茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

お茶卓

2008年09月29日 | Weblog
先日、とってもおいしいお食事をしました。
お魚もふんわり焼けていて、
卵もお出汁がきいていて、
煮物もお野菜の味がたまらなく甘く炊けていて、
ご飯も一粒一粒つやつやしていて。
おー、技あり、
おなかペコペコで急いで作るいつものお料理とは
味の重ね方が違う!
と、思えると、外でのお食事も満足ですよね。

ところが、なのです。
お茶が、お茶卓に乗ってこなくて。
あたりを見回しても、
ここだけ忘れられているようではありません。
ハタと考えました。
あれ?レストランって、最近、お茶卓使わなかったかしら?
お寿司屋さんみたいなお湯飲み茶わんの時は、ないかもです。
ファミレスとかもないかもです。
でも、やはりそれらはお湯飲み茶わん。

このお茶碗には、なんと、高山寺の銘が。
そして、高山寺で有名な鳥獣人物戯画もあしらわれています。
高山寺といえば、日本最古の茶園があるお寺さん。
(8月19日のブログの答えでーす)
栄西禅師より茶の種を譲り受けた明恵上人が、
そこで茶を育て、
それが宇治に拡がっていったわけです。
お茶に大変ゆかりのあるお煎茶碗です。

こんな立派なお茶碗に、
あんな立派な日本料理屋さんが、
どうしてお茶卓をやめてしまったのでしょう。
一手間省くためだとしたら、
ちょっと哀しい。