よったろーのせーさく日記3

よったろーのせーさく日記からの引き継ぎです。
ちょちょいのよったろーと申します。
改めましてよろしくお願いします。

夢命戦(ゆめいくさ)IC第二章28

2016-03-13 16:04:40 | 日記
 勝負は接戦。
 だけど、みらちゃんの【手品師】がギリギリ勝つことが出来た。
 みらちゃんの活躍がその後のチームのムードも上げてくれる。
 立派なムードメーカーだ。
 続く、中堅戦は揺花ちゃんが、【着ぐるみ ぽふも】というキャラクター。
 これは、着ぐるみを着た女の子のICだ。
 今回の着ぐるみは犬のようだ。
 対する菜奈美ちゃんは【NANAMI】だ。
 どうやら、このチームは、自分を投影したキャラクターを出してくるつもりらしい。
 この勝負は力の差を見せつけた形で揺花ちゃんが大勝した。
 続く大将戦だけど、やる気満々で、前回の敗戦の汚名を晴らすために諷太君は【デスガイズ】というキャラクターを持ってきた。
 だけど、敗退が決定した時、戦意を喪失したのか、対戦相手の昭三君は戦闘を辞退。
 これにより、諷太君の不戦勝が決まる。
 諷太君は不満そうだったけど、こういう場合だってあるのだ。
 恐らく、昭三君のICの名前は【SYO-ZO】だろうとは予想出来るけど、残念ながらお披露目はないという事になった。
 一時は危ない場面もあったけど、順調に勝ち進んでいくのを見るとやっぱり嬉しいわね。
 トーナメント表は出ているんだし、そろそろ、次の対戦相手とかを研究した方が良いかもしれないわね。
 段々、強敵も増えてくるだろうし、相手もうちのチームの事を研究してくるでしょうしね。
 使うICを変えてもプレイヤーの癖というのは残るから、その辺りを研究して行った方がいいかもね。
 応援に回ってくれている夢命祭チームにお願いして、次の対戦相手のビデオを撮っておいて貰って、対戦前に研究しておいた方が勝つ可能性も増えてくるし。
 ――って感じで、私はあれこれ、監督として、次になにをやるべきか考えていった。
 失敗は誰にでもある。
 私だって例外じゃない。
 失敗を糧に次に成功して行けばいい。
 私は次の四回戦のための準備をする事にした。

続く。

夢命戦(ゆめいくさ)IC第二章27

2016-03-13 16:02:32 | 日記
第二章 第五幕 三回戦


 次の三回戦からはみらちゃんには先鋒をお願いする事にした。
 獣馬君が参加するのは五回戦からと言っていたから、その次の四回戦までは彼女に先鋒をつとめて貰うことになる。
 中堅の揺花ちゃん、大将の諷太君も四回戦までは固定で良いわね。
 五回戦からまた、オーダーを考えましょう。
 とにかく、手堅く行きましょう。
 三回戦の対戦相手はチーム乱舞。
 チーム名の通り、激しい動きで勝ち上がって来たチームのようだ。
 チーム乱舞のオーダーは、
 先鋒 悠人(ゆうと)君。
 中堅 菜奈美(ななみ)ちゃん。
 大将 昭三(しょうぞう)君だ。
 早速、先鋒戦が始まる。
 みらちゃんは【手品師(てじなし)】を用意した。
 切り札である【武者侍】は使用しない。
 これは油断しているのではなく、前回の失敗の原因の一つとして考えられる連続して同じICを使用するという事を避けているためだ。
 【手品師】はそれでも【武者侍】に決してひけを取らないポテンシャルを持っている。
 対する悠人君のICは【YU-TO】だ。
 恐らく自分を投影したICなのだろう。
 自分そっくりなICを作るというのも一つの方法として確立されている。
 自分に色んな行動を取らせたいという願望もあるのだから。
 当然、それは成り立つのだ。

夢命戦(ゆめいくさ)IC第二章26

2016-03-13 16:02:04 | 日記
 獣馬君は、
「諷太のアホがやらかした時はヒヤヒヤしたけど、よくやった、みら」
 と言った。
 諷太君は、
「あれは、油断してだな……めんぼくねぇ。おれっちが悪かった。今回はそうだ、認めるよ」
 と言った。
 諷太君だけじゃない。
 私の采配も悪かった。
「ごめん、私も悪かった。よく考えて順番決めないといけないね」
 と謝った。
 お詫びとして、私はメンバー全員にランチをおごる事にした。
 給料日前でちょっと手痛い失費だけど、今回は私が悪かったんだし、素直に支払うわ。
 危なかったけど、二回戦も勝ち上がった。
 もう油断しない。
 考えて見れば、早い内に、油断の怖さを知れたのも良い経験かも知れない。
 ライオンはどんな相手にも全力を尽くすとか聞いた事あるし、獣馬君達の才能にあぐらをかくのではなく、どんな格下相手でも全力でぶつかって行こうと心に決めたのだった。

