<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

中国(上海)は広告天国?

2011-07-09 | 中国社会学
いま北京から大連に向かうため、飛行機を待っているところ。
が、、、やはり搭乗が遅れている。
さすがに北京-大連間の高速鉄道は開通していないので、待つしかないわけで。

予断はさておき、今回は中国の街中に溢れる広告事情を取り上げたい。
数年前あるいは十年以上前に中国を訪れたことがある方々にとって、中国は「古臭い国」というイメージが強いかも知れない。
こうしたなか、中国で最も商業的と言われる上海の街中を知ることは大きな意味があるだろう。

まず象徴的な広告をひとつ。



ビルのかなりの部分を広告で覆ってしまうダイナミックさが印象的。
ただ、いまだに上海万博の広告ってゆうのが気になるが・・・。

今度は地下鉄の通路。



階段一面を利用した広告があちらこちらに。
いったい広告費をいくら払っているのだろうか・・・?

下に降りても・・・





広告、広告、広告・・・のオンパレード。
うーん、共産主義って何なんだろう??
協賛主義の間違いだったりして(爆)

最近はTV画面を埋め込んだ形式が多くなってきた。
しかも、大きなものから小さなものまで・・・。





そうかと思えば、洗剤の広告で巨大見本を陳列しただけというシンプルなものも。



地下鉄のプラットフォームに降りても・・・



やはり柱一面が広告に大変身!
しかも、その数、数十本に及ぶから何ともまぁ・・・

こうした広告事情となっている要因を自分なりに考えてみた。
ひとつは、人口の多さに起因するマーケティングの難しさ。
日本ではTVや雑誌、ネットなどを有機的に結びつけながら効率よく広報を展開できるが、この国ではそれがままならない。
しかも、TV局が60以上もあって、高視聴率を確保するのも容易ではない。
勢い、狭いエリア、消費者に身近な場所での大胆な広告展開が重要視されることになる。

二つ目に考えられるのが、制作コストの安さ。
日本で壁一面のディスプレイを施すと相当なコストを覚悟する必要があるが、中国ではこの制作費が恐ろしく安い。
感覚的には5分の1~10分の1というところか。
しかも、TVなどの設備も質に拘らなければかなり安く抑えられる。

そして三つ目、国民の総体的特徴としての「大雑把さ」。
日本の場合、広告戦略において、実物と同じ質感や色目を極端に重要視する傾向にある。
これは正論ではあるが、拘りすぎるとコストばかり掛かることになる。
だが、日本の消費者が広告に求めている要素でもあるため、企業が軽視できないのも事実だ。
一方の中国はどうか・・・?
中国の人たちは、あまり細かい点に拘らない。
要は、見た目勝負、フィーリング重視、口コミ重視なのだ。
よって、企業側も安心して細部を無視して大胆な広告を打つことができる。
ちょっと極論かもしれないが・・・。

あと、中国には「大きいことはいいことだ、豪華なことはいいことだ」という文化が根強く存在する。
大きな広告を打てるということは、それだけ儲かっているということですから。
いやはや、合理的ってこういうことを言うんでしょうね。


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