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心理学オヤジの、アサでもヒルでもヨルダン日誌 (ヒマラヤ日誌、改め)

開発途上国で生きる人々や被災した人々に真に役立つ支援と愉快なエコライフに渾身投入と息抜きとを繰り返す独立開業心理士のメモ

あなたの人生に「奇跡のリンゴ」をつくる本、木村秋則、小学館

2011-12-22 09:40:40 | 
木村秋則、2010、あなたの人生に「奇跡のリンゴ」をつくる本、小学館

11月中旬に種まきをした2つの野菜。
「ベビーサラダミックス」のほうは順調で、何度か収穫して、その緑が気持ちを和ませてくれ、もちろん食事にバリエーションも添えてくれていて、大成功。

ところが「赤丸はつか大根」は、葉っぱは元気に伸びているけど、根っこはダイコン状にならずに細いまま・・・
この失敗の理由はなんだろうと読んでみたのがこの本。

農薬や肥料を使わずにおいしいリンゴを作るのに数年かけて成功した青森の農家のおじさんが、ベランダ栽培を志す人向けに(小学館がまとめて)書いた本です。

「人間の手と目を農薬や肥料の代わりに使いながら、土中の微生物や雑草などの自然の生態系の力を生かして作物を栽培するのが、私の考える自然栽培です。」P.26

明らかに水やりの多さが失敗の理由だったようです。
はつか大根は、原種に近い作物で、エジプト時代や万葉集の頃にも知られていたんだって。
乾燥地域であるコーカサスなどの原産地の気候を踏まえて、水やりは、霧吹き!でする程度なんだから。

全部抜いてサラダとしていただいてから、やり直してみます・・・

White Water Nepal, Third edition

2011-12-10 07:10:47 | 
Peter Knowles & Darren Clarkson-King, 2011, White Water Nepal-A Rivers Guidebook for Kayakers and Rafters-, The third edition, Rivers Publishing, UK, Himalayan Map House, Nepal

ネパールでの河下り、ラフティングとカヤックについての唯一の専門書。
1992年に初版、1999年に2版していて、長く絶版状態だったものが新版で登場!

ぼくは1700ルピー(ほぼ1700円)でタメルの地図屋で入手。
古本屋に頼んで探してもらっても、手に入らなかったんだよね・・・
釣りのポイント探しがぼくももっぱらの使用目的だけど。

中央ネパールでは、TrisuriとUpper Kali Gandaki、そしてSeti。
東ネパールでは、Sun KosiとGhote Kosi、そしてTamur。
西ネパールでは、Lower KarnaliとBheri、などにについて支流を含めて詳述されている。
道路の延長やダムの建設予定など、情報収集もさすが。



宮地尚子2011「震災トラウマと復興ストレス」岩波

2011-09-03 08:31:11 | 
宮地尚子2011「震災トラウマと復興ストレス」岩波ブックレット

この8月10日に出たばかり。
ブックレットだから、60ページだし、価格も500円+税とお手頃。
災害時にだけでてくる人ではない、数少ないトラウマ研究者が著者。
用語解説がコンパクトになされている。

ただ「環状島」という著者オリジナルの比喩、ぼくにはわかりにくいかな。

多紀保彦 「魚が語る地球の歴史」

2011-07-06 08:18:24 | 
多紀保彦1993「魚が語る地球の歴史」技報堂出版

執筆時の筆者は、東京水産大学で魚類地理学の教授。1931年生まれ。
著書多数、現在は法人の代表などを務めているらしい。

読んでいると、岩波新書を読んで、獲得した新しい知識が世界の新しい認知の枠組みを創っていくことに感動していた高校生のころを連想した。そういう感じの本。

どのような経路で移動分散していったか、プレートテクニクスによる地史の解明、遺伝子レベルでの生物の系統類縁、分布と古地理、などという興味深い分野。
それを、海を渡れない淡水魚を切り口に語っていく。

「中新世は気候温暖な時代。今よりも南方的色彩が強かった東アジアの淡水魚類相と、その一部であった西日本の魚類相。」
「西日本が大陸と連結した陸地として存在していたのに対し、北東日本が海中に没していたことが多かった」
「コイ類にまとめられるコイとフナの5亜種は、ユーラシアの北半分に分布していて南・東南アジアにはいない」
「日本のナマズは淡水産、海産を合わせて11種。世界には2000種ものナマズ目魚類」

