PS3のHDMIの画像設定には、以前お伝えした解像度設定のほかに色彩信号の表現帯域の指定があります。 ビデオ視聴中には変更できないものがあるので予めやっておきましょう。
XMB
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設定
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ビデオ設定
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BD/DVD映像出力フォーマット(HDMI)
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自動、RGB、Y,Pb/Cb,Pr/Cr
『Y,Pb/Cb,Pr/Cr』と『RGB』はITU-Rで策定されている”コンポーネント映像”に関する規格で、PS3では(というか現在のほぼすべての機器で)見掛け上どちらも同様に振舞います。 なので、ここの設定も『自動』(=モニタの対応状況で自動切換え)で全く問題はありません。
『Y,Pb/Cb,Pr/Cr』のほうがなにやら複雑そうで、より多くの情報が含まれているように感じてますね。 しかし、『Y,Pb/Cb,Pr/Cr』は光・色の特性を利用し、低速度での伝送を想定して間引きをしている信号です。 放送波やBD/DVDも、容量を抑えるためにこの方式で記録・伝送しています。 『RGB』にしても失われた情報は補完されませんし、HDMIやコンポーネットの端子を持つ映像機器はいずれの形式もサポートしていますので、ほとんどの場合特別に設定する必要はなさそうです。 ただし、以下からの解説も参考の上、設定してください。
XMB
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設定
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ディスプレイ設定
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Y,Pb/Cb,Pr/Crスーパーホワイト(HDMI)
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入
出力設定が『Y,Pb/Cb,Pr/Cr』時(『自動』で『Y,Pb/Cb,Pr/Cr』が選ばれている時)のみ有効。 HDMIで接続している場合、ここは迷わず『入』にしましょう。 万が一ディスプレイが対応していなくても全く映らないということは無いと思います。 ですが、もし違和感を覚えたらディスプレイが未対応の可能性が高いので戻しましょう (HDMIは、コンポーネント/D端子より伝送帯域が広い=より多くの情報を伝えられるので、オプションとして用意されていると考えられます)
XMB
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設定
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ディスプレイ設定
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RGBフルレンジ(HDMI)
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フル
HDMI接続なら伝送帯域が十分にあるので、ここは絶対に”フル”。 PS3をお使いであればもうご存知かと思いますが、”リミテッド”にしてしまうと色彩、コントラスト比が低下し、HD映像でもSD映像並みの色味になってしまいます。 アップコンバートによるDVDの再生に満足するためにも”フル”にしておきます。 HDMI以外の接続をしている場合は無視されます。 (入力された色彩信号がこれにあわせて伸長するので色味が変わることがあります)
※ 低価格で高解像度を実現できる"PC用ディスプレイ"ですが、2009年現在PS3の映像設定と相性が悪いものも存在します。 ご注意を。
○ 雑学
・ 『Y,Pb/Cb,Pr/Cr』は伝送量が少なくて済むため、映像・音声ともに信号が安定しやすい。
・ 僅かな差ですが、『Y,Pb/Cb,Pr/Cr』はコントラスト(光の強さの幅)表現に強く、『RGB』は色彩の滑らかさに強い信号。 『Y,Pb/Cb,Pr/Cr』時に設定できる[スーパーホワイト]はこれを利用し、輝度信号帯域を拡大させます。 (ただし、ディスプレイ機器(TV)の補正機能の進化(または画質設定)により、認知できる差は出ないことが大半です)
『Y,Pb/Cb,Pr/Cr』は間引きされた信号ですが、それによるロスは僅かで、現在ではその節約された帯域に様々な付加信号(x.v.Colorなど)を乗せられる規格があるために『RGB』より高画質になる可能性はあります。 (009/12現在、x.v.Color信号が記録された市販ソフト・配信映像はほとんど無い模様です。 同社製ハンディカムの一部最新機種にこの形式で記録できるものがあるとのこと)