茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

売茶翁調査員その2:田中新一先生

2009年10月15日 | Weblog
以下、茶坊主様がお寄せ下さったリポートをご紹介します。

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「売茶翁をもっと知ろう」講演会(3回講演)が
北九州市小倉城庭園で行われています。
第一回は10月12日でした。展示会も開催中。
講演は、売茶翁調査員と自称される田中新一先生。
(小笠原煎茶道家元教授)
先生は来年、約25年にわたる、ご自身の売茶翁さん調査の集大成を本にするということで着々と準備を進めていらっしゃいます。
聴講の私たちにそのおこぼれをいっぱい分けてくださいました。

MINAKOさんのブログでも何回か売茶翁さんは登場していますね。
実在の人物ながら、その素顔はまだよくわかっていないんですよね。
この、まだよくわかっていないというところがお茶好きの探究心をくすぐります。
なんたって煎茶の祖ですからね。
なんだか、若冲が書いた売茶翁の肖像を見ていると
茶祖・神農帝や陸羽の面影があるような感じで引き込まれてしまいます。
好々爺ながらも奥深い何かの境地を感じさせる、そんな感じ。

面白いなと思うところは・・・
たとえば、売茶翁は本人以外4人います。
ファンの尊敬が高じてその名を名のっちゃった人たちがいるようで。
あ、あまりココで詳しく書くとイケマセンばい(^^)

売茶翁 本名はご存知、柴山菊泉 
1675年に九州佐賀の蓮池城外で生まれます。
12歳で出家して「月海元昭」、
68歳のとき、還俗して「高遊外」を名乗ります。
同じ年には、宇治へ煎茶を技術開発した永谷宗円を訪ねています。
そして89歳の高齢で没するまでの期間が
売茶翁として京の町中で名が高まった時期にあたるのです。
最初はほとんど町衆に相手にされず、
3店舗目の清水寺下の露店から人気が出たようです。
人通りの多さを重視した戦略だったよう。

田中新一先生作成の<売茶翁年表>すごいです。
内容が濃い。
柴山家のルーツも溯ってお調べです。
きちんと文献で照合し、実踏し、
判読できないものは専門家の協力を得、
証拠なきものは調査対象とせず。
この姿勢がナイスなんです。
先達の研究者の成果も踏まえておられます。

24日は第二回。 
さてどんな 売茶翁の姿が紹介されることでしょう。
ワクワクして待っているところです。
ああ、本が出版されたあとだったらもう少し突っこんで書けるのに~、
すまんことですばい。

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売茶翁を名乗る静岡の葉のつくおじさまは存じていますが、
他に3人もいらっしゃるのですか!?!
ん~、こそっと、おしえてほしか。

第2回目のご報告も楽しみにしていますね。

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