心理学オヤジの、アサでもヒルでもヨルダン日誌 (ヒマラヤ日誌、改め)

開発途上国で生きる人々や被災した人々に真に役立つ支援と愉快なエコライフに渾身投入と息抜きとを繰り返す独立開業心理士のメモ

この事件についての日本とネパールとの反応や価値の違いを通文化的に見ると

2012-06-12 19:00:53 | ネパールでの生活
来週に2年間の任期を終了して日本へ帰国するJOCV2人と我が家の手料理を口にしながら話し合った。
1年ほど前に会った時より、はるかに落ち着いていて、明るくなっていて、ネパールでいい経験をしたんだなと思った。相手へ役立ったかどうかは別にして。

そこでの話題;東電OL事件の被告であったゴビンダ・マイナリさんは、たぶん不当な15年の拘束の末、明日にでもネパールに帰国する、というニュースについて。

1.いくらもらえるんだろう(国家賠償)?

 ネット情報によれば、一日12500円で、7千万円程度になるらしいと。
この金額は、通常の生活をしているネパールでは驚きを越えている金額!超大金持ちになる!
交替勤務に入っている有資格看護師が月1万円の給与、国会議員が月7万円の現状。

2.売春をしていた彼が家庭に戻ることを妻は家族は普通に受け入れることができるのだろうか?

 ネパールでは、ツゥーロ・マンチェ(それなりの社会的経済的な地位にいる人)が複数の妻を持っていることには驚かないから、たぶん戻ればOKじゃない?
日本ではそうはいかないよね。

3.ネパールの人々は、事件の前提である不法滞在については何も言及しないんだね!
たとえば、ジギャン・タパさんの新聞社説情報 http://www.facebook.com/#!/NEPALIINJAPAN
「@thapa25: ネパールの有力紙カンティプールの社説。ゴビンダの事件で日本の​法制度、検察のあり方そのもののあり方を問われています。無実の​ゴビンダの釈放、帰国は嬉しいが、事件の真相究明で真犯人に辿り​着くこと、失った15年の賠償、司法制度の仕組みこそカイゼンを​と!苦言を呈した。」

 この国に住んでネパールに人々とこの土地の言葉で付き合ってきた日本人としては、絶対に自分の誤りを認めたり、責任を感じて自己批判はしない人たちだから、そうでしょうね・・・という感想。
 ヒンズーでは、お金持ちから貧者がお金を得ることは当然のことであって、誰も感謝の念など持たないし、元々はありがとうという言葉もない社会。
だから、お金持ちの日本に(非合法であっても)長くいて稼いでどこが悪いの?見つかったのは運が悪かった、程度だよ、きっと。

この事件は、日本ーネパールの間の文化・価値観の違いを明示してくれる。



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