知的に引き込まれる、たのしい本だ。

西ネパール・バルディアの、あのサハールは北のものだったんだ・・・

震災本4冊;「大震災のなかで」「詩ノ黙礼」「詩の礫」「詩の邂逅」

2011-07-05 10:28:17 | 
4冊の震災関係本;

著者から本を送っていただいた。
岩波新書「大震災のなかで-私たちは何をすべきか」
6月21日の発行だ。
「震災の意味、復興を語る」33人の共著で、内橋克人 編。

北上へ行く新幹線の中で時間つぶしに読んだ雑誌アエラの記事で知った、福島の高校国語教師である詩人和合亮一の3冊が届いた。
「詩ノ黙礼」新潮社、2011年6月15日。4月10日から書き始めたという詩集。
「詩の礫」徳間書店、2011年6月30日。5日目から書き始めたというツイッターの呟き(著者によれば「詩の欠片」)集。
「「詩の邂逅」朝日新聞出版、2011年6月30日。詩と対話。

++++++++++
(「黙礼」よりの一部)
「黙礼する。
私は何をしたいのか。
鎮めたい。何を?
たくさんの失われた魂。悲しみ、絶望。
・・・・・」

(「礫」より、震災5日目の避難所で)
「翌朝5時に、水をもらうために並んだ。すでに長蛇の列だった。1時間ぐらい経って、みぞれが降ってきた。男の子がお父さんに笑い顔で言った。お父さんより、ぼくのほうが先だったね、起きたの。その可愛らしい顔を見て、私は思った。おばあちゃん、水、大丈夫かな。」

(「邂逅」より一部)
「生徒の赤い目を見てしまったら
言葉の前に涙が出てしまったのだ
・・・・・・・・・・・」
+++++++++++++

大きな悲しみや喪失、また新しい”希望”を表現するには詩が似合っていると思う。

「災害ユートピア-なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか」亜紀書房

2011-06-30 01:28:23 | 
レベッカ・ソルニット著 高月園子訳 2010「災害ユートピア-なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか」亜紀書房

「不幸のどん底にありながら、人は困っている人に手を差し伸べる」現象について、1989年のサンフランシスコ地震、1917年のカナダ・ハリファックスでの大爆発、1940年のロンドン大空襲、1985年のメキシコ大地震、2001年のいわゆる9.11、2005年のハリケーンカトリーナ、などで起こった事実、報道されたこと、流れた噂、などを克明に挙げている本。

ぼくには、災害後にアメリカでもカナダでもイギリスでもメキシコでも、人類に共通?した愛他行動があると確認されたことが発見。
今回の東日本大地震でも、日本人特有!みたいな愛国的な表現が気になっていた。

ではなぜ、その「楽園」が日常に生かされることはないのだろうか・・・?
そう思う。

Rebecca Solnit, 2009, A Paradise Built in Hell – the extraordinary communities that arise in Disaster, が原著。


ぼくの推薦文 「ハインツ・コフート その生涯と自己心理学」

2011-06-29 08:01:16 | 
推薦文を求められたので、次のような小文を送った。

++++++++++++

神戸甲南大シンポの指定討論者としてお会いしたC.B.Strozer氏は、銀色の長髪を靡かせる長身の、人なつっこく話す方だった。彼が19年費やして、重厚に資料を積み上げてコフートの生涯だけでなく、自己心理学の展開を理論の背景となる事例の検討を含めて継時的に紹介したのが本書である。精神分析学の前に歴史学を学んだという彼の手法が生きているのかもしれない。
私は今、陸前高田市こころのケアチームで震災被害者にかかわって3か月、多数の深いトラウマを持つ人々への支援に、コフートが重視した「共感」や、「自己対象」になる支えなどの有効性を確認している。
翻訳者たちが苦心されたのであろう、訳文は見事な日本語になっている。
本書は、読者のコフート理解を一層、深めることと確信する。

+++++++++++

「ハインツ・コフート その生涯と自己心理学」CBストロジャー著 羽下大信 他訳

2011-06-14 14:50:19 | 
C.B.ストロジャー著
羽下大信・富樫公一・富樫真子 訳
「ハインツーコフート その生涯と自己心理学」
金剛出版
8500円

