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神戸市須磨区 旧室谷邸と須磨離宮公園内の「泉水」のモニュメント

2020年07月28日 05時25分13秒 | 昔こんなものがあった 平成編

本日は昭和10年(1935)に木材商の室谷藤七(むろたに とうしち)氏の自邸

として建築され、平成19年(2007)2月に解体され現在はマンションが建って

いる旧室谷邸を取り上げます。

 

旧室谷邸の基本情報

住所:神戸市須磨区離宮宮前町2丁目 所有者:室谷藤七

設計:W.M.ヴォーリズ 施工:竹中工務店

着工:昭和9年(1934) 竣工:昭和10年(1935)

 

これから紹介する写真は特記しない限り須磨離宮公園内に2010年4月に完成した

馬の水のみ場「泉の水」モニュメントの解説板からのものです。

撮影は2020年7月25日(土)

 

旧室谷邸の写真

 

上の写真は南側外観(大震災後1996)*3

 

上の写真は室谷邸の邸宅と庭園 

出典:須磨の近代史 明治・大正・昭和史話 2版 (2007) Page72

チューダーゴシックと呼ばれるイギリス中世期の様式 木造2階建(一部3階)

壁面に部材が露出させるハーフティンバーや急こう配の切妻屋根に特徴がある。

昭和12年(1937)に茶匠是足庵の設計され、数寄屋棟梁の平田雅哉によって、

母屋の西側にあった茶室(松風庵と命名)は現在、神戸女学院内、北東に移築。

昭和20年(1945)の神戸空襲による損害がなかったので終戦後、昭和21年(1946)

から昭和26年(1951)進駐軍に接収された。

平成7年(1995)の阪神淡路大震災では損壊があった。

平成19年(2007)2月に解体され現在はマンションが建っています。

 

上の写真は旧室谷邸 入り口付近

出典:須磨の近代史 明治・大正・昭和史話 2版 (2007) Page72

 

上の2枚の写真は泉水を中心に撮ったもの 2007年 *5

上の写真は東側外観(2005年)*1

上の写真は門屋内部(門側・1996年)*3

上の写真は門屋内/主や玄関(創建時1935年)*1

 

上の写真は 居間内部(創建時 1935年)*1

上の写真は食堂(隣室は居間) 創建時・1935年 *1

上の写真は南庭園(創建時・1935年)*1

上の写真は1階の平面図 *1

上の写真は2階平面図 *1

上の写真は現地解説板の全体遠景

室谷邸は昭和8(1933)年ヴォーリズ建築事務所(建築家W.M.VORIES/ウイリアム・

メレル・ヴォーリズ)の設計により翌年建てられた英国の伝統的様式のチューダー・

スタイルによる主屋(建築面積85坪・約280㎡)を中心とする邸宅であった。主屋は

鉄筋コンクリート造の地階をもつ木造であるが、外観の1階部は煉瓦造、2階部は

ハーフティンバー、急勾配のスレート屋根、化粧煉瓦積みの煙突を立ち上げていた。

外部の意匠では煉瓦塀に取り付く門屋の屋根が伸び主屋に接続し、渡り廊下風の

玄関ポーチの構成が目を惹いた。内部では楢材の木目を生かした繊細な表現が凝ら

された印象をうける意匠だった。ヴォーリズ建築事務所の設計になる同様式の住宅

に昭和7(1932)年の旧下村邸(現大丸ヴィラ・京都市に現存)が良く知られる。*2

 

写真の原出典:

 *1 ヴォーリズ建築事務所作品集・1908-1936 城南書院発行

 *2 兵庫県近代化遺産(建造物等)総合調査報告書 2006年刊

 *3 山形政昭氏より写真提供

 *4 中尾嘉孝氏より写真提供

 *5 橋本健治氏より写真提供

 

室谷邸が存在していた時代に撮られた写真が掲載されたサイトにリンク

 http://michiyo0520.blog20.fc2.com/blog-entry-552.html?sp

 http://sano567.my.coocan.jp/muroyatei/index.htm

 https://fkaidofudo.exblog.jp/7368421/

 https://blog.goo.ne.jp/hirohiro009/e/248ef1a8edde0639d919e4e1d2aec7dc

 https://trystero.exblog.jp/8878811/

 https://gipsymania.exblog.jp/4426825/

 

モニュメント 「泉水」について

 設置場所:須磨離宮公園東入り口付近

 設置:神戸市教育委員会事務局  竣工:平成22年(2010)3月

 モニュメント作成:遊空間工房(設計協力:意匠人設計房)

 協力:離宮前赤れんが不滅会/伊藤ハウジング・藤井工務店・絞郎美術工房

    四国工業・シンプロ/須磨ライオンズクラブ

 

上の写真はモニュメント「泉水」 撮影:2020-7-25

以下現地説明板の解説より引用。

室谷邸が存在したことの証しを保存継承するものとして保管されている一部の

解体撤去材の中から、表門の横にあって親しまれていた「泉水」の吐水部の石彫

「男の子の顔」を再活用してモニュメントとした。

室谷邸のイメージをよく伝える赤い化粧煉瓦(レンガ)は、残存していた車庫の

内壁部分から採取し転用しています。

 

上の2枚の写真は室谷邸モニュメント整備記念 植樹「セイヨウニンジンボク」

 離宮公園赤れんがの会 平成22年(2010)10月30日実施

室谷邸モニュメント「泉水」について整備された時期に書かれたサイトにリンク

 https://ameblo.jp/suma-hajime/entry-10518752141.html

旧室谷邸の現況

 

上の写真は旧室谷邸の跡地に建ったマンション(中央)の遠景

撮影:2020-7-11

 


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