<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

上海駐在員としての仕事

2011-12-06 | 日記
昨日から一時帰国。 
今週前半は日本で業務なので。

「日本に戻る」というと、日本で働いている人たちに「楽をするために帰る」と思われがちだが、これは大いなる誤解(少なくとも筆者にとっては)。
実際、日本での限られた時間の中で、次のステップに向けた打合せ等をたくさんの関係先とこなす必要があるので、正直なところ帰国したほうが忙しいんです。
特に今回は正味2日間しかないので、初日:6件、2日目:9件というハードスケジュール@@@
ほかにも立ち話から発生するような案件もありそうなので、協議先はもっと増えるかも。。。

世間一般の「駐在員」のイメージは「連絡調整役」といった感じかも知れないが、筆者はその役割も重要性も以前とは比較にならないほど高まっていると感じている。
日本の報道が「中国の真実」を伝えない中、その役割を果たすべきは現地で暮らし、現地で働く駐在員を置いて他にはないのだから。

では、実際のところ、日本から来た駐在員の現状はどうなのか?
ここでは、筆者からみた一般的な在上海駐在員の姿を紹介したい。

上海で日本人が多く住む地域と言えば、虹橋地区。
当地区には日本人向けの店が数多く立地し、極端な言い方をすれば全く中国語を話せない日本人でもほとんど不自由なく日常生活を送ることができる。
加えて、こうした状況もあって、やはり同地区に事務所を置く日系企業も多い。

住むところはと言えば、ほとんど日本人しか住んでいないマンション。

こうなってくると、どういうことが起こるか・・・?
上海に赴任してはいるものの、職場も家庭も食事処も日本語だらけ、そればかりか移動までもマンションが用意したマイクロバスやタクシーだったりすると、もはや中国社会と真に向き合う機会はほとんど無いと言っていい。

勿論、駐在員全てがこのような状況だと言っているワケではない。
筆者なんかよりも中国社会に溶け込んでいる駐在員はたくさんいるし、必死になって中国市場を攻略しようとしている果敢な日本人もいる。
したがって、ここではあくまで多数派を占める駐在員を対象に話を進めたい。

翻って、自分はどうなのか・・・。
ウチの場合、幸か不幸か、職場は市中心部にある人民広場の近く。
住居は虹橋地区と反対に位置する浦東地区。
最近、日本人が増えている同地区ではあるが、虹橋とは比較にならない。
筆者も職場、家庭では日本語ばかりの生活なので似たようなものかもしれないが、自分なりに大切にしているのは「中国社会を見つめようとする姿勢」。
だから、赴任当時、まだ定住地が決まってない時期には、広い上海を少しでも理解しようと2泊ごとにホテルを転々としたりもした。
これは、いまの自分にも大きな影響を与えている。
だって、上海は東西南北、いろんな地区でそれぞれ特徴がありますから。

2年目からはほとんど中国人しか住んでいないマンションに引っ越し、たびたび起こる住宅トラブルに頭を悩ませるも、それが逆に新鮮な体験だったりして。
こうしたマンションに住んでいると、毎月、光熱水費の請求書を受け取ることになる。そこで初めて、日本との違いを実感できたりするのだ。

例えば、水の問題。
上海の水道水を直接飲用することはないが、日本の水道水は飲むことができる。
でも、問題はコスト。
上海で標準世帯が1カ月に支払う水道料金は、およそ2,000円。
日本と比べると、4分の1、5分の1といった低料金なのだ。
こうなると、飲用できないということの捉え方も必然的に変わってくる。
「これだけしか水道料金を負担していないのだから、飲めないのもやむを得ないか・・・」と。
これは、自分が実体験すればすんなり理解できることだが、こうした経験がなければ、ただ単に「中国の水道水は汚くて最悪。日本は素晴らしい。」という結論に至ってしまうだろう。
電気代やガス代といったものも同様で、日本より随分安いと感じる。

これ以外にも例を挙げればキリがないが、筆者が言いたいのは「駐在員自身がこうした経験をしないことによって、派遣した企業も現地の需要に気付こうとできていないのでは・・・」ということ。
特にメーカーという立場は、「日常生活の不便さ」を感知するところから技術開発が始まるはずなので、これが出来ないと日本のお家芸である「生活を豊かにする技術」を生み出すことができなくなる。

更に言うと、数少ない駐在員の対応次第で、日本から来た出張者が描く「中国のイメージ」は大きく変貌してしまう。どの企業、団体でも中国出張というのは何度もあることではなく、その限られた時間で何を感じるかは駐在員の組むスケジュールや訪問先、果ては仕事の延長線上にある市内視察やグルメにも左右されるからだ。

筆者はこのようなことを考え、極力「誰が来ても、最初の気持ちを忘れずに、どの人に対しても同じように接しよう」と心がけている。駐在員にとっては見慣れた景色、食べなれた料理であっても、初めて中国を訪れた方々には新鮮な体験に他ならないのだから・・・。

自分自身、こうした皆さんとの出会いを通じて、日々充実した毎日を送ることができ、本当に幸せだと思っている。
こうした想いを少しでも多くに人たちを共有したい。
それが、このブログに込めた願いですね(ちょっとカッコつけすぎたかな・・・)。

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1 コメント

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意外な一面 (anego)
2011-12-06 01:34:29
初コメです^^

見た目は飄々としているのに、
けっこうブログでは違う一面を見せてますね~

それともご本人が書いているように
かっこつけてるのかしら?(笑)

またチョクチョク拝見させて頂きます。
日本業務頑張ってくださいね♥
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