goo blog サービス終了のお知らせ 

話の扉

一級建築士 野積基子所長のブログ

2019-06-20 17:40:53 | 今月の本
こんな本を読んでます。



この物語は半分ノンフィクション 半分フィクション
の構成に読めます。

登場人物は
松方 幸次郎(実名・実在)
日置 恒三郎(当時 松方の秘書 似た役割をした人物)
田代 雄一(美術家 物語人物)
吉田 茂 (実在 みんなが知る 元首相)

松方 幸次郎は元川崎造船 社長でした。
戦争により 大きな財を築き上げ
1916年ころから美術品のコレクションが
始まります。
コレクションも超1級品が多いです。



モネ 睡蓮
ロダン 考える人
ミレー あひるの子
ロセッテイ 愛の杯
マネ 自画像
ドガ マネとマネ婦人
ルノワール アルジェリア風のパリの女たち
   ・・・・・・・・
代表的なもので
全体としては数千点を購入したそです。

第2次世界大戦 敗戦となり
日本へ運ぶこともかなわず
フランスからは敗戦国なので
取り上げられることにもなります。

そんな中この4人の男たちがそれぞれの立場で
絵が日本へくることを願って悪銭苦闘する
物語です。

吉田首相のやり手の会話がなかなかの醍醐味があります。
1951年の日米講和条約の時に
フランス外相に変換交渉の思い扉を開けました。
当時日本には現在のような美術館がほとんど存在しませんでした。
(大原美術館のみ)
吉田はフランス側へ
「日本の国民にフランスの本物を絵画を
 ぜひ見せてやりたいので是非とも
 松方コレクションの返還をお願いしたい
 またそれを展示する美術館を建設したい」
と交渉したそうです。

文部省の事務方 や美術家などによる
実際の交渉は難攻きわめす。


そんな苦労して日本へきたのが
国立西洋美術館の松方コレクションです。

美術館の設計はフランスのコルビジュエです。(フランス政府指定)
そんな経緯で西洋美術館が完成します。1959年完成 開館


現在この美術展開催中
松方コレクション展
9月23日まで
 
  


こんな 本 読んでます。

2019-04-24 18:52:10 | 今月の本

 真ん中の本「ごんたくれ 」予想よりかなり面白いです。

江戸時代の絵師たち物語です。
円山応挙
与謝蕪村
池大雅
伊藤若冲
主人公の二人
長澤蘆雪と曽我蕭白以外は
実名で登場します。

同時代に活躍した絵師たちの
こんなことあったかも・・・・?

長澤蘆雪は円山応挙の弟子
師匠より発想がかなり自由な感じの絵です。
かなり独特な人生を送りました。
当時の絵師は現在の芸術家より
職人の意味合いが強い時代でした・

曽我蕭白はさらに特異 奇怪な存在と
絵を描きました。

先日展覧会が有り
江戸時代の息吹をこの小説でさらに身近に
感じます。

和歌山県の無量寺へ蘆雪の「虎図」を
観にいきたいです。
  
  

2017-04-12 17:37:20 | 今月の本
こんな本を読んでいます。



『ひこばえに咲く』 玉岡かおる

青森の実在の画家がモデルです。
常田 健(1910~2000)
リンゴ園を営みながらひたすら
黙々と描き続けた画家です。
描いて絵は全て手元に置いて
売ることが無かったそうです。

東北の台地に生きる農民や生活
反戦への思いなど・・・・
300点余りが残されています。

晩年に東京の画廊のオーナーが
偶然により見出されて
東京で個展を開き、
大きな話題となりました。

写真でしが絵を見ていませんが
とても迫力と画面構成 視点が
ユニークです。


本はかなり脚色されていますが、
イメージが伝わる内容になっています。

遺族らにより
『常田 健 土蔵アトリエ美術館』
小さな建物があります。
青森県五郷村(現在の南津軽郡浪岡町)

今年、青森まで行って実物を観たいです。
必ず行きます。!(^^♪


今月の本

2017-02-13 20:02:00 | 今月の本
今、この本を読んでいます。

宮尾登美子さん(故人)の『序の舞』です。
実在の人物がベースになっています。
日本画家の上村松園がモデルの小説です。
1875年生まれ

晩年、女性画家として始めて文化勲章を受けました。
美人画を得意としました。

明治のこの時代
男性優位の保守的 それも超が付く保守社会です。
20才前後でお嫁に行くのが常識だったので
女性画家としての修行の難しさが克明に描写されています。
同時代の有名画家が少し文字を変えて表現されています。


読み始めは現在の文庫本より
3割くらい文字が小さく
いつもの就寝前に読むには
結構エネルギーを要したのと
普通なら上下巻の2冊のところ
全1冊で厚い 重いので読みにくく
閉口しました。

おまけに舞台が京都で会話のすべてが
京都弁が文字化していて
途中前半でとん挫しそうになりました。

しかし読み進む内にだんだんと慣れて
好きな画家なのとノンフィクションに近く
当時の時代背景の表現が面白く
ここ数日は読みやすくなりました。(^◇^)

この原作で映画にもなったらしく
上村松園の女流画家を名取裕子さん?・・・
あまり評判がよろしないようです。