SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

LONNIE JOHNSON 「blues,ballads,and jumpin' jazz」

2010年05月03日 | Guiter

初老の二人が日だまりの中でギター片手にゴキゲンな対話を繰り広げている。
これを聴けばジャズもブルースもない。
ただただ古き良きアメリカを目一杯感じるだけである。

これはロニー・ジョンソンとエルマー・スノーデンが1960年4月に録音したアルバムの第2集だ。
第1集には入らなかった未発表曲が詰まっている。
未発表曲とはいうものの、選曲はジャズの名曲が多く、「Lester Leaps In」や「On the Sunny Side of the Street」、「C Jam Blues」など、ジャズファンにも充分アピールできる内容になっている。

ロニー・ジョンソンは1920年代から活躍していた人で、T.ボ-ン・ウォーカーもB.B.キングも彼から強い影響を受けている。
はたまたモダンジャズギターの開祖ともいわれるジャンゴ・ラインハルトやチャ-リ-・クリスチャンもその例外ではない。
正に大御所中の大御所といっても差し支えない人なのだが、この作品を聴く限り実に親しみやすく、人間味が溢れている。
まるで二人が、昼下がりに縁側で仲良く将棋でもしているかのような雰囲気だ。

エルマー・スノーデンはアコースティックギターを弾いており、ロニー・ジョンソンはエレクトリックギターを弾いている。
リードギターはエルマー・スノーデンが演じる場面が多い。
デューク・エリントンやレッド・ガーランドの名演でお馴染みの「C Jam Blues」では、そのエルマー・スノーデンが大活躍。
こんなギターが弾けたらさぞかし楽しいだろうな、と思わせる演奏だ。
もちろんロニー・ジョンソンも随所に名フレーズを連発。
特に「Blue and All Alone」や「Stormy Weather」でのシングルトーンは泣かせる。
二人とも既に還暦を迎えているはずだが、ギターの指さばきは一向に衰えていない。
初めてという方には、ラストの「Birth of the Blues」を聴かせてあげたい。
静かに沸き上がる喜びを感じてもらえるだろう。

この作品、ジャケットもなかなかイケている。
最近のアルバムにはこういうほのぼのとした味わいがない。ぜひ見習ってもらいたいものだ。
第1集と共に、2枚揃えて手元に置いておきたいアルバムである。




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