<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

上海 加熱するコンビニ戦争3(ローソン)

2012-01-05 | コンビニ戦争

では、今回から3強(セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート)各社の状況に言及していきたい。
まずは、一番最初に上海進出を果たしたローソンから。

同社、1996年に外資系コンビニエンスストアとしては初めて中国進出を果たしている。改革開放が始まった90年代で、当初は製造業の対内投資誘致ばかりだったことを考えると、相当画期的なこと。
でも、これが却って同社の上海戦略の迷走に繋がったことも事実だろう。
やはりトップランナーというのは、メリット・デメリットがありますから。。。

同社の場合、上海での事業展開は大手国有企業の百聨集団1社との合弁。
同社の迷走というのは、出資比率の変遷に表れる。
まず進出当初、ローソン70%、百聨集団30%という形で、ローソンが経営権を握る形でスタート。
まあ、ノウハウを有しているのはローソンですからね、妥当な出資比率かと。

その後、2003年に従業員のモチベーション向上や好立地条件の確保などを目的に出資比率がローソン49%、百聨集団51%に変更される。
推測するに、中国側の発言力が増してきたんでしょうね。
折りしも、日本経済が不況に喘いでいた時期でもあり、ローソンにとっても「渡りに舟」だったのかも。
「現地化」が叫ばれ始めた時期でもあり、ローソン側にも現地企業への淡い期待があったのかも知れない。

ただ、その後の事業展開は芳しいものとは言えず・・・

2011年9月、今度はローソン85%、百聨集団15%に変更され、ローソンが経営権を再び握ることになる。
こうした流れには当然ながら外的要因への対応等があるのだろうが、わずか15年の間にコロコロ出資比率が変更になるというのも珍しい。

もっとも、筆者は株主などのステークホルダーではないので、あくまで消費者の視点で「上海におけるローソン」を考察していきたい。

当地でのローソン、残念ながら近年は精彩を欠いていたと言わざるを得ない。
これが、国有企業主導の経営だったことが影響しているのかどうかは定かではないが、いずれにせよ国内勢と似たような店舗運営に成り下がっていたのは事実。

以下は既存店の店舗の状況だが・・・





お世辞にも明るく爽やかな店舗というイメージではない。
もっとも、この店舗、最近ファミリーマートがすぐ近くに出来たことで、改装されてキレイになりましたが・・・。

店内の品揃えをみても・・・



夜9時頃とは言え、パンなどは欠品の嵐@@@
これでは消費者の支持を得ることは難しかろう。

2011年8月にサーチナ総合研究所が実施した「コンビニエンスストア」に関するインターネット調査でも、「品揃えに関する満足度」の面で同社はセブンイレブン、ファミリーマートの後塵を拝す形となっており、現地系の喜士多にも肉薄される不本意な結果となっている。

出店攻勢の面でも、ファミリーマートの大躍進と比較すると、近年のペースはスローだったと言わざるを得ない。

ただ、再度出資比率を変更してまで経営権の取得に乗り出したのは、同社の並々ならぬ決意の表れとも言えそうだ。
実際、2011年後半頃から、同社の店内の様子は明らかに改善されている。
既存店の改装もよく目にするようになったし、新規開店も増えているように感じる。





最近の店舗は、ブルーというより水色に色彩を統一し、清潔感を全面に打ち出しているようだ。
また、店舗内の一角にカウンターを配置し、その場で食べられるコーナーを設置しているのも大きな特徴。こうした動きは他社にも見受けられ、今後の大きなトレンドとなっていきそうだ。

あわせて、従業員の態度も随分向上しており、社員教育の改善が寄与しているものと思われる。
ただ、既存店では依然としてサービスが良くない店が見受けられ、前店舗で一定のサービスレベルを確保していくことが今後の課題と言えそうだ。

同社は、今回の出資比率アップを契機に、商品開発力の強化、清潔感・接客態度の向上などを進め、2015年には現在店舗数の5倍に相当する1,500店を目指すとしている。

あわせて、これまで出店していなかった地域への出店ペースも加速させるとしており、既に大連や重慶などで新規店舗が開店している。下の画像は、大連での開店の様子。



新しい形で再スタートを切った中国のローソンに、今後も注意が必要だ。

次回は、ファミリーマートの事業展開を紹介したい。

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