呪縛から解き放たれた開放感でいっぱいの傑作だ。
メンバーはキャノンボール・アダレイ(as)の他、ジョン・コルトレーン(ts)、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、ジミー・コブ(ds)、...とくれば、誰の呪縛かわかろうというもの。
マイルスだ。全員、当時のマイルス門下生である。
マイルスの存在感は大きく、いつもあのだみ声で自信たっぷりの指導力を発揮していた。
そんなシカゴでのツアー中に、誰が言い出したか、マイルスのいないことを見計らっての「いっちょ、やるか!」に、「よし!」とばかり、他のメンバー全員が乗ってきて実現したスタジオ録音がこれだ。
注目すべきはキャノンボール・アダレイとジョン・コルトレーンのサックス・バトルで、聴き応え充分だ。
それと面白いのはアルバムの全体構成である。1曲目とラスト6曲目に全員の息が合ったブルースを配置し、2曲目と5曲目にはそれぞれの持ち味を生かしたバラードを挿入、3曲目はアダレイの作品である「WABASH」を、4曲目にはコルトレーンの作品である「GRAND CENTRAL」を配置している。ある意味当然かもしれないが、「WABASH」では圧倒的にキャノンボール・アダレイのプレイがすばらしく、「GRAND CENTRAL」ではジョン・コルトレーンの力強さが印象に残る。
楽観的なアダレイと神経質なコルトレーン、対照的な二人ではあるが、実力はかなり高いレベルで伯仲している。
おそらくマイルスもこのアルバムを聴いて、「あいつら、なかなかやるじゃないか」と思ったに違いない。
CANNONNBALLのCHICAGOは、皆熱っぽい演奏でいいです。愛聴盤です。
私も、あまり聴かなくなっていたLPのたな卸しを兼ねて、昔の記憶を辿りながら記事を書いています。
また寄らせていただきますので、今後ともよろしくお願いします。
こちらこそこれを機にお付き合い下さい。YANさんのブログも時々拝見させていただきます。それではまた~。