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心理学オヤジの、アサでもヒルでもヨルダン日誌 (ヒマラヤ日誌、改め)

開発途上国で生きる人々や被災した人々に真に役立つ支援と愉快なエコライフに渾身投入と息抜きとを繰り返す独立開業心理士のメモ

小倉清子「ネパール王制解体ー国王と民衆の確執が生んだマオイスト」

2007-02-22 13:36:13 | 
小倉清子「ネパール王制解体ー国王と民衆の確執が生んだマオイスト」NHKブックス、今年1月30日に出たばかりの本です。

11年間におよび、昨年11月にようやく終結を見ている内戦について、
マオイストが生まれた背景・ネパール王政の歴史・そしてとりわけここ2年の王制に対する戦いなどについて、
実際に現地に取材し、資料に当たり、実証的な方法で書き上げています。
歴史部分については、メモをとりながら読まないと、理解は難しい位の情報量が溢れています・・・

そういえば、1990年の民主化運動についての本、「王国を揺るがした60日」亜紀書房ー英文版は Kathmandu spring, Himal books、ネパール語版もあるーも、インタビューを中心にすえた、資料を積み上げていく方法は特異でした・・・
「世界」2006年7月、岩波書店に、「ネパール「4月革命」」と題した著作もありました。

小倉さんのことは、まず、ブログで知りました。まだ前の任地、カリブの島にいた頃です。
到着前に激動のネパール情勢を、現場に取材して、生き生きと書かれている情報はほんとうに貴重でした。
それは、昨年4月からネパールに住むようになってからも同じで、特に、マオイストの拠点へ自身で訪れて、通訳を使わずネパール語を自身で駆使して集めた情報は、なんといっても確かさがあります。

最初に直接お見かけしたのは、昨年5月現地JICA事務所が主催する、ネパールの治安情勢についての講演のときでした。
そして今年1月、カトマンズのイミグレでぼくは留学生VISAを受け取るとき、小倉さんと偶然会い、話しました。
視覚障害者支援をしている知人の話を入り口に、ぼくはルクムへ行ってきたことなどを少し話し、「ネパール滞在VISAは、ジャーナリストVISAが取り易いよ」とか教えていただきました。
長身で、清楚なかたです・・・

これから、さらに、
ネパール・マオイストの政策など、彼らの社会作りの詳細な実際などについても、小倉さんの直接取材情報を知らせていただきたいし、取材情報にのっとりながらも、それをまとめた、読み物風の著作も期待したいと思っています・・・
そして小倉さん、お体はくれぐれもお大切に・・・

ネパールに関心あるすべての方々に、
そして近世から現代への王制の崩壊プロセスに関心あるすべての方に、
開発途上国の民主的な社会つくりに関心ある方々に、
この本を熱烈に!薦めます・・・!

アル・ゴア「不都合な真実」

2007-02-21 08:16:26 | 
アル・ゴア「不都合な真実」ランダムハウス講談社

この本の元になっている映画にも行ってきました。
地球の温暖化の実態を知ること、それへの可能な対策というテーマについて、元アメリカ副大統領が観客を前にスライド・トークを行うという形式のものでした。

・北極の氷は、この40年間に40%縮小しており、今後50~70年間で消滅し、水位は6m上昇する
・世界の人口は、キリストの頃に2.5億人、アメリカ建国の頃に10億人、第2次世界大戦の頃に20億人、2000年には65億人、2050年には91億人と予想されているという
・人口爆発は、食料や水、エネルギー、天然資源などの需要を急増させて、環境破壊や温暖化ガスを急増させている

予想が証拠とともに提出され、一方で政府や企業によるデータ改ざんが示されます。
そして、とりうる対策が紹介されます・・・

省エネとしては、
・省エネ型の電気製品
・家屋の断熱
・待機電力を減らす
・グリーン電力
・クルマの走行距離を減らす
・ハイブリッド車
・在宅勤務
・飛行機での移動を減らす
・長持ちするもの買う
・リサイクル
・堆肥
・肉の摂取量を減らす
・地場産のものを買う、など

それを推進するためには、
・気候変動についてさらに学ぶ
・他の人にも教える
・学校や会社での排出を減らす
・自分の投資が気候変動に与えるを考える
・政治的な行動
・環境団体の支援

