SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

PAUL DESMOND 「EASY LIVING」

2007年03月11日 | Alto Saxophone

「サックス奏者は誰が好き?」と聞かれると、まず最初に「ポール・デスモンド」と答えていた。
彼は私がジャズを聴き始めた頃のあこがれだった。
最初の頃は彼の吹く楽器がサックスだとは思っていなかった。クラリネットか何かだと思っていたのだ。それくらい彼の吹くアルトは角が丸い音色をしている。ジャッキー・マクリーンあたりの音色と比べてみると歴然だ。とても同じ楽器だとは思えない。
彼はそっと囁くように吹いているが、それでこれだけしっかりした音を出せるのは、ジャズ界広しといえど彼一人だけだろう。

久しぶりにこの「EASY LIVING」を聴いてみた。
女房役のジム・ホールによる音あわせのようなイントロから、まるで口笛のようなポール・デスモンドのアルトが入ってくる。このアンニュイな雰囲気にはピアノレス編成、大正解だ。
驚いたのはコニー・ケイの見事なシンバルワークと、ユージン・ライトの強靱なベースだ。これまではポール・デスモンドのアルトばかり聴いていたようで、こんなにもバックがしっかりしていたとは気づかなかった。
しばらく棚に眠っていたアルバムも、改めて聴くと新譜のように感じられることがある。これがその典型例だ。


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