「同じ時計を見て家族で喜ぶ時間」

　先月、引っ越し祝いで、親戚からからくり時計をもらった。長針が「１２」を指すと、時計の文字盤部分が開き、中の円盤が回って、すてきなオルゴールの音色で時間を知らせてくれる。
　１歳の次女は、この音色が好きで、そのたびに時計を指して喜んでいる。もっとオルゴールの音が聞こえるようにと、テレビのボリュームを低くしてみた。
　すると、繊細で心地いいオルゴールの音色が室内に響き渡り、幸せな気持ちになれた。今まで、そんな時間があっただろうか。時の経過も、より感じられるようになった。
　これからも、わが家で多くの時を刻むことになるが、同じ時計を見て喜び、音楽に耳を傾けた時間を忘れないようにしたい。

　読売新聞気流欄掲載　みさきっすママ

「カマキリ飼育話弾む」

　私は小さい頃、カマキリを飼っていた。散歩中、小さな茶色のカマキリと出会い、以前から飼いたいと言っていた息子のために捕まえた。
　虫かごに入れて６歳の息子に渡すと喜び、「かまくん」と名付けた。それからは、いつも虫かごを持ち歩いて生活するようになった。
　カマキリについてネットで調べてみた。バッタを食べることが分かったが、息子がかわいそうだと言うので、他に食べ物があるか調べた。綿棒に水を含ませてやると飲むことが分かり、実際にやってみると飲んだ。
　次の日、息子はかまくんと登園。友達がヒメカマキリだと教えてくれたと言うので調べると本当だった。水ばかりではいけないのでバッタを食べさせることを説得し、公園に捕まえに行った。
　その夜、「今日は食器を洗うよ」と手伝ってくれた。バッタを一緒に探してくれたお礼だとか。
　かまくんのおかげで息子との会話も増え、楽しい生活が送れることに感謝している。

　中国新聞広場掲載　みさきっすママ