SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

THOMAS CLAUSEN 「MY FAVORITE THINGS」

2007年07月04日 | Piano/keyboard

ジャケットを見て、何かいけそうな雰囲気を感じた。
いけそうな感じというのは、自分の趣味に合っていそうだとか、長くつきあっていけそうだとか、そういった所謂「直感」である。一目惚れとまではいかないが、なつかしい旧友に出会った時のような感覚だ。
こういう直感は往々にして当たる。なぜかわからない。わからないが、ジャケットとはそういう存在であるべきだ。
このアルバムジャケットを見てなぜそんな風に感じるのかといえば、カメラマンのセンスが私の感性にフィットしているからだろうと思う。もちろんそんなに大袈裟なことではない、但しいいアルバムジャケットの条件は、まず起用されたカメラマンの存在が大きいことに気がつくべきなのだ。
ジャズを撮ったカメラマンで真っ先に思い出すのは、ウィリアム・クラクストンやフランシス・ウルフだ。
彼らはジャズの音を写真で表現した。まるでそのプレイヤーの内面までが見えるようだった。私たちが有名なジャズプレイヤーに抱いている感情の多くは、そうした優秀なカメラマンの目を通して伝わってきていることに気づかねばならない。
このトーマス・クラウセンの表情からも、彼が何を考え何を表現したいのか、何となくではあるが伝わってくるのである。
だから私はジャズマンのこうしたポートレートが好きなのだ。

さて内容はというと、じっくり何度も味わってかみしめるようなタイプのピアノトリオである。
つまりこれ一曲、というような抜きん出た演奏があるわけではなく、どれもこれも一定水準以上の佳曲に仕上がっているのだ。
強いていえば「ジャスミン」や「ディープ・イン・ユア・ハート」といった曲が、彼の本領発揮といったところか。
トーマス・クラウセンもベテランの域に入った人である。その表情にも表現力が増してきて当然なのかもしれない。


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