茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

かに

2009年11月01日 | Weblog
煎茶の席には
床飾りに「蟹」が好んで使われます
それは
中国ではかにに「横行君子」という別名があるのですが
権力にそっぽを向いて横に行く人を
文人が好んだからなのです
かには
「人には奇妙に見えても自分には適したやり方」
と言う主張を代弁しているのです

今日うかがったお煎茶席のお床には
『一華開五葉(いっかごようひらく)』というお軸がありました
「結果自然成(けっかじねんじょう)」と対句を成す禅語ですが
「心華が開けばやがて自然に仏果菩提の実を結び
五弁の智慧の花びらが開く」と言ったお言葉です
良い結果のために人はいろいろに努力をしますが
人は皆生まれながらに
心にそれぞれの華を持っているので
心の奥へ奥へそれが何なのか尋ね入りなさい
そういう努力をしなさいというところでしょうか
結実は人間の思惑や計らいを離れているのだそうです


今日楽しかったのは
この「華」という文字から
「華甲(かこう)」と言う話題になったのですが
通常は「華」は分解すると61で「甲」は甲子(きのえね)ですから
華甲は還暦のことで
一巡して赤ちゃんに戻るので
赤いちゃんちゃんこを着るというのですが
今日のご説明は
「甲」は甲羅でかに(文人)のこと
人間60年も生きていれば華心を得て
文人になる→かにになる→赤を着る
というものでした

また
急須にお湯を注ぐと泡がでますが
それがかにの泡に通じる
いま宝瓶(ほうひん)といっている道具は
本当は泡瓶(ほうひん)で
お茶→泡→かに
というお話でとにかくかにづくし
皆さんいろいろなことを思いながら
お茶を楽しんでおられるのだなあと
とってもほっこりいたしました

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1 コメント

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Unknown (no name)
2009-11-02 16:44:26
k市の煎茶会に行かれたのでしょか?
ワタシはいかれませんでした。
またオハナシきかせてください。
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