コート剥げ

　よくある質問の一つがこれです。

「コート剥げを起こしたレンズをもう一度コートし直してくれないか？」と。

　残念ですが現時点では無理です。やれるとしても買うより何倍ものお金がかかるのでは…。

メガネレンズというものはあまり知られていないですが、いろんなコートが施されています。
レンズで良くあるタイプのコートの断面を表しますと、
　　　　
　　　　撥水コート
　　　　反射防止コート
　　　　衝撃吸収コート
　　　　レンズ素材
　　　　

分かりにくくてすいません。しかしメガネレンズというのは作るのに非常に手間がかかっています。伊藤光学さんのレンズ工場の見学に行ったときに、手間の掛け方をみて、もっと世間の光にあたって欲しいと思いました。日本のモノつくりのまじめさが痛感出来ます。

反射防止コートは光の干渉の性質を利用したもので、これがないとメガネレンズの裏表が反射し、ギラついてみえてしまいます。

この反射防止コートが剥げると残念ながらメガネレンズとしては寿命となります。
以前、大阪での研究会に出席した時、そこの先生がおっしゃっていましたが、反射防止コートとハード層は密着度が高く、反射防止が剥離することは少なく、レンズ素材とハード層の熱膨張率の違いで、コートのクラック→コート剥げになるそうです。

結構几帳面な方ほど力をこめてゴシゴシ表面をこすってしまうようで、優しく拭いてくださいね。
たまにお風呂の持って洗う方が…。石鹸はまずいので、中性洗剤を使ってください。

で、熱に強いコートのレンズが出ました。紹介はいずれまた。