Charles B. Strozier, 2001,
Heinz Kohut - The making of a Psychoanalyst,
Farrar, Straus and Giroux

実は20日発行なので、本屋にもアマゾンにもまだ出ていない・・・
が、12日のシンポの時に著者割引で入手。

甲南大シンポでのストロジャーの発言は、ジャーナリスティックな話題を無理やりフロイト心理学側からやアメリカ価値観の多数派から、あるいはキリスト教主義などから語っているようで、アジアを視野に入れていないし、ぼくには結構アバウトと思えた!
初著は、リンカーンの伝記だという原著者は、歴史学で学位をえたのち、シカゴで精神分析家になったというが、現在は歴史学の教授とトレーニングアナリストの2足のわらじのよう。

が、この本では違う。
19年の年月をかけて資料を集め、関係者と会い、きわめて資料主義・実証主義的な記述方法を取っている。
用語についてもフロイトはじめ関係者への論述が、繰り返し繰り返し行われて、単に伝記と思うと大違い!

573ページの大著。
著者も大変だっただろうが、翻訳者の労苦は想いに余りある・・・
こうして出来上がって、さぞかしの達成感があることだろう。

たぶん、次の旅には持って行って・・・夜な夜なページを捲って、ウイーンやアメリカの風土に入ってみたいと思っている。

武石憲貴2009「世界怪魚釣行記」 and 小塚拓矢2010「怪物狩り]

2010-11-16 11:43:05 | 
武石憲貴2009「世界怪魚釣行記」扶桑社
小塚拓矢2010「怪物狩り-世界旅的個人釣行ビジュアルガイドBOOK」地球丸

前書は、1973年生まれの青年が1999年にインドへ旅立って以降,アジア、南米、アフリカ、オセアニアの26カ国を1386日、怪魚を求めて放浪した記録。
 素直な文体は読者を引き込む。著者は現在、モンゴルで釣りガイドをしているとある。そういう生き方もあるんだなあ、と思った。


後者は、8月に出たばかりの単行本。1985年生まれの未成年がまずはタイを手始めに2004年からパプア・ニューギニア、東アフリカ、モンゴル、ネパール、アマゾン、コンゴ民主共和国などをバイトして稼いで釣り歩いた、現役大学院生の記録。
ルアー釣り雑誌に連載を持っているとあるように、またガイドとうたっている様に細かな現地と釣りの情報があるし、また「地球丸」の編集が写真や体験記部分、釣り情報などと区分けされていて飽きさせない工夫がある。
オーパ・オーパの開高健などよく読みこんでいるし、前書の著者を「旅の師匠」と呼びパプア・ニューギニアの釣りには誘って同行しているようで、独善的ではなくて経験の継承があるのは読んでいて気持ちがいい。開高には、釣り腕(!)について皮肉っているほど。

そこで、ぼくの求めるタックルや釣り時期などの情報は後者に満載なので、そこから要点を抜き出してみると;

+++++++++++++
1. 対象魚が20Kgまでなら、ミディアムヘビーのベイト・ロッドと、ライトのスピニング・ロッドに、PE8号(100ポンド)ラインでほぼ遊べる。
2. 最低限のルアーは、スプーンはダイワ・チヌーク17g、ミノーはマリア・ザ・ファーストの13cm。
3. フックは、GT用カルティバSTシリーズの56から66.
4. リールは、シマノのスピードマスター201とカルカッタ・コンクエスト200、あるいはABUのアンバサダー6500.
5. 怪魚狙いのロッドは、7フィート前後、レギュラーテーパー、カーボン、根元のティップを太い(くした)もの。航空機への持込を考えると仕舞い寸法は2m以下。ロッドケースは塩化ビニール管で自作。
6. 小物は、100ポンド平打ちのスプリットリング、ウォーターランドのスーパースナップ#4.
 +++++++++++++

 国外へ出るということが、若者にとってちょっとバイトで努力すれば可能になった時代、国内にいるよりもある意味で安価に過ごせるという事実、こうした時代背景がある。
そのせいで、この2人の本には、高価なボートチャーターが必要な海釣りは含んでいないけどね。
 それと、開発途上国で生きる人々の生活実態に肉薄しているのに、一切の社会的、政治的な視点が語られていないのはどうだろう・・・?

