フィギュアスケート世界選手権で金メダルを獲得した高橋選手の演技は何回見てもうっとりしちゃいます。
2位のパトリック・チャンも3位のブライアン・ジュベールもフリーの演技でジャンプミスしてたけど、高橋選手だけ大きなミスもなく、逆に余裕さえ感じられました。
何なんでしょうね?会場の空気に後押しされたような印象さえあります。
イタリアだったし、フェデリコ・フェリー二とニーノ・ロータの霊が降りてきたのかもしれません。
私が、映画「道(La Strada)」を観たのは、依然読んだ淀川長治さんのエッセイにこの映画のことが紹介してあったからでした。
淀川さんのエッセイといっても、淀川さんの講演記録を文に起こしたもので、
淀川さんのあの独特の、親しみやすい語り口調のまま記してあるので凄く読みやすかったです。
《・・・ジェルソミーナは馬鹿な女だから、カネで買われたから、はい、はいと言ったんだけど、じーっと海を見ていたの、この子は。
それから旅でザンパーノに使われている間、じーっと焚き火しては焚き火の火をじーっと見ていたの。
ジェルソミーナは水と火が好きだったの。これが原型、これを知ってると面白いの。
そして母なる女、女というもののほんとの固まり、オリジナルがジェルソミーナなの。
男の固まりがザンパーノ。
それが見事に出て、ザンパーノはカネで買ったこの女を使うだけ使って使うだけ使って、自分に女ができたら、この女は放り出して、女と一緒に寝ている間、ジェルソミーナはぼうっと外で指をくわえている。馬鹿な女だから。そして明るくまた一緒に旅をする。なんとも可愛そうな女。・・・・(中略)・・・みなさんジェルソミーナになったらだめよ。》
ジェルソミーナになったら駄目よって…淀川さんは言ってるけど、私なんかとっくにジェルソミーナじゃんと思いました。
切ない映画ですが、高橋くんのおかげで、この映画も再び陽の目を見ましたね…サヨナラサヨナラ。
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