<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

不穏な雰囲気漂う2013年を迎えて(所感)

2013-01-04 | 日記

またもやブログ更新が疎かになってしまいましたが・・・、
遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
今年もお引き立てのほど宜しくお願いいたします。

筆者、本日から仕事始めとなっておりますので、今回は2013年がどんな展開になるのか・・・と頭を巡らせてみることにしたい。

今回、1週間ほどブログ更新が出来なかったのは、年末年始に一時帰国していたため。何と言っても日本の正月は慌しいですからね。
もっとも、日本で感じたのは、2013年を迎えるに当たっての期待と不安。

まず「期待」という面に目を向けると、日本の報道で目立ったのは「百貨店が前年比で福袋の数を増やしたとか、豪華な福袋を用意した」といったもの。
前年の正月は、東日本大震災の影響を少なからず受けていましたからね。
こうした期待が、実際の売上げ増という形に跳ね返ってくれるといいのですが、果たして結果はいかに。。。

次に「不安」という点では、足元の消費動向に強さが見受けられないのでは・・・といった懸念。
筆者も年末の買出し目的で商業施設を訪れたが、従業員が口にしていたのは「客足の鈍さ」。
勿論、個々の店舗によってバラつきもあるだろうし、元旦から営業を開始する店舗が増えていることで、もはや年末年始という概念自体が変化しつつあることもあるのだろうが、こうした感覚的な不安というものには注意が必要だろう。

実際のところ、消費の現場に関して言えば、明るい材料はあまり見当たらず、むしろ不安材料ばかりが目につく。
少子高齢化の進展やネット市場の拡大によるリアル消費市場の縮小は、もはや誰も止めることはできない。こうした状況下で、未だ変わらずチラシの折込みや特価品の販売に頼った販売モデルを続ける中小スーパーの将来について、悲観的にならざるを得ないのは筆者だけではないように思う。
折りしも、コンビニ業界の成長も遂に踊り場を迎えたと言われる。
日本全体を見回しても、所得が増えない状態で消費市場が拡大することはあり得ない。
「変化」に足を踏み入れるのは簡単ではないが、周囲の変化に対応に気付きつつも自身の変化を怠るというのが最も危ういのではないだろうか。
自戒の念も含めて、2013年のテーマとしたい。


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次に、マクロ経済に目を移したい。
日本では、自民党政権への移行、安倍首相の就任を契機に、円安株高が急速に進展している。
いわゆるアベノミクスへの「期待」ですね。
安倍首相の大幅な金融緩和という政策は、他国の経済政策を踏まえると、報道されているほど突飛な政策ではないと筆者は感じている。
だって、ギリシャに端を発する欧州経済危機を回避するために、欧州は既に大幅な金融緩和を行っているし、米国も「財政の崖」を回避することが決定的となっている。
極端な言い方をすると、全世界が「現状の病巣に目を背け、将来にツケを回す」方向に向かっていると言って過言ではないだろう。

株式市場がすぐに反応したのは、アベノミクスへの期待も勿論だが、民主党政権の無策と言っていいほどの経済政策の反動という面もあるだろう。
思い返せば分かることだが、これだけ円高が進んだにもかかわらず、当時の政権が有効な経済施策を展開したという記憶があるだろうか?
残念ながら筆者には全く思い浮かばない。

無論、国際社会の動向もあるので、一概に日本の政権のせいだけには出来ないが、3年以上にも渡って円高を結果的に容認することになったのは、当時の政権に大きな責任があると言わざるを得ない。
何となく国民のほうも諦めていた感がありますからね。。。
で、反動というものは顕著なもので、実体経済は特に変わっていないし、新たな経済政策が展開されているわけでもないのに、株価は上昇し続けるという現象が発生しているのです。実に不思議なものです。

でも、そう考えると、まずは円安株高に導いているという結果については、素直に安倍政権の船出を評価したほうがいいのではないでしょうか?


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ただ、日本が他国と決定的に違うのは、政府債務が救いようのないところまで拡大しているということ。
世界中のどこを見渡しても、1千兆円を超える負債を抱えている国なんて存在しませんから(しかも、秒単位で拡大中)。。。
ここが、将来に向けた「不安」の際たる部分。
しかも、年金制度は既に破綻への道をひた走っていると言っていい。
そもそも年金制度というのは、極めてシンプルなもの。
「負担」と「給付」が基礎となって、「運用」によって資産をコントロールしていくのだから。
この負担する若年層が数量として減っている上、質的にも非正規雇用の増加などによって所得が減少する傾向が顕著。
その一方で、給付を受ける高齢者層はドンドン増え続け、平均寿命も高水準になっているのだから、制度として維持できるはずがない。
つまり、負担を大幅に増やすか、給付を大幅に調整するか、この二者択一しか残されていないという現実から目を背けるべきではないのだ。

こうした中で、日銀が大幅な金融緩和に舵を切っているのは、極めて危うい傾向と言わざるを得ない。とりわけ、こうした金融緩和政策の決定自体が政治主導で行われている感が強く、日銀が主導的な役割を果たしていないように見受けられるのは気になるところ。
金融政策の独立性という観点から言えば、「言うべきことはしっかり言う」という姿勢も必要ではないだろうか?
どこの世界でも同じだが、意見をぶつけ合うことで最良の対策が見出せる。
筆者個人としては、日銀に大いに奮起してもらいたいと願ってやまない。

以上、これ以外にも様々な期待と不安が交錯していると思うが、ひとつだけ忘れてはならないことは各国の財政状況というものは簡単には改善しないということ。
つまり、色んな経済政策が発表されても、債務自体への短期的な影響は少ないということ。
最終的には、精神論になるかも知れないが、国が背負ってしまった債務(借金)は、国民全員で負担していくしかないんですね。
個人的には文句も言いたいところだが、とにかく前を向いて、不安よりも期待を胸に抱きつつ、頑張っていきたいものだ。

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