ブルーノート1500番台は正にモダンジャズの花形だった。
1500番台とは、ブルーノートのレコード製造番号が1501番から1600番までの100枚を指している。但し1553番は欠番だったため実際は99枚しか存在しない(もっと正確にいうと1592番のソニー・クラークも最初はなかった)。
ここに登場するプレイヤーはマイルスに始まって、バド・パウエル、セロニアス・モンク、ファッツ・ナヴァロ、ソニー・ロリンズ等々、蒼々たる面々が顔を揃えている。
もう相当昔の話になるので定かではないが、私が最初に買った1500番台のアルバムはたぶん1521番と1522番の「A Night at Birdland with Art Blakey Quintet」だったと思う。田舎のレコードショップで悩みつつ2枚まとめて買ったのでよく覚えている。このアルバムでクリフォード・ブラウンらと一緒に熱い演奏をしていたのがルー・ドナルドソンだった。私はその時に初めて彼の存在を知った。
その後、1545番の「Wailing with Lou」や1591番の「Lou Takes Off」、そしてこの1593番「Blues Walk」を手に入れた。
彼はとにかくわかりやすいメロディを魂を込めて吹くことに専念した。このアルバムはそんな彼の良さが最もよく現れている作品だといえる。
その後結局ブルーノート1500番台のレコードは全て手に入れてしまった。
今になってみれば無駄なことをしたものだと思う。
中にはただ持っているというだけで2~3回くらいしか聴いてないアルバムも含まれているからだ。もうこんな買い方はしないだろうとは思いつつ、今でも時々取り出してはカビ臭いジャケットを眺め、悦に入っている自分が情けない。