「不思議な力 子に驚き」

　子どもには不思議な力があると思う。「生まれたときのことを覚えてる」と長女に聞くと「ぱっと明かりが見えて、たくさんの人がのぞきこんでいた」と言ったことがある。
　長女は緊急帝王切開だった。現在５歳の長男は１年前、私のおなかを触って突然、「卵がいる」と言った。その一週間後、妊娠が分かった。
　妊娠８か月ごろには「赤ちゃんあそんでる」とうれしそうに話してくれた。長男の手がエコーとなり、３人目の妊娠生活はとても楽しいものとなった。
　妊娠中、長男は私のおなかに口をつけて赤ちゃんに話してくれた。生まれてすぐの赤ちゃんは、長男の大きな声には全く驚かず、すやすやと眠った。お兄ちゃんの声を覚えていたのだ。
　その妹も１歳を過ぎたので、「そろそろ断乳しようかな」と言うと長男は「だめよ、もっと飲ませてあげんさい、おいしいんじゃけえ」という。
　妹の気持ちを代弁してくれているようだ。いつまでも妹の気持ちを分かる優しいお兄ちゃんでいてほしいと願っている。そして、子どもの無限の力に驚きながら楽しく子育てしていきたい。

　中国新聞広場掲載　みさきっすママ