ここでガンバらないと、地球も人類もダメになっていくのだろうなあ・・・




The Evidence-based Practice

2007-01-11 00:49:36 | 
Stout,C.E. & Hayes,R.A.2005,The Evidence Based Practice - methods,models,and tools for mental health professionals , Wiley

国際協力分野に入って以降、実証的心理学あるいは行動科学の方法の意味を再確認しています。

地域治療・重い精神疾患・精神薬治療・心理社会リハビリテーション・薬物依存・児童や思春期への対応、などの分野での、客観的な効果測定を視野に入れながらプロジェクトを進めるハウツウ本です。

再就職準備にも役立ちそうです・・・


Murai P. Regmi 1994, The Himalayan Mind

2007-01-09 17:31:54 | 
Murai P. Regmi 1994, The Himalayan Mind - A Nepalese Investigation, NIrala Publications, Jaipur , India

先の南アジア精神医学会議で知り合った、現在トリブバン大学心理学科教授の10年前の、ベルリン自由大学所属時代の著書です。
人格理論、組織行動、心理学研究法が、専門のようです。

セルフ・エスティームと、その通文化的な比較、ネパールでの心理学の歴史、学習プロセスなどのテーマについて、香港大学のDavid Watkins らなどと共同の、実証的な研究が内容です。

日本の研究では、福田1957、1959「児童の樹木画の発達研究」心研から、スコアリング方法が引用されています。
日本語による論文でも、英文による図表の説明や、英文要約って、生きるときがあるんだなあと、感慨を持ちました・・・

「国際NGOが世界を変えるー地球市民社会の黎明」

2006-12-27 16:06:15 | 
功刀達朗・毛利勝彦 編著2006「国際NGOが世界を変えるー地球市民社会の黎明」東信堂

前書と似て、NGOのリーダーたちが分担執筆しています。
ただ、国際基督教大学の「国際NGO論」「国際インターンシップ」などで講義した方々によります。
「国際NGOの最先端の動向、国境を越えて広がる政治空間としての地球市民社会のさまざまな課題を次世代に伝えるテキストブック」を意図していると言います。

ピースウィンズ・ジャパン
アムネスティ・インターナショナル日本
オルタモンド
オックスファム・ジャパン
国連人口基金東京事務所
ワールド・ビジョン・ジャパン
世界自然保護基金ジャパン
CSOネットワーク

大学がかかわった編集のせいか、理論的という印象です・・・
「活動事例のたんなる紹介ではなく、なぜ、どのように、NGOが地球的な課題に取り組んできたのか、取り組んで行くべきか」を述べようとしています。

NGOの歴史的変遷・脱国家市民社会・紛争下における人道支援・紛争後の復興支援・人権分野・国際金融・貧困と開発・人間開発と社会開発・地球環境分野・などが論じられています。

ジョイセフによるネパールでの保健プロジェクトの紹介がありました。P143.
カトマンズ盆地の無医村地域で、
政府の地域住民組織(CBO)支援政策の下、
現地のプロジェクト・コーディネーターを通して、まず4村のCBO設立申請をサポートし、
それが他の11村にも拡大し、
助産院や家庭保健センターの設立につながっていった、という報告です。

考察として、
住民たちが保健委員会を作っていたこと、
サービスを有料化して運営資金を蓄えていったこと、
などを挙げ、
「NGOの優位性は、革新的かつ住民のニーズに対応した事業を立ち上げ、住民とともに推進できる点にある」と言います。

プロジェクトにとって統制不能要因ですが、
マオ派の動きとの関係はどうであったのか、関心があります・・・

内容が多分野に渡り、また詳細なので、繰り返し再読が必要な本です・・・






「連続講義 国際協力NGO-市民社会に支えられるNGOへの構想」日本評論社

2006-12-27 15:26:07 | 
今田克司・原田勝弘 編著2004「連続講義 国際協力NGO-市民社会に支えられるNGOへの構想」日本評論社

CSOネットワーク
国際協力NGOセンター
シャプラニール=市民による海外協力の会
ジャパン・プラットホーム
ピースウィンズ・ジャパン
日本国際協力ボランティアセンター
国際環境NGO FoE Japan
「環境・持続社会」研究センター
ワールド・ビジョン・ジャパン
などの、リーダーたちが分担執筆しています。