夢命戦(ゆめいくさ)IC第二章25

2016-03-13 16:00:07 | 日記
 対するチームオアシスのリンダちゃんのICは【竜騎士】だ。
 チームオアシスは【龍】、【ツインヘッドドラゴン】、【竜騎士】とリュウづくしだ。
 チームドラゴンとかにした方が良いのではないかと思うんだけど、彼女達なりにチーム名にはポリシーがあるのだろう。
 【武者侍】は侍で武士道、【竜騎士】は騎士で騎士道。
 武士道対騎士道の戦いになるのではないかと思ったけど、違った。
 みらちゃんの方は理想を形にしているだけあって、立ち振る舞いが武士道と言ってもしっくりくる。
 だけど、リンダちゃんの方は本当に女の子か?と思えるくらい、がさつな動きだった。
 騎士というよりはまるでゴリラが暴れているような戦い方だった。
 本人が【騎士】だと言い張るのであればあえて否定はしないが、【竜騎士】の戦い方からは私はナイトをイメージする事が出来ない。
 剣をブンブン振り回す【竜騎士】。
 それはさながら、棍棒というおもちゃを手にしたゴリラのようだ。
 それを【武者侍】は上手く捌いて行く。
 みらちゃんはプライベートで剣道もやっていたと言っていたし、さすがに体捌きとかは見事だと思った。
 そして、【竜騎士】のゴリラアタック(私が勝手に命名)を交わし、トドメの一撃を【武者侍】が入れた。
 が、破損した【竜騎士】の装甲の一部が【武者侍】にもヒット。
 大きく破損した。
 共倒れ?
 とも一瞬思ったが、立ち上がる事も出来なくなった【竜騎士】に対して、【武者侍】はしっかり地面に対して直立に立っている。
 これは間違いないでしょう。
 みらちゃんの勝利が決定した。
 彼女は大粒の涙を流し、
「せ、先生ぇ~……じゃなかった、監督ぅ~勝った。勝ったよぉ~」
 と言ってきた。
 私の事を先生と言ってしまったのは動揺していたというのもあるだろう。
 よっぽど嬉しかったのだろう。
 チーム全員で喜んだ。

夢命戦(ゆめいくさ)IC第二章24

2016-03-13 15:59:41 | 日記
 二匹のドラゴンが壮絶なぶつかり合いをする。
 可愛らしくても揺花ちゃんのドラゴンも強い。
 負けたら敗退が決まるこの試合に揺花ちゃんは手を抜いたICは持ってこない。
 油断しなければ、揺花ちゃんは地球レベルを大きく超えている逸材だ。
 危なげなく、彼女は【ツインヘッドドラゴン】を撃破した。
 これで一勝一敗、イーブンだ。
 問題は、次の大将戦だ。
 みらちゃんが負けたらそこで敗退するとあって、彼女はかなり緊張した様子だ。
 こんな時どんな言葉をかけてあげればいいのか解らないけど、
「負けても死ぬ訳じゃない。頑張って来て」
 と言うのが精一杯だった。
 この言葉が適切かどうかは解らないけど、彼女にチーム昴の三回戦進出の命運がかかっているのは確かだ。
「か、監督、これで良いでしょうか?」
 震えながらみらちゃんが聞いて来る。
 ごめんなさい。
 余計なプレッシャーをかけちゃってるね。
 監督失格だね、私。
 とにかく、私はギュッとみらちゃんの両手を握ってあげた。
 すると、少し落ち着いたのか、微かに微笑む。
 みらちゃんが用意したICは【武者侍(むしゃざむらい)】だ。
 彼女の理想の男性がモデルだという彼女の切り札とも言うべきICだ。
 それだけ、この勝負に全てを賭けていると言って良かった。

