SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

JON JARVIS TRIO 「Never Never Land」

2007年10月22日 | Piano/keyboard

ジョン・ジャルビスと聞いてすぐ反応した人に出会ったことがない。
しかし知らない名前だからといって、こんなすごいテクニックのあるピアノトリオを見過ごすわけにはいかない。
ピアノトリオといっても彼らはピアノ、ギター、ベースのトリオで、ドラムレスである。昔のオスカー・ピーターソントリオと同じ編成だ。何となく原点に戻ったような懐かしい雰囲気が醸し出されるのはそのためである。
オスカー・ピーターソントリオと似ているのは何も編成だけではない。このジョン・ジャルビスという人のピアノテクニックはオスカー・ピーターソンに勝るとも劣らないのである。高音域でのハイスピード演奏は圧倒的な魅力と個性がある。正確に動く彼の指はまるでマシーンのようだ。どことなくクラシックの素養もある気がするし、ブルースだって完璧に弾きこなす。どうもただ者ではない。
ギターを弾くアンソニー・ウィラーという人もなかなかの逸材だ。一音一音味わいながら丁寧に弦を弾く。私はこうした弾き方が好きだ。しかもセミアコの音色が実にナチュラルで心落ち着く。

結局彼らはこの二人の相性が抜群にいいトリオなのだ。
全体の雰囲気はというと、多少ジャケットにも影響されているのかもしれないがメルヘンチックである。
またスペシャルゲストとしてステファン・グラッペリが2つの曲ですばらしいバイオリンを披露しているが、彼の参加によってますますファンタジックなムードが強められていることも特徴の一つに挙げておきたい。
挿入されている曲は「Man I Love」や「Georgia on My Mind」、「Body and Soul」など、スタンダードも多い。しかし彼ら独特の演奏によって、まるでオリジナルのように響いてくる。これはテーマが崩されているからではない。やはりジャズメンとしての力量があるからなのだ。
私は今、彼らの「Hear No Evil」というアルバムを探している。これを見つけるのが目下、楽しみの一つである。




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