NGOの現在、
地域開発・緊急人道支援・平和構築・アドボカシー・グローバル化・基盤強化などのNGOの課題と取り組み、
が内容です。

各団体が、重視してきたことがよく伝わってきます。

日本では20億円を越えて資金を集めているNGOは、日本フォスタープラン協会と、ワールド・ビジョン・ジャパンの2団体のみ、
一方、ケアUSA、ワールド・ビジョンUSA、オックスファムUK、セーブ・ザ・チルドレンUK、国境なき医師団Franceなど、
欧米には、500億円以上の規模のNGOはいくつもあるという事実・・・

実際ここネパールで、つきあいのある日本のNGOたちの年間予算は、百万円前後の規模のところが多く、現地駐在員をおかず、年に1~2回、手弁当で支援地域を訪れて、支援していくという形がほとんどです。

ぼくもかかわってきたカンボジアで活動する精神保健NGOは、難局が続いています・・・

しかし・・・市民レベルで、工夫しながら、社会作りを支援する活動には、大きな意味があると思っています。
何とか、がんばりたい・・・
それへシンパシーを持って、かかわる人が増えてほしい・・・

きょう午後は、シャプラニールの大橋さんが、JICA-NGOディスクの今月の学びの会で講演されます・・・
ガンバル他者の経験から学びたいと思っています。

丹野義彦2006 「認知行動アプローチと臨床心理学-イギリスに学んだこと」金剛出版

2006-12-26 22:38:41 | 
ひさびさに、お買い得、しっかりした本に出会うことができました。
内容豊富、文字は細かく、325ページ、4800円は安い・・・絶賛!

しかも、ぼくが29年前に過ごした、レイン派のマイナーな、
ロンドンの心理療法トレーニングの場も出てくるではありませんか・・・
たいした!調査力・・・!

日本人の有能な研究者・教育者って、本当にすごいと思います;
・認知行動療法から精神分析まで、
・アセスメント、
・異常心理学(あるいは精神病理学)、
・神経症圏から精神病圏にある主要な各症状とそれぞれへの心理治療的な介入とその成果、
・エビデンス・ベイスト臨床心理学の方法、
・資格、
・医療との関係、
・養成と訓練、
・イギリスで臨床心理学を専攻できる各大学の特徴、
・学会、
・カウンセリングなどなど・・・
1人でカバーする分野と言うには広すぎる分野を、「しっかりと」(某国の首相の口癖ですね・・・)質を保って、言及しているわけです・・・

ぼくが出会ってきた、欧米の研究者って、狭い分野を抽出して、そこでの成果を発表しているだけなんですヨ・・・
基礎分野とか関連分野とか近接分野とかをきっぱり切り捨てて・・・個人主義的に・・・

さて、著者には、昨年、衆議院議員会館のロビーで同席したことがあります。
心理職の国家資格化を議員に陳情するという、政治的な要請行動の中だったので、挨拶程度でしたが・・・
学究と行動の両立、そういう行動選択もすばらしいと思います・・・

共同研究・共同研修・共同翻訳でも、いつの日かできるといいと、勝手に思いました・・・

エビデンス・べイスト・アプローチは、
国際協力でも、愛とか、汗を流してガンバればいいという方法は一部に残っているだけで、今日では避けて通れなくなっている道です。
そういう意味では、心理臨床・行動科学の分野から最先端の検証の試みを見る想いがしました・・・

A People War, by nepalaya pvt.ltd.

2006-12-21 20:30:05 | 
A People Warは、ネパールで今週、出版されたばかりの写真集です。
1996年以来の内戦の印象的な場面を収めています。

2500ルピー(約3500円)と、ここでは平均的な労働者の月収の半分くらいの、たいへん高価な出版物です。

もしネパールの内戦に関心ある方がいらっしゃいましたら、必見です!

印象的だったのは、P204の、今年6月2日の20万人余であふれるラトナパルク(クラ・マンチ)での勝利集会かな・・・?