夢命戦(ゆめいくさ)IC第二章23

2016-03-13 15:57:22 | 日記
 私の油断が伝染したのか諷太君も油断していた。
 二回戦で強敵に出くわす訳がないと思っていたのだ。
 対するチームオアシスの先鋒フェイロン君は、【龍】を持ってきていた。
 オリジナル作品ではないが、素晴らしい出来のICだった。
 万全の状態で挑んできたフェイロン君に対して、完全に油断している諷太君――
 結果は火を見るよりも明らかだった。
 まさかの敗北に呆然となる諷太君。
 相手を完全に舐めきっていた彼は戦闘の時も相手を見くびっていた。
 その大きな隙をつかれ一挙に攻撃されあっという間に敗れてしまった。
 猿も木から落ちる。
 弘法も筆の誤り。
 どんなに優れたプレイヤーも時には敗れる事もある。
 増して、手を抜いていたらなおさらだ。
 これを機に、諷太君には反省してもらうとして、問題はここからだ。
 オーダーを発表してしまった後だから、メンバー変更は本当の緊急時でも無い限り出来ない。
 つまり、次の揺花ちゃんとみらちゃんは必ず勝たなくてはならないのだ。
 最悪でもみらちゃんにも引き分けにはなって貰わなければ、地球代表戦はここで終わりとなってしまう。
 大将のみらちゃんにいらない心配をかけてしまった。
 みらちゃんだけじゃない。
 この事態に動揺して揺花ちゃんまで敗れたら目も当てられない。
 ここは一つ、確実に一つずつ勝っていかないといけない。
 中堅の揺花ちゃんは【ストロベリードラゴン】。
 彼女のオリジナルICで、口から炎の代わりに大きなイチゴを発射するらしい。
 身体はファンシーなピンク色。
 彼女らしい作品だ。
 対するライト君は【ツインヘッドドラゴン】。
 これもオリジナルドラゴンだ。
 奇しくもドラゴン対決となった。
 パッと見の印象ではライト君の【ツインヘッドドラゴン】の方が強そうだ。
 だけど、見た目は関係ない。
 想像力の結晶として、どちらが完成度が高いかでそのICの戦闘力は決まるし、強いからと言って必ず勝てるという事もない。
 油断していたら負ける事だってある。
 今回はこの言葉を私自身に送りたい言葉ではあるが。

夢命戦(ゆめいくさ)IC第二章22

2016-03-13 15:56:55 | 日記
 次は、二回戦だ。


第二章 第四幕 二回戦


 二回戦のオーダーはどうしようかと考えていると、獣馬君が、
「温子、俺は五回戦くらいからで良いや。しばらくみらにも経験積ませてやってくれ」
 と言ってきた。
 そうなると、みらちゃん、揺花ちゃん、諷太君の3人で戦うという事になる。
 一回戦の時の様にみらちゃんを先鋒として戦ってもらって、後の二人がフォローするという形も考えられるけど、先鋒で揺花ちゃんか諷太君に勝ってもらって中堅でみらちゃん、もしくは大将でも良いかなと思ってしまう。
 こうして見るとみらちゃんをお荷物扱いしている感じがするけど、実力から考えるとやはり、みらちゃんは揺花ちゃん、諷太君よりも少々レベルが落ちる。
 みらちゃんを傷つけないようにとは思っている余裕はない。
 如何にして、みらちゃんに経験を積んで貰ってなおかつ勝利するという事を考えて行かなければならない。
 私は一度、みらちゃんを大将にしてみようと思った。
 その前の二戦を勝利すれば、みらちゃんの勝ち負けに次の三回戦進出の影響はない。
 強そうな相手で自信を無くすようならば、二勝しているから戦いを辞退するという選択肢もあるからだ。
 私は試しに先鋒 諷太君、中堅 揺花ちゃん、大将 みらちゃんでオーダーしてみた。
 まだ、二回戦だし、ピンチになる事はないだろうと高をくくっていた。
 その判断が、監督としての私のミスだったと気づくのは先鋒戦だった。
 対戦相手のチームオアシス――思わぬ強敵チームの登場だった。
 先鋒戦諷太君がまたまた【メダリスト】を持ってきた。
 【メダリスト】は一回戦で【マルツェサウルス】との戦いでその真価を発揮した。
 【メダリスト】の力は身体能力の調整だ。
 例えば、腕の力を強化するために、身体の使っていない部分のパワーを割り振ったり、流れるように全体のバランスを取る事で攻撃力をアップさせたりする。
 身体強化型のICだ。
 【マルツェサウルス】の猛攻にあい、【メダリスト】は結構、傷ついた。
 今回の二回戦ではろくに修理もしないまま、同じ【メダリスト】を使用したのだ。