旅に携行するものについての考え方や実践、人々との出会いで感じることなど、文中の思考経路やそのまとめ方については(めづらしく)賛同するので、この個人にも関心あり。どうでもいいけど、富山・福岡などという記載を見ると高校は同窓かも?
 
 開発途上国と、釣りの一点で出会っていくこの二人はすばらしい!
 自我関与するところで出会っていく他人との関係は集中しているせいか、純粋で感動できる。
 この二人はバイトなど遠征資金を稼ぎいで実現させているところも特記できる。
そのうちに編集方針のための釣行や、スポンサーのための釣行、つまりお金を得るために自分を殺して行う釣行を自分がやりたかったなどと欺瞞するようにならないことを祈りたい・・・これは仕事にも言えることだけど。・・・本当にやりたいことって?!


石川優美子2003「わたしも世界にフィッシュオン」

2010-11-06 08:21:29 | 
石川優美子2003「わたしも世界にフィッシュオン-海外での釣りが人生観を180度変えた。」つり人社

文体が口語調で、慣れるのに一苦労。
パートタイムの釣り雑誌記者らしい。
だから、自身が行きたいところへ出かけて釣りをするというより、誘われてとか、大会の取材で、などという紀行が中心。

釣り情報は次;
・ フロリダのキシミー湖、スワニー川などでの、バスを、スピナーベイトやフェザージグ、ミノー、ブッシュワーカーなどのルアーで。
・    フロリダのエバーグレイス国立公園軒水域で、スヌークやレディフィッシュを、ロングAで。       
・ フロリダのボカグランデ(海)での、コピア(和名はスギ)とトリプルテール(和名はマツダイ)。
・ ベネズエラのロス・ロケス諸島での、ボーンフィッシュを、1/8オンスのフェザージグで、6.2フィートのスピニングロッドを使い、ソルトウオーター8ポンドラインで。
・ ベネズエラのベンチュリ河で、ピーコックバスをポロップベイトで、パヤーラをロングAで。
・ フィージーで、GT(グレイトトレバリー、ロウニンアジ)。
・ メキシコのエルサルト湖とウィッテス湖で、フロリダバスを、3/4オンスのイッククランクとスピッティンイメージで。
・ メキシコの海(マサトラン沖)で、ジャックを、ポッパーで。



浜野安宏2004「世界秘境リゾートで巨大魚を釣る」世界文化社

2010-11-05 20:12:24 | 
浜野安宏2004「世界秘境リゾートで巨大魚を釣る」世界文化社

フロリダでのGT(ヒラアジ)とターポン、
アイスランドでのアトランティック・サーモン、
パタゴニアでのブラウン・トラウト、
シベリアでのサクラマス、
バンクーバーでのキングサーモン、
カナダ・ヤコーン河でのスティールヘッド、
ベネズエラでのアイマラ、
ニュージーランドでのブラウン、
アマゾン・メシアナ島でのピラルクー、
アマゾン・シングー河でのツクナレ、
そしてイエローストーンでのカットスロート釣りの話。

アイマラとツクナレがルアー釣りで、それ以外はフライ。
と言ってもダブルハンドロッド、13フィート前後を使う豪快な仕様が中心。
タックルや釣り場への行き方、そして適切な季節などの詳細な説明は釣師に必須な情報であり、とても参考になる。

ただ、先行する世界の釣り読み物には、開高健の「オーパ」などがあるけど、読み物としては比較にならないと言うと失礼、相手は文筆家だし・・・
感動はないし、苦心は感じられないし、文字と行間にあふれるプライドの高さが鼻にツク。

著者は、1970年代には政治とは違う側面で、若者相手に行動し発言する旗手の一人だった。
今も「都市建築ライフスタイル・プロデューサー」と名乗り、国内外で活躍しているらしい。
そしてもう一つの活躍が大物釣りという世界のようだ。
自信の塊というか・・・(心理稼業としては現れない影の部分も気になるけど)

こういう本を読むと、ぼくはこのような大物釣りをしたかったわけじゃないと気づく。
かつて上のうちの5ヶ所は行ってるし、コスタリカではターポン100Kgを上げたけどね・・・

手配付き、カメラマン同伴・・・ちょっと違うなあと思う。
「水深計、衛星電話、GPS・・・便利だが冒険を日常に変える」(p。121)という一節は、その違いがわかりやすい。

