気がつくと、筆者も40代前半。
自分では若いと思っていても、社会的には中堅どころということになる。
この上層部でも下っ端でもないという中途半端な階級者からみる景色は、以前想像していたイメージとかなり違うように思う。
今回は、この「世代」をテーマに日中比較を筆者なりに論じてみたい。
まず、ホームグラウンドである日本。
言わずと知れた「年功序列」「終身雇用」を基本とした国。
後者のほうは、長引く経済低迷を背景に多少事情が変化してきたが、前者のほうは各組織体で色濃く存続されているように思う。
無論、どの制度にも長所・短所の両面があるわけで、このふたつが悪いと評したいわけではない。
問題は、このふたつが時代に即しているか・・・?ということだ。
IT技術の進歩によって、仕事を取り巻く環境、ひいては時間や世界の概念は大きく変わった。
壮年期を迎えた筆者にとっても、日進月歩で進化を続ける技術やサービスについていくのは容易ではない。
いや、実質的にはもはやついていけていない部分のほうが多いのかも知れない。
「技術革新」というものが何を意味するのか・・・?
それは、どの分野においても「進化を求める欲求」から生まれるのではなかろうか。つまり、「もっと便利に」、「もっと豊かに」といった欲求を泉にごとく沸き上がらせることが出来れば、技術革新の原動力になることは間違いない。
勿論、技術開発にはお金が必要になるものだが、ここは不思議なもので本当に熱意があって、真に社会に必要とされそうな技術やサービスであれば、出資者が出てくるというものだと筆者は感じている。
【上海関連の情報が満載の「にほんブログ村 上海情報」はコチラ】
翻って考えてみれば、この激動の社会を迎えても、「年功序列」「終身雇用」を前提とした雇用体系を維持している国は、先進国では日本くらいのものと考えたほうがよさそうだ。
元来、欧米は割り切った雇用体系を敷いているから、人材の流動も盛んだし、MBAなどの資格を背景とした若手幹部の登用も随分昔から行われている。
これは政治の世界も同じで、G8やG20をみても、各国の政治家の年齢層を比較すると、日本は高齢の部類に入ることが分かる。
では、新興国の中国はどうなのか・・・?
筆者が中国社会で接してきた高級幹部は、驚くほど若い人材が多いと言っていい。
これは国有企業でも同じで、筆者と同年代で総経理(社長)の肩書を有している
方々はゴマンといる。
勿論、それなりのバックグラウンドを有しているワケだが、仮に日本で同じような身分だったとしても、他を差し置いて抜擢されることがどのくらいあるだろうか・・・?
【中国関連の話題が満載の「にほんブログ村 中国情報(チャイナ)」はコチラ】
面白いことに、これは公務員の社会も同じ。
例えば、教育現場を例にとると、中国の学校現場では年配の教師を見かけることが極めて少ない(筆者は見たことがない)。
この理由を探ってみると、学校現場で実際に教鞭をとる教師は大学卒業からステップが決まっており、正式な教師になるには教員免許とは別に現場での経験が必要となる。
その後、教員は担当する学生の成績や研修の受講、教育委員会によるチェックなどを通して、激しい競争に晒されるようだ。
そして、この競争に勝ち残った方々は、副校長や校長への階段を上っていくことになる。
こうした人達以外はどうなるのか・・・。
筆者が聞いたところでは、どうやら年配の教育関係者は教育委員会や教育を管理する部署に配置転換になるようだ。
つまり、これまでの教育現場での経験を大所高所から指導していくことで、円滑な世代交代を支えているとも見ることができる。
日本の教育界も、大いに参考にすべきところがあるのではないだろうか。
筆者もこの歳になって感じるのは、年齢によって自分が見る風景や感じ方は変わってくるということ。
同じものを見ても、40代には40代の、20代には20代なりの見方があるのだ。
そう考えると、会社の経営層や政治家の世代が著しく50~60代に偏っている今の日本というのは、ややバランスを欠いているように思えてならない。
社会保障の議論はその典型で、60代が抱く危機感と20代が抱く絶望感は比較のしようがないものと言っていいだろう。
こうした世代間ギャップを埋め、バランスのとれた社会を形成していくのは簡単ではないが、早急に対応しないと世界のトレンドからドンドン取り残されていくように思えてならない。
↓ ご愛読、有難うございます。よければ応援クリックをポチっとお願いします(ブログランキングに参戦中)
にほんブログ村
でも、30年後どころか、10年先すら見通せないのが、今の日本の現状でしょう。
中国も、あと数年で高齢化社会の仲間入りをすると見込まれています。
ただ、この国には異民族を利用するという文化があります。
その意味で、移民政策すら議論しない日本とは「可能性」という面で大きな違いがあると言えそうです。