夢命戦(ゆめいくさ)IC第二章21

2016-03-13 15:54:33 | 日記
 だから、【これが恐竜?】という目で蔑むという事もない。
 本人が【恐竜】だと言い張れば、それはまごう事なきオリジナルの【恐竜】なのだ。
 これは恐竜だとは認められないとツッコムのはむしろ無粋であると言える。
 現に、敗れたとは言え、【マルツェサウルス】は【メダリスト】相手にかなり善戦したと言える。
 アダム君とルボミール君はちょっとあれ?って感じの実力だったけど、マルツェル君は大将としてふさわしい実力を持っていたと言えるだろう。
 アダム君達よりは実力的に何段階か飛び抜けた実力の持ち主だ。
 うちで言えば、夢命戦チームと夢命祭チームくらいの差はあるだろう。
 マルツェル君さえ良ければうちに来て貰っても良いとは思ったけど、彼らは彼らで楽しくやっているようだ。
 引き抜きは無粋だなと思った。
 危なげ無く、三連勝して、一回戦を突破した。

夢命戦(ゆめいくさ)IC第二章20

2016-03-13 15:54:08 | 日記
 続く、中堅戦は獣馬君のIC【バッター】がセットされた。
 初戦に続くICだけど、みらちゃんと戦ったアダム君のレベルを見て、新作ICを使うまでも無いと判断したのだろう。
 対する、ルボミール君のICは【ザ・グレート弁慶】だ。
 牛若丸と戦ってその後、従ったという弁慶をモチーフにしたICだ。
 弁慶と言えば刀狩り。
 どうやら、腰に巻かれた縄のようなものに刀を結びつけている。
 1000本とか言いたいのだろうけど、せいぜい、十数本。
 そこまでがルボミール君の想像力の限界だったのだろう。
 【ザ・グレート弁慶】も【バッター】の前に瞬殺された。
 2連勝という事で、2回戦進出を決めたチーム昴だけど、諷太君とマルツェル君はどちらも対戦を希望したので、大将戦が行われる事になった。
 諷太君も初戦の時と同じIC【メダリスト】を使用している。
 対するマルツェル君は、オリジナル恐竜【マルツェサウルス】だ。
 正直、私の印象では【恐竜】というよりは【怪獣】と言った方がしっくりくるフォルムだ。
 だけど、ICは正確に表現すれば良いというものではない。
 本物にそっくりなイメージで出来たICはそれだけ、パワーがつくが、夢命戦ではそっくり=強いという事はない。
 そっくりさんがポイントで優遇されていたのはかつての地球であって今ではない。
 今はそっくりという事よりも、そのIC自体の説得力、想像力、独創性などがポイントとなる。
 だから、恐竜とは思えないからと言って、それが弱いという事にはならない。
 似ているという事もポイントにはなるが、それが絶対的ではないというのは今の選手であれば誰もが知っていること。

夢命戦(ゆめいくさ)IC第二章19

2016-03-13 15:52:01 | 日記
 例えば、兎を描いたとする。
 普通に描いて消したら兎は1匹しか出てこないが、兎×3=Xと書けば、3匹の兎が召喚される。
 もちろん、同時操作という事になるので、みらちゃんの想像力が及ぶ範囲でしか数は増やせないが、それでもいっぺんに複数の召喚も可能となる。
 また、オタマジャクシは描けるけど蛙が描けなかった場合などは、オタマジャクシを描いて、オタマジャクシの大人は?という文章を書けば、オタマジャクシではなく蛙が召喚される事になる。
 つまり、文章をつけることにより、足りていない想像力を補える特性を持つという事になる。
 想像力が他のレギュラーより、少し劣るみらちゃんにとっては、これ以上ないくらい合っているICと言えるだろう。
 このICを見ていると解る。
 彼女は決して人数合わせのメンバーじゃない。
 立派な戦力の一人として申し分ない。
 私はみらちゃんの活躍にも期待した。
 対するアダム君のICは、【セクシーお姉さん】だ。
 ちょっと、この子何考えているのかしら?
 こっちが恥ずかしくなるようなデザインのICになっているわ。
 これはみらちゃんも気の毒。
 見るからに嫌そうな表情を浮かべている。
 年頃の女の子にとっては、こういうのはあまりいい顔出来ないのだろう。
 セクハラじゃないのこれ?
 私は審判に抗議した。
 競技は一時中断されたけど、残念ながら、相手のICは認められてしまった。
 ギリギリではあるが、わいせつ物陳列という事にはならないらしい。
 私は相手のICを認める代わりに対戦相手のみらちゃんを獣馬君に変えて貰えないかと申し出た。
 が、公式で順番を決めた後での順番変更は認められないらしい。
 みらちゃんが、
「監督、私、やります」
 と言ってくれたけど、同じ女として、アダム君のICには嫌悪感を覚えるわね。
 対戦が始まった。
 結果はみらちゃんが瞬殺した。
 よっぽど腹に据えかねていたのだろう。
 女の敵、アダム君のICをみらちゃんの【黒板戦士チョーク】の赤と白の二本のチョークが貫いた。
 結果的に、みらちゃんは能力を使わなかった。
 力押しで勝ってしまった。
 勝ったときの、
「出直してきなさい」
 という台詞はかっこよかった。
 私が言いたかったくらいだ。