「ネパールガエルの冒険」ラト・バンガラ・キターバ発行 ネパール

2006-12-15 02:52:08 | 
カナック・マニ・ディクシット著 スバス・ライ絵 きむらひろこ訳 小倉清子編集の、ネパールはキルティプール(パタン)にある学校の出版部から2002年に発行された図書です。

カエルのバクタプラサッド・ビャクトが、空き缶で川を下ったり、ポーターやヤクの背に乗って、カトマンドウからチトワン・ポカラ・カクベニ・ムクティナート・ロー・ドルポなどへと旅行する話です。
動物と自然などの挿絵が、ほのぼのとします・・・

ネパールの子どもたちが、自分の国や社会について知ることを目的にした本だといいます。

これまでに、オランダ語・ドイツ語・ネパール語・ネパール語の点字・ネワール語・ウルドウー語・マイティリ語にすでに翻訳され、日本語・インドの11言語・リンブー語・フランス語へと進んでいるのだそうです。


「ビレッジから学ぶリカバリーへの道ー精神の病から立ち直ることを支援する」金剛出版2005と、もう1冊

2006-12-14 19:05:23 | 
今週はネパール語の試験中でしたが、実は、日本とアメリカから届きはじめた本にも目がいってしまっていました・・・

前者は、ロサンゼルスの民間非営利団体の活動モデルの提示、と言っていいでしょう。
リカバリーの段階を、希望・エンパワメント・自己責任・生活のなかの有意義な役割とまとめています。
印象として、
愛に満ちている、
揺るがない信念は大切、
他者を援助するときに精神病者に限らず重要な視線、
実証的な根拠も知りたい・・・などがあります。

一方、後者は、「A study of the effect of an integrated continuum of intensive crisis intervention services(ICICIS), including Assertive Community Treatment(ACT), on civil communities in North Central West Virginia」Williams,R.D.2005 Proquest companyです。
アメリカ東海岸中央部の西バージニア州を舞台に、実証的に、地域ケアの効果測定を試みた論文です。
裁判所決定の強制入院数と、強制入院日数とを指標として、
ACTに参加1年後と、ACT参加前との比較をし、有意差を検証しています。

定松栄一2002「開発援助か社会運動かー現場から問い直すNGOの存在意義」コモンズ

2006-11-01 12:36:00 | 
読みたかった本でした。
著者の定松さんは、現在は国際NGOのネパール駐在員で、今もカトマンズにいらっしゃいます。
食事会などで、何度か一緒になり、実直な語り口の、お人柄にも引かれていました。
ネパールのJICA-NGOディスクの貸し出し図書棚から、入手できました。

彼の、仕事として選んだ国際協力について、日赤ーシャプラニール・ネパールでの2002年までの18年間の歩みが、私情も隠さず、オープンに綴られています。

彼がていねいに時間をかけて調査をし、支援対象に選んだ、
現代ネパール南部の農業ドレイ(!)であるカマイヤと、
現地NGOとの、
住民グループ作り・識字学級・小規模融資・生活改善などを内容とする
「開発プロジェクトとしてのかかわり」が、
まったく関わってこなかった、「社会運動としての土地獲得運動」に収束していった経過が述べられています。

そして、開発NGOの「住民との関係のあり方」を問い、
ほんとうの「住民主体の開発のあり方」を問いかけています。

政治的な改革の時期を通過中のネパールでは、
支援もそれと無縁には存在できない苦悩が伝わってきます・・・


今野由梨、2004、「ベンチャーに生きるー私のチャレンジ半生記」日本経済新聞社

2006-10-22 13:13:37 | 
この本は、ベンチャー企業社長の苦労成功物語です。

この171ページから181ページに、このK氏の日本留学物語があるのです。
ガイドとツーリストとしてであった著者が、K氏の留学を実現させたのでした。

タイトル「ネパールの青年の親代わりに」
小見出しは
・就学のチャンスさえない子供たち
・走れ、クリシュナ
・クリシュナの恩返し

***********

どのような支援が生きるのかという問題も、やはり人が中心なのかなーというのが、プロジェクト地の村から帰った、ぼくの改めての感慨です。
国際協力は、科学化できないのだろうか・・・

     

カルナリ協力会にかかわる人の本

2006-09-22 14:32:18 | 
清沢洋(きよさわふかし)著 1998
「夢への旅路 ボランティア 高校生がネパールに学校を建てた」
白順社

高校教師時代の清沢事務局長の軌跡です。
事実の経過と、そこでの著者の想いがつづられていて、深い・・・

奥様の前田廣子 1998
「女房の本音とネパール旅行ーもうひとつのフェミニズム」
白順社

発行部数はこちらのほうが多いとか・・・

最新物がありますが、追って紹介します・・・

定番の旅行本のなかのネパール

2006-08-28 23:16:53 | 
蔵前仁一1999「旅で眠りたい」新潮文庫

1989年に東京を出発し、1990年11月イスタンブールまでの夫婦の、安宿バックパック旅行記。
インド・カルカッタから陸路をビールガンジで越えて、カトマンズへ入り、
「旅行性疲労」からの発熱や下痢を癒して5週間滞在し、ポカラからアンナプルナ・ベースキャンプへのトレッキングを通常の2倍の2週間かけてしています。

