続きです。
死角となる右側の像を、プリズムレンズを使って正面に持ってくる、
そうすればいいように思えます。
しかし、メガネフレーム全体にプリズムを組み込むと、死角でない部分もまとめてズレていきます。
そうすると、正面の障害物にぶつかってしまう、ということになりかねません。
<右がボールペンの前にプリズムレンズを置いたもの>
そこで、見える分は最大限生かし、死角の部分をズラして…ということになります。
つまりは部分的にメガネレンズに組み込むということです。
これはレンズの上に貼り付けるタイプのフレネル膜プリズムというものです。
厚さはそれほどなく、断面はちょうど工場の屋根のように三角が連続して連なり、プリズムの性能を作っています。
プリズムの量は1~40プリズムまで。(1プリズムは1m先で1cm光がずれることをいいます。)
ボールペンの写真のレンズと違い、線が見えるのが特徴です。
まず、正面視したときに邪魔にならない位置を決め、レンズの形に切って貼り付けます。
このメガネを掛けて眼球を右に動かしたとき、プリズム部分を視線が通過すると、
今まで見えなかった部分が視界に入ります。
網膜色素変性症などの視野狭窄に対しては両外側に貼り付けます。
A氏の場合は両眼とも右半分が見えていないので、この形に。
しかし、ある条件の見え方的には右レンズ側に張るだけでもいい場合も(この辺は長くなるので割愛します)…とか、
右トラブルあった場合のためにも…とかいろいろ考えましたが、
結局、とりあえずはこの形で問題なさそうでしたので、両眼にプリズムを貼り付けました。
そして、↑のメガネをAさんにお貸して、しばらく使って頂きました。
続きます。