知らないところへの自分自身が手作りで企画する旅の途上で、プラスアルファとして釣りを楽しみたいのかな、ぼくは。
気取ってフライ、アクティブにルアー、日本だけにあるサビキや吸い込みも、工夫された撒餌も使うし、そしてその場所場所で手ごろなエサを使った釣り・・・どれも楽しい。
小物もいいし、ターポンもいい・・・
使用する釣具は移動する旅だから、少なければ少ないほどいいわけで(アレで少ないのか、の声は自覚!?いろいろなケースを想定するとついつい増えてしまう・・・)、そのなかで工夫して釣りたい。

ところで、タイトルの「秘境リゾート」って、矛盾してない・・・?
どっちなんだよ・・・って、決まってるか!


根深誠「ヒマラヤを釣る」/小林龍彦「人生を激変させた“神の魚・サハール”」

2010-10-26 19:46:44 | 
ぼくは温泉と釣りには努力を惜しまない・・・みたいだ。
ここでは釣りの話、それもネパールに限って。

今までは、
・ミヤグディ・タトパニ温泉横のカリ・ガンダキ河で。
・ジュムラ・ディリチョール村のチョーダビセ河で。
これらは氷河からほど近い清流で、サカナはアサラだ。
ウグイに似た格好で、口が底面についている。
どちらでも村人たちは針を使わず、釣り糸で直系5cmほどの輪を作り、そこへサカナが引っかかるように仕掛けて漁をしていた(パソという)。

・カトマンズ盆地ではラリトプール・プルチョーキ山ろくの村の貯水池でナマズ。なじみのゲストハウスの主人と。
・タライのルンビニの養殖池でナマズ。現地NGOをヘルプ(?)したお返しの接待として。
・ポカラのペワ湖では努力を重ねて重ねてようやくナマズ1匹だったかな。
・べグナス湖では、あたりにも出会えなかった・・・

+++++++++++
さてネパールの釣り本には次の2冊がある。(他にもあったら教えてください)
根深誠1989「ヒマラヤを釣る」山と渓谷社
小林龍彦2001「ネパール釣り紀行 人生を激変させた“神の魚・サハール”」つり人社

前者は20年以上も経ってしまっている。
いささか古くなってしまった情報・・・
それに、パキスタンとインドも含まれていて、じつはネパールの分量は1/3に満たないし、
パキでは温泉もあるところで釣れているけど、なによりネパールでは釣れていない・・・

後者は、10年ちょっと前の情報だ。
ポカラのべグナス湖と、バルディア国立公園近くでのサハール釣りへの挑戦記。
「トラやサイやゾウの足跡に怯えながらジャングルを横切り」ワニを追い散らしながら釣果を上げている。
魚の種類や釣りの準備についても詳細に述べているところがありがたい。

ロフー、ボラ、そしてサハール・・・釣ってみたい!

タックルは超大型仕掛け!
30ポンドテストライン180mを巻いたリール。
20ポンドテストライン150mを巻いたリール。
フローティングとシンキングのプラグ、13~15cmくらい。
スプーン、24グラムくらい。
エサ釣り用の針はクエ針、糸は50号・・・
大型吸い込み仕掛けと練りエサ。

++++++++++++++++

11月下旬からネパールへ2ヶ月ほど出かけて、バルディアでの釣りにも行くつもり。
それで上を参考に次のようなフィッシングタックルを持参することに、ちょっと本気!?

ぼくは1m超のサハールだけの狙いではないので、そこまでの大型仕掛けは要らないとしても、
10ポンドラインと20ポンドラインのリールは必要。
大き目のルアー各種10くらい。
吸い込み仕掛けと練りエサ。
石鯛針とハリス。
ロッドに悩むところ・・・荷物になるのはナア・・・

+++++++++

さて・・・今晩はネパール気分になっているので、
残り一つになってしまったネパールラーメン・マヨ(ホットサワー味)を食べることにしよう・・・


島田覚夫「私は魔境に生きた-終戦を知らずニューギニアの山奥で原始生活十年」

2010-08-13 17:49:42 | 
島田覚夫2007「私は魔境に生きた-終戦を知らずニューギニアの山奥で原始生活十年」光人社NF文庫 

1986年にヒューマンドキュメント社刊の文庫版での再版。
帰国してすぐに書き上げられながら、30年後になってから出版されたという、566p。の大著。
タイトルからわかるように、1855年まで敗戦を知らずにニューギニアの山中で10年間を生き延びた「誇張も創作も」ないという記録。