夢命戦(ゆめいくさ)IC第二章18

2016-03-13 15:51:37 | 日記
 そういう訳でうちのチームの今回のオーダーは、
 先鋒 みらちゃん。
 中堅 獣馬君。
 大将 諷太君。
 という事になった。
 前回は獣馬君が大将だったので、おれっちにも大将をさせろと諷太君が言ってきたので、この順番になった。
 対する、チームファイナリストのオーダーは、
 先鋒 アダム君。
 中堅 ルボミール君。
 大将 マルツェル君。
 だという事だ。
 全員男の子のチームだ。
 みらちゃんはこの戦いがデビュー戦となる。
 彼女には後に獣馬君と諷太君が控えているんだから、勝ち負けにこだわらずのびのびとやってきなさいと伝えている。
 みらちゃんのICは【黒板戦士チョーク】だ。
 これは彼女が考えた童話のキャラクターでオリジナルだ。
 左手の部分が小さな黒板になっていて、右手に持ったチョークで黒板に絵を描き黒板消しで消すとその絵が実体化するという特徴を持っている。
 黒板消しがスキャナの役目をしているという事になる。
 元々絵を描くのが好きな彼女は自分の描いた物が動くという事に夢を持っている。
 チョークの色は6種類。
 その6種類でどれだけ表現出来るかが彼女の表現力次第という所なのだが、それならば【スケッチブックマン】にでもした方がもっと色んな事が出来ただろう。
 だが、この【黒板戦士チョーク】には、黒板ならではの特性も追加されている。
 動くイラストの方は、ついでと言った方が良い。
 もちろんイラストも重要だが、黒板本来の使い道と言ったらやっぱり勉強だろう。
 そう、イラストが実体化させるのには2アクション――イラストを描いて消すという作業が必要だが、勉強の要素を持たせる事が出来るのだ。

夢命戦(ゆめいくさ)IC第二章17

2016-03-13 15:49:32 | 日記
第二章 第三幕 一回戦


 予備戦も滞り無く進み、ようやく4096チームが出揃った。
 これから一回戦が始まることになる。
 当然だけど、これに勝つと2048チームで二回戦、1024チームで三回戦とどんどん半分のチームになっていく。
 それで考えると四回戦は512チーム、五回戦は256チーム、六回戦は128チーム、七回戦は64チーム、八回戦は32チーム、九回戦は16チーム、準々決勝は8チーム、準決勝は4チーム、決勝が2チームとなるので、あと12回勝てば、地球代表チームの1チームに選ばれる事になるわね。
 元々、天才肌じゃない私だからか、地球での強いチームは他の地区に行っていて欲しいと思うのはどうしてかしらね?
 獣馬君の様に強い奴を片っ端からぶったおすという感じの方が勝ち上がれるのかしら?
 私としては、出来るだけ、強敵とぶつからず、なるべく楽に勝ち進みたいという考えは、優勝するチームの監督としては心構えがなってないのかも知れないわね。
 でも、怖いんだもん。
 負けたら、そこで終わりでしょ?
 だったら、出来るだけ、強敵と出会いたくない。
 そう思うのが私なんだよね。
 だから、涼一君みたいに天才にはなれなかったんでしょうね。
 でも、獣馬君達は違う。
 私と違って才能があるんだから。
 どんどん勝ち上がって欲しいわ。
 天才じゃなくても監督という形でなら、私でも夢の舞台に参加する事が出来る。
 それが、夢命戦。
 私の実力では今の地球代表戦も勝ち上がれないだろう。
 だけど、獣馬君達のサポートを通して、栄光への道を私も味わう事が出来る。
 それが嬉しかった。
 私の事はそれくらいにして、次はいよいよ、1回戦、チーム昴対チームファイナリストの戦いの順番が回ってきた。
 予備戦でのレベルを考えてここで、一度、みらちゃんにもバトル体験をしてもらおうと思っている。
 今回は先鋒として、参加する事になる。
 すると必然的にレギュラーの誰かが降りないと行けないんだけど、獣馬君と諷太君はそれぞれ、【お前が降りろ】の一点張り。
 なので、【私が降ります】と揺花ちゃんが降りてくれた。