命のカウントダウン(健康余命3605日)

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正常性バイアスについて(その2)

2021-03-04 21:44:07 | 病気の予防
前回、正常性バイアスについてお話をさせていただきました。
次回、正常性バイアスの権化のごとき爺様のお話をさせていただきますと申しましたが、現在進行形であることもあって、上手く話しをまとめる事が出来ません。勝手に予告したのですが、勝手に延期しちゃいます。今回は正常性バイアスに関する余計な話です。

前回は、正常性バイアスについての説明と、正常性バイアスが「災害時に避難が遅れて災害被害を拡大する原因」として悪者扱いされることが多いけれど、ヒトには必要不可欠なものではないかという私見を述べさせていただきました。

今回も似たような話です。正常化バイアスは、心の免疫機能ではないかと、思いつきました。調べてみてもそんなたとえ話は見つかりませんでしたので、つたない自分なりの解釈を展開させていただきます。

免疫機能の重要さは、広く認識されていると思います。
正常に働いていた免疫機能が破壊される病気が 後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome, AIDS, エイズ)です。
ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus;HIV)感染によって生じます。以前は手立てなく死に至る病というイメージがありました。が、近年飲みやすく、副作用も少なく、治療効果が高いART(antiretroviral therapy、抗レトロウイルス治療)の普及 などにより、治りはしませんが、感染してもAIDS発症に至らない様に治療を継続しながら日常生活を維持できる時代となりました。

 逆に言うと、破壊されてしまうとAIDSを発症してしまう、無くてはならない免疫機能。風邪をひいたり、新型コロナに掛かったりした時も、治癒に向かって働く主役は薬ではなく、感染者ご本人の免疫力です。今話題になることの多いワクチンですが、当該ウィルス等の病原体に対する個人の免疫力を上げるためのものであって、特効薬ではありません。

 話を正常性バイアスに戻しましょう。正常性バイアスとは、予期しない異常事態が発生した時、または、そうなりそうな時、殆ど根拠なく「自分は多分大丈夫だ」と思ってしまう心の方向性を言います。
 これが、外敵と思われる異常物質(ウィルスなど)が体内に侵入してきたときに無毒化しようと働く免疫機能と相似だと、私は感じました。

 免疫機能が必要以上に働いてしまう現象の一つにアレルギー反応や自己免疫疾患と呼ばれる疾患群があります。正常性バイアスも、必要以上に働いてしまうと災害時、非常時に逃げ遅れる原因になってしまいます。

 いい面もあれば悪い面もあるという事です。

 逆に、免疫機能が低下すると、普通ではかからないような感染症に罹患したり(日和見感染症)します。基礎になる免疫力が弱いので、薬で病原体を退治しても、次から次へと異なる病原体が出現する「連続もぐらたたき状態」になって、体力が低下して死に至ることが多いです。
 正常性バイアスが低下すると・・・・すべての変化に対して心理的に対応困難となります。不安障害、パニック障害、強迫性障害などが起こりやすくなるでしょう。

ワクチン接種は、特定の病原体に対する免疫機能を強化します。これは、災害に対する避難訓練、防災訓練が相当するのでしょう。災害時の対応能力を向上させ、心理的にも「体力」が生じます。

 ヒトは、免疫機能無くして生き続けていけないのと同様に、正常性バイアスで外界からの刺激・変化から心を守らなければ、生き続けていけないと思います。災害時に逃げ遅れないよう、かつまた不安で心をさいなまれる事の無いように、良い加減に?心配しましょう。それが病の予防につながるとも感じています。すべてにさじ加減が肝要です。重要なのは 良い加減さ???の様に思えます。


 

正常性バイアスについて

2021-03-04 02:02:01 | 新型コロナウィルス
 正常性バイアスとは、何等かの大きな、そして危機的な変化が自分に起こっているにも関わらず、「自分だけは大丈夫」とか 「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価したりしてしまう脳の特性の事を言います。

 災害などの非常事態などにおいて、この「まだ大丈夫」「自分だけは多分大丈夫」と思い込んでしまう事によって、避難が遅れ、多くの人が命を失ったり傷ついたりしてしまう原因になる、色々な事例でそのことは証明されています。

 我が国の東北大震災のあとの大津波、ある程度予想されていたにもかかわらず、避難しなかった、避難が遅れた方が多くおられ、多くの方が犠牲になってしまわれたことはまだ記憶に新しいと思います。

表題写真は(韓国・大邱地下鉄・中央路駅地下鉄火災事件)の写真です。
 事件は韓国三番目の大都市、大邱(てぐ)の地下鉄中央路駅で2003年2月18日午前9時52分35秒に発生した。自殺願望者のガソリン放火でありました。結局197名の方が亡くなりました。火災発生当初は、煙が迫ってくるにもかかわらず、多くの乗客が落ち着いた?対応をされていたことが写真からうかがい知れます。しかし、地下鉄と言う閉所での火災であり、酸素欠乏と有毒ガスの充満により多くの犠牲者が出ました。
 初期対応が遅くれた原因の一つに、正常化バイアスと呼ばれる心理反応が挙げられています。

 でも、正しく対応しろと言われても、結果論です。電車の中に少し煙が発生したくらいで大騒ぎして逃げまどったら・・・ほとんどの確率で「空騒ぎ馬鹿」と言われて終わるでしょう。でも、この時は、大火災になってしまいました。自動消火装置があったにもかかわらず・・・
こんな大規模な火災になって、200人近い人が犠牲になってしまうなんて、思わないですよねぇ。
正常性バイアス、マイナスの面にばかり光を当てられますが・・・
私はプラス面の方がよほど大きいと思っています。

 
 避難勧告等が発令されても実際に避難する人は少ないのが実情です。それを問題視されますが・・・避難をしなかっ理由として「以前に避難勧告が出された時も自分は一度も被害に遭わなかった」、「近隣の人も避難していないから」等が挙げられています。経験則による判断とも言えますよねぇ。要するに確率の問題???前回は問題がなかったとしても、今回も同様ではないかもしれない。、オオカミは、今までと別方面からも来るかも と、お上は脅し続けて来ますが、全て真に受けていたら、生活する事すら難しい。

 正常性バイアスは、生きていくうえで欠かせない必須の感覚だと思っています。例えば、私から正常性バイアス「俺は、多分死なないのではないか」というおバカな感覚を抜き去ったら、新型コロナ疑い患者さんの診察、検査なんて到底できないです。自分だけは多分大丈夫だろうとおバカに思っているから、新型御ロナ疑いの患者さんの診察、検査しております。正常性バイアス、私に必須な感覚であることをご理解いただけたでしょうか!!

次回は、ちょっと厄介な・・・正常性バイアスの塊のような爺ちゃんの話です。これはこれで・・・・難儀なのよー!!

https://tenki.jp/suppl/m_yamamoto/2015/04/18/3081.html#sub-title-a