17人が最終的には4人となる、厳しい熱帯雨林のなかの生活。
夜陰に乗じて山肌を伝って奪い取る食料の調達、長引かせる工夫、狩猟、肉の保存、そして栽培を試みる年月。

食べること、それは生きながらえるために最低、しなければならない工夫だったとして、次には驚かされた。
・村人との接触に成功し、鍛冶屋技術を糸口に信頼関係を3年間に渡って結ぶ。
・そして「生きて虜囚の辱めを受けない」という価値観から、「いまさら何のために生きるのだろう、潔く出て行こう」への価値観の転換!
・冷静さを持って、集団や自己の統制を維持する様。

全く知らなかった経緯だっただけに、著名な戦後の潜伏モノとは違って、いきいきと生き様を感じた。
そういえば、小野田さんのものという広大な牧場の横をブラジルで釣りに行くときにクルマで通ったことを想い出した。

ル・クレジオ 「悪魔祓い」

2010-06-30 10:31:05 | 
ル・クレジオ著 高山鉄男訳「悪魔祓い」岩波文庫 184ページ 1200円+税

2010年6月16日刊の新たな文庫だけど、原著は1971年。
1975年に同じ訳者によって新潮社から最初の翻訳が出されているものの全面改訳版だそうだ。

原題は直訳すると「活動と精力」とのこと、美術出版社から刊行されたことで了解できるように「インディオの歌や模様、彫像」に多くのページが割かれている。
宗教人類学的、あるいは医療人類学的な関心から本書を見ると、ちよっと内容は違う。

美、言葉、呪術、沈黙、歌、音、声、絵、模様に飾られた肌、彫像、呪術的な模様などなどが、語られていき、ぼくの異文化体験が蘇ってくる。

「インディオ生活のすべて、生活の根底そのものを讃え」「自然や世界との共生の哲学があり、共存の論理がある」という。
実際、4年余りパナマのダリエン地方のエンペラ族、ワウナナ族と生活をともにして、「わたしはインディオなのである」と冒頭に記すほどに、同一視している!
そして、都市文明への嫌悪感がほとばしっている。

ダリエン地域とはパナマ地峡のコロンビアに接するあたりを指し、現在でも欧米の探検ツアーなどの場となっている、人々の生活の地域とはなっていない、湿潤すぎる熱帯雨林地域だ。

ちなみに著者は、2008年のノーベル文学賞受賞者なんだそうだ。

当時はフランスの兵役の代替に、海外駐在をする制度があって、その際の20代の経験が元になっているという。
いまのJOCV青年海外協力隊の諸君のなかにも、こうした深い体験をしている人もいるのだろうか・・・



社会参加し「闘うレヴィ=ストロース」

2010-06-26 15:45:12 | 
渡辺公三2009「闘うレヴィ=ストロース」平凡社新書

著者は、心理臨床の業界に似た名前の人が名古屋にいるけど、別人の大学人。
年譜や著作・論文リストなど、ただならぬ研究の経過に裏付けられた新書。

文章は平易だけど、内容が深く濃いのが、レヴィ・ストロースの文体。
そして小説のようなぺダンティックさが気に障るほどの厚み。

そういう彼が、18才でフランス社会党に入党し、学生運動の役員をし、ボーボワールやメルロ・ポンティと同期の哲学教授試験を受ける年にはフランス社会党代議士の政策秘書を22才のときに務め、UNESCOの事務局長を戦後にしていたとは知らなかった!
教師、講師など、研究者だけではなかった・・・

ブラジルのサンパウロやクイアバでの人類学調査や、「悲しき熱帯」「親族の基本構造」「構造人類学」「今日のトーテミスム」「野生の思考」「はるかなる視線」などなど、多作の、時代を切り拓いている構造人類学者。

原著刊行後30年を経て2006年から翻訳が出版された「神話論理」は高価でかつ難しそうで、手を出していない・・・けど。

この研究者の解説は決してやさしくはないけど、各著作の間の流れが掴めてうれしい。
そして、社会参加の姿勢はぼくも失わないでいきたいとしみじみ考えさせられた1冊。

1908年生まれのレヴィ=ストロースは100才を越えて存命らしい・・・