茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

うぐいす

2009年10月10日 | Weblog
茶箱の月点前は、
点前座に4枚続きの板を敷いて、
その上にお茶を点てる道具を並べていきます。
その道具の一つに、
うぐいすと呼ばれる逆U型の針があります。
これに茶筅をさす(立てる)ので、
茶筅が倒れないための道具と説明されますが、
では何故他のお点前には使わないのでしょう。
「花」や「雪」はインドアのもので、
「月」だけが風に倒れることを配慮しているのでしょうか。
さて、
うぐいすという語源とは。

「うぐいす」という名は香道の道具に由来します。
香道では香の紙をとめるのに銀製の畳針を使うようですが、
これが「うぐいす」と呼ばれています。
針に紙がささっている景色が、
鶯が梅の枝にとまっているようであるからとか、
「飽かなくに折れるばかりぞ梅の花 
 香をたづねてぞ鶯の鳴く」という
『続後拾遺集』の歌に因んで、
香を留める針をうぐいすと呼ぶようになったとかだそうです。
茶道には香も歌もあります。
香道にヒントを得た道具があるのは道理です。

でも茶筅を立てるなら、
ここにうぐいすを曲げて持ってこなくても、
画像の右にあるような茶筅立てでもいいはず。
(この茶筅立ては月点前とは関係ありません)
香道のうぐいすが香を留めるものなら、
月点前のうぐいすは月を留めるため?
あ、まだ行かないでお月様
という思いかしら。
でもそこに茶筅を立ててしまうのは何故?
茶筅は竹。
竹取の翁が月のお姫様を留める想い?

なことを考えていると
浮き世の憂さも晴れて参るというものです。

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