茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

マイ茶杓

2008年09月30日 | Weblog
ちょっと前ですが、
みんなで茶杓削り大会をいたしました。
木を削るということからして、
ほとんど経験のない日常、
小刀を買いに行くのもなんとなくウキウキ。
中には、日本橋木屋さんで「怪しい人?」な目で見られたとかいう方もあり。

竹藪に踏み入り竹を切って・・・
からやっていると、マイ茶杓が出来上がるのはいつ?になるので、
それは今後のお楽しみ。
まずは、
あと幅を整えて櫂先を整えればよいというところまでできている
キットを利用。
それでもはじめは大変なんです。
なんせ、相手は竹。
竹を割ったような性格という時に使われる竹!
ちょっとした、「あっ」で、
すい~と思わぬ結末になってしまうわけです。

簡単な説明をして、
とにかく削ってみるのが一番!と
各自思い思いに竹に向かい合いました。
性格が出るんです。
見ていると楽しい。
ええっというほどにザクザク行く人、
いつまでも細くならない人、
ふんふんなるほど。

出来上がったマイ茶杓も姿は様々。
それぞれに、「銘」をつけて次のお稽古の時に披露しました。

マイ茶杓を作ると、
今までただお茶を掬う道具であった茶杓の見方が
変わってくるのです。
おお!この腰はすごい!とか、
なんてうつくしい櫂先の丸み!とか、
何とも手になじみますね~、とかが
心から自然に賛美の言葉として出てくるわけです。

そうでないと、
「お茶杓拝見」なんていっても、
「お作は?」「ご銘?」とファーストフード店のような質問ばかりで、
それ以上の言葉なんてとても出てくるわけがありません。
自分が苦労して削った経験があるからこそ、
畳に這いつくばって「蟻腰」にため息をついたりしちゃうわけです。

雨の音を聴きながら、
手慰みにちょっと茶杓削っちゃったりする、
そんな秋の長雨もよいかもです。