特徴的な記述;
「体調を回復させる以外のことはほとんど何もやっていない・・・
ただ、退屈だったということもない。
カトマンズを離れるのがイヤだったことをはっきり覚えている。
ビザが切れるので仕方なく出発したのだ。
ここでは時間の流れも緩慢で、やらなければならないこともなく、ただ、そこにいさえすればよかった。」

沢木耕太郎1994「深夜特急3 インド・ネパール」新潮文庫
著者26才、デリーからロンドンまでのユーラシア漂流2万キロのなかで、ネパールに入っています。
やはりインドからビルガンジ経由の陸路で、雨季に11時間半をかけて、首都に到達しました。
水牛ステーキ、人の優しい物腰、協力隊員、ガンジャなどとの日々を送っています。

特徴的な記述;
「何年も旅を続けたあげく、インドのビザを切らしてしまい、いったんネパールに出国してビザを取り直すとともに、カトマンズで鋭気を養う」
「カトマンズがとりわけ僕たち日本人に安らぎを与えてくれるのは、街を行く人々の顔立が日本人よく似ているからです。」

やはり・・・リラックスさせる国=ネパールのようです。

林克之1989「村に灯がついたーヒマラヤ・チョモロン村に電気をつけた日本人の記録」山と渓谷社

2006-08-28 12:33:11 | 
前にも、読んだ記憶があります。
自分が国際協力に関わるようになって、こんどは、少しは違った読みができたように思います。

33才から10年間、通い続けて、水力発電を素人が建設した記録です。
自分の生活は、年半年の諏訪でのタクシー運転手で稼ぎ、なけなしの給料を持って行って、残りの半年をチョモロン村で過ごすという生活が背景です。

人に頼らず自力で、
迷いながらも・・・営利を求めず、
進めていく、わかりやすさがあります。
村人による、維持委員会を作るのも、協力の方法論として的を得ています。

ただこの本の裏表紙と巻末に、林さん自筆の1996年10月の書き込みがありました(現地のゲストハウスの図書ならでは・・・!)
「KMTHC(?)より、林が村人に直接逢ったら処分する、とのレターが出ましたのでやめました。中国南部で村を考慮中です。」

それは、プロローグ部分に、丹部節雄さんが
「林君とチョモロン村の人びととの間は、まさに蜜月状態だ・・・
しかしその作業が、さらに上部の、マチャプチャレのベースキャンプに移るにつれて、
カトマンズのアンナプルナ地区自然保護計画本部の一部の人びとと・・・すきま風が吹き始めた・・・」
と書いていることが根拠なのでしょうか?

ポカラからなら2日ほどで今は入れるので、近い将来に現場を、見て来ようと思っています・・・

それと・・・彼が紹介している、
ネパール保健協力の先駆者、岩村昇の言葉は印象的・・・
「ヒマラヤのため、村人のために奉仕活動を始めても、1年か2年で挫折してしまう。
自分の喜びで働かなければ続くものではない。」

そして、林克之は、重い荷を背負い、山道を汗だくになって歩みながら、自問する・・・
「自分が一生懸命に打ち込めるものに出会え、楽しいからやっているんだ・・・
自分にとって価値ある人生、意義ある生涯のためのステップなのだ。」

ぼくは、
個人次元では、自分の想いを重ねて深く納得しながら、それに加えて、
社会的行為としては、過去に積み上げられた、失敗と成功の国際的な支援協力の方法論(その分野の専門知識は当然として、その社会での持続可能性の細かな吟味、参加型の進め方、費用対効果など)の学習と、継続的な点検が必須だ・・・と思いました。
さもないと、
個人次元だけの動機付けによる、途上国での協力行為は「相手に瞬時のユメを見させるだけの、自己満足だ」という批判と向き合うしかなくなるのではないか・・・
と思えるのです。

異文化状況・異なる社会システム下で行われる国際協力は、
専門的な学習や研究が必須な分野であり、
ボランティアとなって、日本での技術を提供したら、誰でもが効果的な結果が出せるというものではない、
という認識が必要と考えています。