備として、2核ずつ所有しているという事になっている。
 だが、Fはその各偽クアンスティータが所有している2核ずつ、合計20核の核を他に割り当てようと思っている。
 その内、10核は、クアンスティータの姉であり、兄でもある存在、クアースリータに属するクアースリータ・マネージャーズに割り振るつもりだ。
 クアースリータ・マネージャーズはクアンスティータで言えば偽クアンスティータにあたいする存在だ。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編3話09

2016-05-06 16:30:56 | 日記
 だが、内在しているパワーが明らかにキャリアとは別物だった。
 容姿こそ似てはいるが全く別の存在――そう感じられた。
 様子を見ていたFは
「ようやく覚醒したか……」
 と言った。
 その事からも元はキャリアだったというのが解った。
 キャリアとは顔や体型は似ているが、その女性には天使の翼も悪魔の翼も無い。
 頭上にあったハート型のエンジェルハイロゥも別の物に変わっている。
 五色の光体が頭上にあった。
 表現するのであれば、五種類の光の帯が頭上にあるという事になる。
 翼の代わりに背中から生えているものもある。
 膜のような感じのものだ。
 蝶や蛾の羽根のように見えなくもない。
 だが、これはまだ、形が定まっていないのかもしれない。
 ゆらゆらと形を変化させている。
「キャリアさんなのかニャ?」
 キャトラは恐る恐る、尋ねる。
 女性は、
「キャリアでもある。でも私は偽クアンスティータを産む存在でもある」
 と答えた。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編3話08

2016-05-06 16:28:57 | 日記
 ルーメンに舞台は移り、キャリアとキャトラに2級天上使達が指揮する軍勢が襲う。
 片翼となったキャリアはまたすぐに苦しみだした。
 残った2つのボンドボール(絆玉)がエンジェルハイロゥに吸い込まれる。
 すると、すぐに、エンジェルハイロゥから二羽の天使が舞い降りる。
「僕の名前はセラフィール」
「私の名前はフクィン」
 天使達が名乗りを上げる。
 セラフィールが男性型、フクィンが女性型の天使に見える。
 二羽の天使の出現により、キャリアの天使の翼も無くなってしまった。
 これでは飛べない。
 天上使達が飛べないキャリアを襲う。
 交わしきれず攻撃がかすった。
 身体にはダメージが無いが、エンジェルハイロゥが傷ついてしまった。
「キャリアさん」
 キャトラが叫ぶ。
 その声も虚しく天上使達がキャリアの身体に群がり身体をバラバラに裂いた――様に見えた。
 だが、キャリアだった身体は砂山が崩れるかのようにさらさらと崩れた。
「………っ!!」
 キャトラが悲鳴にならない悲鳴を上げる。
 キャリアは死んでしまったのだろうか?
 いや、違った。
 キャリアの身体は再構成されていたのだ。
 キャリアが崩れ去った近くの空間にキャリアの砂が集まる。
 砂が結集し、女性型のフォルムを形成していく。
 やがて、美しい女性の姿となる。
 キャリアに容姿が似ている。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編3話07

2016-05-06 16:28:35 | 日記
 さらに続いて、もう一体、悪魔が飛び出す。
「私の名前はクルゥ。私も悪魔の要素を持つ」
 と言った。
 クルゥもやはり蝙蝠の様な翼を持つ悪魔っぽい姿をしている。
 ただし、こちらは女性の姿だ。
 クルゥの出現により、キャリアの悪魔の翼は消失してしまった。
 片翼となり、上手く飛ぶことも出来なくなった。
 まさか、キャリアの悪魔の要素をサボータとクルゥに取られた?
 フォールはそう考えた。
 どうやらサボータもクルゥも味方になってくれそうだが、逆に、キャリアの戦闘力が半減したのではないのだろうか?
 闇の惑星テネブライにおいて、光の属性だけでいるという事は自殺行為でもある。
 完全にアウェー状態になるからだ。
 闇の存在に光の属性の効果は絶大だと言っても、立っている場が闇属性なら話は別だ。
 キャリアは足手まといにもなりかねない。
 だが、フォールの心配を余所に、テネブライでの戦いがタイムアップになった。
 舞台がテネブライからルーメンにチェンジする間にフォールが向こう側にいるキャトラに声をかける。
「おい、猫、キャリアが変だ。何かあるかも知れん、気をつけろ」
 と。
「解ったニャン。鬼さんありがとニャン」
 と返すキャトラ。
 とは言ったものの何をどうすれば良いのかさっぱり解らなかった。