上野で
「ボストン美術館展」が、ひらかれています。
(日本美術の至宝展→http://www.boston-nippon.jp/ )
出ているのは
たくさんの「水墨画」と「仏画」、
いくつかの「屏風」に
「小袖」「刀剣」などの 工芸品
&
「仏像と絵巻物」が少々です
(東京国立博物館)
2日は平日で 雨でしたが、
GW中でも 空いていました
チケット売り場も入り口も、
ならばずに入れたそうです。(チット談)
中は そこそこ・こんでましたが
並ぶのは、2ヶ所。
「吉備大臣入唐絵巻」のところと、「平治物語絵巻」のところです
きびのまきび(かんじ:吉備真備)のお話は、
ギャグっぽくておもしろいので
お客さんたちが、
つい・よみこんでしまいます
トータルで
1時間半あれば、
大体見ることできますが、
かくじつ(確実)に おさえときたい・必見は
・曽我蕭白シリーズ
・絵巻二種
のほか、
<長谷川等伯「竜虎図」>(狩野派の絵もあります)
<尾形光琳「松島図>
波が高くて、なにか不吉ですが、
さすが
「構図と色彩の男」こうりん(光琳)
それと
<快慶製作の(しかも発願)、弥勒菩薩像>
ではないでしょうか
とくに
トリをかざる「曽我蕭白」の「雲竜図」は
ドギモ・ぬかれます
「有名な絵師に天井画を描かせてる お寺あるけど
それよりずっと存在感ある竜だったね。
本当に、うずくまってる重量感なのよ。」
と
見てきたチットは言いました。
かおはかわいいけど、
なかなかすごいらしい
・・・・・
「若冲」や「蕭白」のファン、ずっとやってるチット
また
「和服」・「歌」・「平櫛田中」あいこう家として
・黒縮緬地桜楓模様のきもの、
・飯尾宗祇像の絵、
・岡倉天心像
の 3点には
くすぐられたようです
明治のはじめ、
せいふ(政府)は
「神道を国の宗教」と 決めました。
すると
「仏教」は
はくがい(迫害)を受けてしまいました
「廃仏毀釈、って言ってね、
全国で お寺や仏像が焼き討ちされたりしたんだよ。」
<当時、25円で売り払われた、奈良・興福寺の五重塔>
「明治日本は
西洋近代化を目指していたから、
日本の伝統美術に対する評価も低くなったし、
維新期の混乱と
大戦期の大混乱と
貧困華族の売り立てがあいついで
たくさんの美術品が
海外に流出してしまったんだよね。」
と
れきしにくわしいチットは 話します。
<幕末~明治の日本社会のようすがよくわかる、「逝きし世の面影」(渡辺京二著)>
おやとい外国人・モース
その知り合い・フェノロサと、ビゲローは
ピンチだった
ジャパニーズクールをあいし、
守りました
日本人の手もかりて
ボストンびじゅつかん(美術館)には
多くの名品が あつまりました。
「とは言っても
こと、仏教美術に関して言えば、流出数なんて
たかが知れてるよね。
日本には本当に、
まだ 目を見張るほどの美術品がある。
地震や
戦争や
国土開発で、つまらない町並みになったけど
文化財だけは何としても
守り抜いてほしいね。そのためにはやっぱり
政治体制の安定だよね。」
と
雨にぬれ、うつくしくたたずむ 上野のさくらを見ながら
かんがえたそうです。